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NEXCO東日本、規制速度120km/hへの対応は「これから」検討
4月1日の料金改定は対策本部を立ち上げて対応、3月定例会見から
(2016/3/31 00:00)
- 2016年3月30日 会見
NEXCO東日本(東日本高速道路)は3月30日、定例記者会見を開催した。営業概要や2016年度の大規模更新・修繕の計画などが発表されたほか、先日警察庁が発表した高速道路の規制速度を引き上げの検討や、4月1日の料金改定についての質問が行なわれた。
この日の発表事項としては、3月29日17時過ぎに道路情報板やVICSに誤って「東海地震注意報発生中」という表示をしてしまったこと。道路情報板には約11分間、VICSには46分間、誤った情報を表示させた。代表取締役社長の廣瀨博氏は、試験中の装置と運用中の装置を単純に接続してしまったと説明、今後は物理的に切り離して作業することを徹底するとした。なお、工事施工者は東芝だという。
次に、東日本大震災からの復興については、三陸自動車道(仙塩道路)の4車線化の完成や、常磐自動車道の復興需要の高まりを挙げた。常磐道については3月10日に安倍晋三内閣総理大臣が混雑区間の4車線化について言及したことから、いわき中央IC(インターチェンジ)~広野IC間と山本IC~岩沼IC間の4車線化を進める。国土交通省が整備計画の変更を行なったあと、NEXCO東日本が国土交通大臣から事業許可を受けて実施するという。
廣瀨氏は4車線化する区間について課題があるとし「トンネルや橋梁などが多く、地滑り等の軟弱地盤があるが、国交省をはじめ、関係機関の協力を得ながら、一日も早い被災地の復興に協力ができるよう取り組む」と述べた。
また、2015年度から進めている大規模更新・修繕事業は、事業呼称として「高速道路リニューアルプロジェクト」とし、ポスター等に使用するロゴを発表した。ロゴはNEXCOの3社共通のデザインで、コーポレートカラーと同様にNEXCO東日本はグリーン、NEXCO中日本はオレンジ、西日本はブルーになるという。
「高速道路リニューアルプロジェクト」で2016年度は橋梁の床板取替工事で約20橋、高性能床板防水工事で約20橋などに着手する。現在のところ長期間の規制が行なわれる工事は、春の時期に東北自動車道の中山橋(仙台宮城IC~泉IC間)、秋の時期に長野自動車道の小仁熊橋(安曇野IC~麻積IC間)の床板取替工事など。その他の工事については、工事計画が具体化した時点で発表するという。
利用者にさらなる安らぎと癒しの空間を提供する「花と緑のやすらぎ ハイウェイガーデン プロジェクト」(花プロ)は、本格的な花プロのモデル事業として2016年度に上信越自動車道 横川SA(サービスエリア)下り線の整備に着手する。テーマは「軽井沢・信州へのプロローグ」。軽井沢町や軽井沢観光協会の協力を得て実施する。2016年度は関越自動車道の赤城高原SA 下り線にも着手する。
営業概要は2016年2月度の速報値を発表、1日平均の通行台数は約265万台、対前年比約3%増、料金収入は約57億9000万円と対前年比約7%増となった。増加の理由として常磐道の全線開通、圏央道の新規供用区間があったためと説明した。SAおよびPA(パーキングエリア)の2月度の売上は合計で約84億6000万円、内訳は飲食販売で約62億5000万円、対前年比4%の増加、ガソリンスタンドは約22億円で同1.3%の減少となった。飲食販売は2月はうるう年で1日多かったことや天候に恵まれたことで前年を上回ったと分析、ガソリンスタンドは昨年よりも1Lあたりの単価が20円ほど下がったことが減少の理由と説明した。
NEXCO東日本内のゴールデンウィークの混雑状況については、10km以上の渋滞は102回と予測、下りは5月3日と5月4日、上りは5月4日と5月5日がピークと予測されている。この予測は事故などの影響は考慮していないため、取締役兼常務執行役員で管理事業本部長の山内泰次氏は「お出かけの際は、リアルタイムな情報を確認してできるだけ渋滞を避けて利用してほしい」と呼びかけた。
4月27日にグランドオープンする上里SA 上り線はショッピングコーナーなどがリニューアルし、ドラマチックエリアとしてリニューアルオープンする。取締役兼常務執行役員で事業開発本部長の萩原隆一氏は、上信越道や北関東自動車道の分岐に近いエリアということで「新潟、長野、群馬の食材を活かした土産物を数多く揃えていきたい」とした。
質疑応答では、4月1日からの料金改定や、先日警察庁から発表した規制速度の引き上げについて質問がなされた。
4月1日の料金改定について社長の廣瀨氏は「スムーズに切り替えたい。管理事業本部長を長とする対策本部を立ち上げる予定。料金改定の実施後、しばらくの間、安定するまでは会社として対応する体制を採る」とした。値上げになる利用者と値下げになる利用者がいる点は「個別の利用者には意見があるかと思うが、全体を調整した結果なので、ぜひご理解を」と理解を求めた。
警察庁が発表した高速道路の規制速度を120km/hに引き上げを検討していることについては管理事業本部長の山内氏が説明、「警察、国交省、地元の公安委員会、(引き上げ検討対象の東北道を管轄する)東北支社が、これからどういうことをするのかを調整するのが、今の状況」と述べ、NEXCO東日本に情報は入っているが、具体的な検討はこれからとなると説明した。