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日本就航75周年のブリティッシュ・エアウェイズ、需要回復で羽田~ロンドン線は週11便。新ビジネスクラスも導入

2023年9月11日 開催

ブリティッシュ・エアウェイズ チーフ・コマーシャル・オフィサーのコルム・レイシー氏

 ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は9月11日、東京都千代田区の英国大使館でメディアラウンドテーブルを開催した。

 今年で日本就航75周年を迎える同社が、その歩みや今後展開するサービスを日本へPRするもので、チーフ・コマーシャル・オフィサー(CCO)のコルム・レイシー氏が来日し、説明を行なった。

英国大使館 大使公邸で行なわれたメディア向け発表会

 ブリティッシュ・エアウェイズの前身である旧英国海外航空(BOAC)が日本~イギリス間で旅客便運航を開始したのは1948年3月19日のこと。プール~香港間の水上飛行便を岩国まで延伸し、同年11月には横浜・東京まで延伸したことで、日本とイギリスを結ぶ英国初の航空会社となった。

 コルム・レイシー氏によれば、当時は週1便で、日本に着くまで7都市を経由しながら7日間もの時間を要したという。現在では羽田~ロンドン線で週11便を運航しており(10月31日~2024年3月29日の冬期は週10便)、フライトはおよそ12~14時間。2024年夏期は大幅に増便し、週14便の運航を予定している。

1948年に日本とイギリスを結ぶ英国初の航空会社となったBA

 同社では日本就航75周年を記念し、この日本路線に次世代のビジネスクラスキャビンと謳う「クラブスイート」を10月31日から導入する。これに伴い、現行のビジネスクラス「クラブ・ワールド」は廃止。

 新型クラブスイートには完全プライベート空間を守る専用ドアが設置されるほか、ストレージスペースを従来の40%増加し、化粧台や鏡、Wi-Fi、18.5インチの機内エンターテイメントスクリーンなども完備している。対象機材はボーイング 777-300ER型機。

10月31日から日本路線に導入する、新ビジネスクラスキャビン「クラブスイート」

 また9月1日からすでに再導入を開始しているファーストクラスでは、英国の高級ファッションブランド「Temperley London(テンパリーロンドン)」がデザインした特注のラウンジウェアやアメニティキットなどを提供する。

ファーストクラスのアメニティキット。Temperley Londonのポーチに、アイマスク、歯ブラシ、靴下、耳栓、ELEMIS製のスキンケアセット、手鏡、ボールペンが入っている

 そのほか同社が羽田~ロンドン線に導入しているシートクラスはエコノミーの「ワールド・トラベラー」とプレミアムエコノミーの「ワールド・トラベラー・プラス」、現行のビジネスクラス「クラブ・ワールド」。

 10月31日まで運航するロンドン発~羽田行きのこれら4クラスにおいて特別に、1969年当時、同路線で提供していた機内食の復刻アレンジメニュー「ビーフストロガノフ」と「牛ほほ肉のお狩場焼き」を提供する。デザートには、同年ロンドン~アンカレッジ線で人気を博した「チェリーメレンゲガトー」も楽しめるという。

日本就航75周年を記念して復刻アレンジメニューを全クラスで提供。写真は「チェリーメレンゲガトー」

 ロンドンのヒースロー空港を主な拠点に現在、世界74か国、200都市に就航しているブリティッシュ・エアウェイズ。2004年から始まったJALとのコードシェアに、フィンエアーやイベリア航空との提携を含めると、日本~ヨーロッパ間の直行便は週58便におよび、日本36都市とヨーロッパ135都市を結ぶ広範なネットワークを擁する。コルム・レイシー氏は「これらの共同事業を介して、利用者に対しより多くの選択肢、より便利な接続、より魅力的な運賃を提供していく」とした。

ハリー・ポッターのファンだというコルム・レイシー氏。「日本をイギリスを繋いできた伝統を誇りに思う」

 また、ここ数年は「厳しい向かい風に晒されていたが、昨今では世界が回復基調に乗り、需要は継続的に強まっている」との状況を踏まえ、「カスタマー向けのサービスをより強化し、そのための機材投資も続けてきた」と話す。クラブスイートはその施策の1つ。「もちろん最新型シートを全機材に展開するにはある程度時間を要するが、現在はヒースロー空港から飛ぶ長距離便の約60%においてクラブスイートを導入している」という。

 さらにブリティッシュ・エアウェイズでは20年ぶりにユニフォームを刷新。リサイクルポリエステルを使用したエコ素材の制服で、日本路線でも9月末よりパイロット、客室乗務員、グランドスタッフが着用する。

20年ぶりにユニフォームを刷新

 これらサスティナビリティの取り組みについては、「単にA地点からB地点に旅客輸送するのではなく、環境負荷を考慮し、持続可能な空輸を実現することが重要」とコルム・レイシー氏。企業として「BA Better World(ベターワールド)」というプログラムを2年前から立ち上げており、今後も食品廃棄の削減や脱炭素化に向けて注力していくとした。