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ANA、成田~ブリュッセル線の就航記念式典
千葉県知事 森田健作氏や駐日ベルギー王国大使スレーワーゲン氏も出席
(2015/10/26 17:26)
- 2015年10月25日 開催
ANA(全日本空輸)は2015年の冬ダイヤ初日となる10月25日、成田~ベルギー・ブリュッセル線の就航を開始した。同社はこれまで羽田または成田からフランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ロンドン、パリと5都市に就航しており、ブリュッセルは欧州6番目の都市となる。これまで同都市へは他の欧州都市から航空便や鉄道を乗り継ぐ必要があったが、今回の直行便により利便性が大幅に高められたことになる。
ANA 成田~ベルギー・ブリュッセル線のスケジュールと使用機材
NH231:成田(11時15分)発~ブリュッセル(15時15分)着
NH232:ブリュッセル(20時50分)発~成田(16時10分)着
使用機材:ボーイング787-8型機
座席数:ビジネスクラス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席
初便のフライトを前に同便の搭乗ゲートとなる成田空港 第1ターミナル 51番搭乗口において、就航セレモニーが開催された。セレモニーには主催者として全日本空輸 代表取締役社長 篠辺修氏および執行役員成田空港支店長 南日隆男氏が、来賓として千葉県知事 森田健作氏、駐日ベルギー王国大使 ギュンテル・スレーワーゲン氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 木村茂男氏、成田国際空港 代表取締役社長 夏目誠氏、成田市副市長 吉田昭二氏が出席した。
主催者を代表して壇上に立ったANA 代表取締役社長 篠辺修氏は、「成田からということでは私ども本年度(2015年度)に入って、このブリュッセル線が3地点目になります。6月にヒューストン、9月にクアラルンプール、そして本日(10月25日)ブリュッセル線ということで、知事には毎月のように来ていただいて、今後も毎月のように“やれ”と言われております。一所懸命考えていきたいと考えております」と前置き。ブリュッセルについてはEUの中心に位置しているため関係機関が多く、日本企業も240~250社ほど進出していることから「従来から候補地点として検討」してきたと語った。また、2016年はベルギー王国と日本の外交開始から150周年となることに触れ、その前に「ぜひ飛びたかった」と述べた。
セレモニー後に行なわれた囲み取材において、ブリュッセルを選んだ理由として「ルフトハンザ航空を親会社とするブリュッセル航空が基地としており協力が得られやすく、また、欧州からアフリカまで広がるネットワークへの接続も期待できる」「EUの中心地で、一定のビジネス需要が見込める」「(ヨーロッパを面で捉えることで)観光ではお客様にとって便利で出口、入口、乗り継ぎが見込める」と、同地のメリットを挙げた。こうしたANAが単独で就航する路線については「当初考えていたより順調であり、チャンスがあるうちに地点数を増やし、便利さを向上することでまた選んでいただきたい」と語り、ブリュッセル線についても8割程度の搭乗率を見込んでいるとした。一方で、「(ボーイング 787型機を)持っていなかったらいくつかの路線は今の時期には飛ばせていなかった」と、同機がこうした中需要に最適な航空機であるとの見方を示した。
成田空港を擁する千葉県知事の森田健作氏は「ブリュッセルという都市はヨーロッパのなかでも大変重要で、“欧州の首都”ともいわれている都市でございます。そこでの就航ですから、わたくしはぜひとも2016年はベルギーにまいりたいと、ベルギーに行って本物のビールを飲みたい、チョコレートを食べたい、そう思っているところです」と就航を歓迎。また、この夏に北京で開催された世界陸上選手権においてベルギー選手団が千葉県を事前キャンプ地として活用したことや、2016年に日本とベルギーが国交樹立150周年を迎えることに触れ、「これを機にますます両国が友情、交流を深めることを祈念いたします」と述べた。
最後に駐日ベルギー王国大使 ギュンテル・スレーワーゲン氏が壇上に登り、今回の直行便により「日本、ベルギー間の直行便運航は両国の関係に間違いなく大きな飛躍をもたらします。両国を行き来することで互いにコミュニケーションが活発化になり、相互理解が増し、互いをリスペクトし、150年来の友情がさらに深まることでしょう」と述べた。ベルギーについては「地理的、政治的にヨーロッパの中心であるブリュッセルを首都とするこの国を訪れることで人々は欧州の歴史に触れることができます。そして日本はヨーロッパにとって非常に大切なパートナーとなっています。また、日本と同様にベルギー人のホスピタリティは大変定評がございます。また、質の高い数々の製品とサービスも定評があります。これらをぜひ日本の皆様に実感していただきたいと存じます」とアピール。「より多くの人がこの直行便をご利用になられること、またご搭乗の皆様が快適な旅と充実したベルギー滞在を願いつつ、私のご挨拶とさせていただきたいと思います」と締めくくった。
初便の乗客はビジネスクラス46名、プレミアムエコノミー/エコノミークラス121名の合計167名と、ほぼ満席状態。定刻から16分遅れの11時31分にブロックアウトし、同58分にブリュッセルに向けて飛び立っていった。