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JALの台北~青森・秋田チャーター便が青森空港へ到着、「ねぶた囃子」で歓迎

青森空港へJALのボーイング 787が初飛来

2015年11月5日 到着

青森空港に初めて飛来したJALのボーイング 787-8型機

 JAL(日本航空)は、桃園空港(台北)~青森空港・秋田空港のチャーター便を、11月5日より2往復実施する。

 機材はボーイング 787-8型機を使用し、下記のとおり2往復を実施する。

11月5日:桃園(05時25分)発~青森(09時25分)着、JL8838便
11月9日:秋田(17時55分)発~桃園(21時00分)着、JL8837便
11月10日:桃園(07時00分)発~秋田(10時50分)着、JL8838便
11月14日:青森(14時40分)発~桃園(17時50分)着、JL8837便

 11月5日の桃園空港発便に向けては、前日の4日に104名の乗客を乗せて成田空港~桃園空港の臨時便(JL8663)でボーイング 787-8型機を移動。5日の青森空港到着後は羽田空港へ回航(フェリー)し、9日に成田空港から秋田空港へ回航して秋田空港~桃園空港便を運航する。

 11月9日夜は桃園空港に駐機。10日に秋田空港へ到着後は、成田空港へ回航。14日の青森空港発便に向けては、羽田空港から青森空港へ回航し、桃園空港へのチャーター便実施後、翌15日に桃園空港~成田空港の臨時便(JL8664)を乗客を乗せて運航する。青森空港、秋田空港ともにライン運航でボーイング 787-8型機は使用されておらず、フェリーフライトによる機材移動を多数伴うチャーター便運航となる。

 そのチャーター便初便となった、11月5日の桃園発~青森着のJL8838便は、提供座席数186席に対し、182名(幼児1名含む)の乗客とともに、9時37分に青森空港に着陸。青森空港に初めてJALのボーイング 787-8型機が飛来した。

台北(桃園)からのチャーター便に使われたボーイング 787-8型機(登録記号:JA829J)は、青森空港上空を一旦フライパスし、24滑走路に着陸した
青森空港の除雪隊「ホワイトインパルス」の除雪車の脇を通って駐機場へ。この日の青森は快晴に恵まれた

 駐機場には、台湾からの乗客を出迎えるべく、青森県の三村申吾知事もリンゴ柄の法被を着て参上。初めて見るボーイング 787に「ずんぐりむっくりしてて“しろくま”みたいだね。でも航続距離は長いし、エンジンは2つだし、技術の革新は凄いね」と独特の比喩を交えて感動を表現。JALがチャーター便を運航したことに対しては「以前からお願いしていたこと。約束を守ってくれて本当にありがたい」と喜んだ。

 訪問客に向けては、「台湾の皆様にはシェイ・シェイ・ニー、シェイシェイニーという気持ち」と感謝。ホタテなどの海産物や、色づき始めた紅葉などを楽しんでほしいとコメントした。

 また、青森県と弘前大学、GEヘルスケア・ジャパンが、小型の4WDワゴン車に医療機器を積み込んだ「ヘルスプロモーションカー」の実証実験を共同で実施していることから、JALのボーイング 787-8型機にGE Aviationのエンジンを搭載していることにも着目。整備士からエンジンの説明を受けるなかで値段への言及があると、「エンジン1個でボーイング 737を買えるの!?」と大変な驚きを見せていた。

 さらに、同便の機長を務めた外崎佳造氏は青森出身者とのことで、この点でも喜びがあった様子。機外で対面した外崎機長から知事へモデルプレーンの贈呈も行なわれた。

駐機場には青森県の三村申吾知事がリンゴの法被を着て登場。JALのチャーター便やボーイング 787-8型機の飛来、青森県出身の外崎機長との面会を喜んだ
青森空港の給油業者にとっても初めての機材
ボーイング 787用のトーバーは事前に羽田空港から送ってもらったという
JALの青森便は(貨物輸送にコンテナを使わない)ボーイング 737型機がメインだが、ボーイング 767型機へ機材変更することも多いことから、コンテナ輸送用のパレットドーリーも空港に常備している

 このあと、青森空港ターミナルの国際線到着口では、三村知事のほか、県庁や県観光連盟の職員らが出迎え。県観光連盟のマスコットキャラクター「いくべぇ」、青森市観光イメージキャラクター「ねぶたん」のほか、「ねぶた囃子」の演奏で台湾からの訪問客を歓迎。台湾からの訪問客も、いくべぇ、ねぶたんと記念撮影するなど、盛大な歓迎に楽しそうな表情を見せていた。

 また、青森県とJALのロゴが入ったリンゴや、秋田県の大潟村産のもち米と魚醤(しょっつる)を使ったあられ、青森県と秋田県の観光パンフレットなどのお土産も手渡された。

到着口では台湾からの訪問客を歓迎
秋田県の大潟村産のもち米と魚醤(しょっつる)を使ったあられ
今回、出迎えた人達は右側の「行くたび、あたらしい青森」のキャッチフレーズが入った法被を着用していたが、来年度の青森県・函館デスティネーションキャンペーンのキャッチフレーズ入り法被も用意されていた

 その頃、駐機中のボーイング 787-8型機のまわりには、地元の保育園児27名が見学会に訪れていた。整備士による飛行機の説明だけでなく、実際にエルロンやスラット、グランドスポイラー、フラップ、エレベーター、ラダーといった翼の可動部を、実際に動かすというサービスもあり、特に動きが素早いエルロンやグランドスポイラーが動いた時には大きな歓声が上がった。

 この後、羽田空港への回航のため、11時21分に駐機場を離れ、11時30分に離陸した。

地元保育園児向けのボーイング 787の見学会
園児らへのお土産。小型モデルプレーンやシール、クリアファイル、JAL/JAS歴代ユニフォームが表紙のポップアップカードなど
羽田空港へ回航するためプッシュバックを開始
トーイングカーの切り離し
地上スタッフから準備完了のサイン
外崎機長も手を振って応える
八甲田山をバックに地上走行するJALのボーイング 787-8型機
羽田空港へ向けて飛び立っていった

 ちなみに、今回のチャーター便は、2013年6月1日から実施している「JAL東北応援プロジェクト『行こう! 東北へ』」の一環で、台湾の人に東北を魅力を感じてもらうとともに、リピーター客を獲得するのがねらい。

 JALと青森県との取り組みとしては、2015年4月から「青森空港エアポートラウンジ」を使用し、JALマイレージクラブの上級会員らにラウンジサービスの提供を開始。

 さらに、9月30日に発足した、観光振興と農水産物をテーマに、訪日需要を地方経済活性化に繋げる「JAL 新・JAPAN PROJECT」では、農水産物の国内外への発信施策第1弾として、青森県とタイアップして同県初の特Aランク米「青天の霹靂」を成田空港と羽田空港のファーストクラスラウンジ、サクララウンジで提供している。

(編集部:多和田新也)