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警察庁、構造適合速度120km/hの高速道路で規制速度の引き上げを検討
新東名 御殿場JCT~浜松いなさJCT間、東北道 花巻南IC~盛岡南IC間など
(2016/3/24 20:20)
- 2016年3月24日 発表
警察庁は3月24日、「高規格の高速道路における規制速度の見直しに関する調査研究委員会」が取りまとめた提言と、今後の方針などについて発表した。
この提言は、2013年12月に国家公安委員会委員長に提出された「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する提言」の内容を受け、新東名高速道路など構造適合速度が120km/hに設定されている高規格の高速道路における規制速度の引き上げについて、東京大学 生産技術研究所 教授の大口敬氏を委員長とする委員会で検討を続けてきた内容を取りまとめたもの。
提言では速度規制見直しの可否について、高規格の高速道路における自由流(交通量が少なく、ドライバーが自由に走行速度を決定できる状態)での死傷事故率は、標準的な構造適合速度100km/hの高速道路と比較して約4割低いこと、利用者に対する意識調査で、高規格の高速道路での規制速度引き上げについて約87%(道路状況次第の回答を含む)のドライバーが受け入れの意思を示していることを理由に挙げ、「一般に、構造適合速度120km/hの路線・区画について、一定程度の規制速度の引き上げは可能と考えられる」と結論づけた。
これを受けて、警察庁では速度規制見直しの方向性を作成。自由流時死傷事故率が上下線とも低い東名高速道路 御殿場JCT(ジャンクション)~浜松いなさJCT間、東北自動車道 花巻南IC(インターチェンジ)~盛岡南IC間などの一定区間で、試行的、段階的に速度規制の引き上げを検討する。
また、試行結果の検証をふまえ、今回の提言のなかで「規制速度引き上げの条件等」として挙げられている「自由流時死傷事故率が現に少ない(事故の内容等も考慮)」「実勢速度が100km/h以上で、かつ、極端に高くない」「自由流状態が一定割合以上」「一定距離の連続性の確保」といった条件を満たすほかの高規格の高速道路でも、速度規制見直しを検討するとしている。