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キャセイパシフィック航空が新デザインの機体を発表、新塗装機の第1便を羽田路線に投入
3色で構成されたシンプルなデザインに
(2015/11/3 00:00)
- 2015年11月1日(現地時間) 発表
- 2015年11月2日(日本時間) 羽田空港到着
キャセイパシフィック航空は11月1日(香港時間)、機体の新デザインを発表し、香港でお披露目のセレモニーを実施。その新塗装を施した最初の機体であるボーイング 777-300ER型機(登録記号:B-KPM)は、記念すべき第1便として、香港(08時40分)発~羽田(13時25分)着のCX548便に投入され、羽田空港に飛来した。
この機体デザインの更新は、キャセイパシフィック航空が2014年から進めているブランドアイデンティティ更新の一貫として行なわれたもの。新コンセプトに基づく空港ラウンジも、2014年12月に世界で初めて羽田空港 国際線ターミナルにオープン。これに続いて、新塗装機の初の目的地として羽田空港が選ばれたことになる。同社はニュースリリースで、航空機は航空会社にとってもっとも重要な資産、シンボルであり、世界中の就航地に着陸するたびにキャセイパシフィック航空を表現するのであると、その重要性を述べている。
今回の新デザインのキーポイントとしてニュースリリースでは、キャセイパシフィック航空の機体のシンボルにもなっている「Brushwing」の新たなデザイン、“キャセイパシフィックグリーン”、グレー、ホワイトへのカラーパレットの簡素化、Brushwingとロゴをノーズ、胴体、垂直尾翼へより明瞭に表示する、の3点が挙げられている。デザインは香港のデザインチームであるEight Parnershipが手がけた。
Brushwingは1994年に最初のデザインが作られ、今回の新塗装でも基本的な造形は変わっていないが、Brush(はけ、はらい)の部分のデザインが、やや簡略化されている。
次のカラーパレットについては、従来はキャセイパシフィックグリーン、グレー、ホワイト、レッドの4色で構成されていたが、今回は赤色を省いた3色で構成するものへ変更した。
象徴的な変更点として垂直尾翼が挙げられ、従来はグリーンとレッドを使ったストライプの上にBrushwingが描かれ、このグリーンのペイントをBrushwingが白地部分へはらい出すような複雑なデザインとなっていた。
新塗装では垂直尾翼の地色が緑一色となり、そこに白抜きでBrushwingが描かれるデザインになった。ただし地色の緑は、前方がやや淡く、後方にかけて濃くなるというグラデーションになっている。
これらの変更によって、3点目に挙げられているBrushwingとロゴがより明瞭さが実現されているといえる。ノーズのBrushwing、胴体のロゴ、垂直尾翼のBrushwingのいずれもが、濃淡がはっきりしたデザインとなった。
新塗装機の初便となったこの日は、先述のとおり114番スポットに駐機した。このスポットは、同社が2014年12月に羽田空港国際線ターミナルに開設した新コンセプトのラウンジ「キャセイパシフィック・ラウンジ」の目の前にあたる。新コンセプトのラウンジから、新コンセプトの新塗装機をはっきりと見ることができ、同社の新たなアイデンティティ戦略を見てもらおうという意図が感じられる演出だ。
新塗装機の折り返し便となるCX549は、同機にとって初めての海外就航地からの出発を意味する。その搭乗口では、先にも搭乗したFacebook風パネルなどで乗客と記念撮影をするなど、派手なセレモニーこそなかったものの新塗装初便であることをアピール。
乗客は到着便よりもやや多い263名(幼児2名含む)で、地上スタッフによる見送りを受けながら、定刻より5分以上も早い16時18分にスポットを離れ、香港国際空港に向けて出発した。
キャセイパシフィック航空では2016年にエアバス A350の納入が予定されており、これが新塗装導入後に投入される最初の機材となる。また、通常の整備スケジュールに沿って、この先5年をかけて約150機の航空機を新塗装へ塗り替えていく予定としている。
8月31日時点の資料によると、同社の保有機材は148機(うち貨物機が24機)で、確定発注済み機材が71機(同1機)。ニュースリリースの数字を素直に受け取るならば、保有機材と入れ替わるようにして新機材が導入され、5年後の保有機材数もほぼ同程度を維持する計画であると見られる。