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市内交通と巧みに連携を図る北陸新幹線の「富山駅」に行ってみた
(2015/4/16 09:00)
北陸新幹線の「富山駅」は速達列車「かがやき」が停車する主要駅で、2015年4月現在では、地上駅を高架駅に移行する工事が進行中。この工事は2017年度に完成予定となっている。とはいえ、新幹線関連の施設と駅の南側周辺の整備はほぼ完成しており、その全容が見えてきた。その富山駅の様子をレポートする。
富山駅は北陸新幹線のホームが高架2面2線、在来線のJR西日本 高山線と「あいの風とやま鉄道」は地上3面6線で構成されている。2017年のリニューアル工事が完成すると、在来線は2面5線となる予定だ。新幹線ホームは、11番線と12番線が東京方面用、13番線、14番線が金沢方面用として運用されており、金沢駅~富山駅間でシャトル運行する「つるぎ」の多くは14番線から発着する。ホームには、待合室と喫煙所があるほか、11番線と12番線ホームには、富山名物「ますのすし」などの駅弁やお土産を売る小さい売店がある。
ホーム下は中2階のコンコースになっており、在来線の改札と土産物屋などが多く集まる「きときと市場とやマルシェ」につながる改札口がある。取材した3月15日には、在来線の改札口はまだ使われていなかった。コンコースを降りると「中央改札口」がある。どちらの改札にも、みどりの窓口とJR西日本のネット予約サービス「5489」「エクスプレス予約」の受け取り発券機が設置されている。
中央改札口を出ると、北側に「あいの風とやま鉄道」の改札、正面に富山地方鉄道富山市内軌道線こと市内を走る路面電車の「富山駅停留場」がある。この停留場は新幹線の改札口から100mも離れていない場所にあるため、乗り換えが非常に便利だ。市内軌道線は、在来線が高架になるのに併せ、富山駅の下をくぐって富山駅の北側を運行する富山ライトレールと2018年度に線路が接続する予定になっており、開業すれば南北の交通利便性が向上する。富山市は、JR西日本の富山港線を引き継いで「富山ライトレール」として運営、いち早く低床式車両を導入するなど、鉄道を巧みに活用した施策で有名だ。新幹線の改札と市電の停留所をこれだけ近く配置しているのも、新幹線と市電を連携させる施策の一端といえる。
新幹線の東京側の高架下には、駅ナカのショッピング施設「きときと市場とやマルシェ」があり、土産物はもちろん、特産品の販売やフードコートなどもある。
新幹線と在来線の高架の間には通路が作られており、「きときと市場とやマルシェ」につながっている。この通路にはIC式と鍵式のコインロッカーや、観光案内所、水飲み場、ショッピング施設などにつながっている。
駅の南側には、バスとタクシーの発着場と商業施設「ESTA」「マリエとやま」があり、富山地方鉄道の始発駅である「電鉄富山駅」が「ESTA」内に入っている。
駅の北側は、バスとタクシーの発着場と富山ライトレールの停留所がある。やや南側と比べると小規模な印象だが、リニューアルに併せて整備される予定だ。駅の北側と南側は地下通路でつながっている。