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ポルトガル政府観光局、持続可能な未来につながる観光を提言

2024年3月14日 取材

ポルトガル政府観光局が「FUTOURISM」を提言

 ポルトガル政府観光局は、未来の観光を意味する「FUTOURISM(フューツーリズム)」に取り組んでいることをアピールしている。

 3月14日にポルトガル大使公邸で開催された夕食会では、駐日大使のヴィトル・セレーノ氏が「観光は、ほとんどの国にとって有益な経済活動で、収入をもたらすだけでなく、多様な人々の間の文化交流と相互理解を促進する。ポルトガルも例外ではなく、昨年、GDPの12.7%を観光が占め、総輸出額の20%、サービス輸出額の48.6%を占めた。2023年は2019年の記録を上回り、ポルトガル観光にとって歴史的な節目となった」と紹介。

駐日大使のヴィトル・セレーノ氏

 その上で「私たちは、観光の重要性を強く認識している国として、この重要なセクターの持続可能性を重視することにコミットする。過去の成功ではなく、未来の観光、未来の観光客に焦点を当てる。伝統を守りながら、格差と戦い、過疎地の経済発展を促進し、世界で最も持続可能な旅行先の一つとしての地位を確立することを目指す」と語った。

 続いて、ポルトガル政府観光局 日本・韓国 観光局長のイネス・ケイロース氏がFUTOURISMの世界観について説明した。

ポルトガル政府観光局 日本・韓国 観光局長のイネス・ケイロース氏

 観光局では、2024年1月1日に「#IT'S NOT TOURISM. IT'S FUTOURISM」キャンペーンをスタート。未来の旅行者に向けて12の提言を設定し、それらに対する理解を深めていくことで、旅行者のマインドを変えていきたいという。

#1 無関心ではなく深く関わること
#2 バーチャルではなくリアル
#3 誰のものでもなくあなたのもの
#4 スタンダードではなくユニーク
#5 グローバルではなくローカル
#6 波ではなく海
#7 グレーではなくグリーン
#8 不遜ではなく謙虚に
#9 トレンディではなくトレンドセッター
#10 怠慢ではなく思いやり
#11 時間に追われることなく没頭する
#12 人工的ではなく人間性

 日本については、「新型コロナの影響が収束しつつある現時点においても、日本人はまだ旅行に戻っていない。アジアの中でも、日本はヨーロッパや私たちポルトガルにとって非常に重要な市場」だとした上で、「日本とポルトガルには多くの類似点がある」と指摘。

 同氏は、大都会よりも地方の小さな村や自然に魅力を感じ、そうした場所に旅行に出かけることで地域経済を回していくことが世界的にも求められているとして、旅行先の人々の営みや伝統、自然を尊重することが大切で、それを表現したのがFUTOURISMだと説明する。

 その上で、同氏は、星空観察やバードウォッチング、建国以前からある村々、約4000kmに及ぶトレイル、ユネスコが認定したジオパークなどがオススメだとアピールしていた。