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巨大なロゴキューブが映える「ユニクロ 前橋南インター店」の内部を大紹介! コーヒー店にフラワーショップ、リペア店が揃うロードサイド店の新形態
2023年4月21日 00:00
- 2023年4月21日 開業
ユニクロは、4月21日にオープンを控えた「ユニクロ 前橋南インター店」(群馬県前橋市亀里町2008)を公開した。
内覧会では、グループ執行役員の遠藤真廣氏、前橋南インター店 店長の鍋谷早智子氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が登壇して店舗のコンセプトや設備、デザインなどについて説明した。
前橋南インター店は群馬県前橋市の前橋南IC近くに建設されたロードサイド店舗で、近くにはコストコやベイシア電器、蔦屋書店、飲食店舗など数多くの商業施設が立ち並ぶ。平屋建ての売場面積は約750坪(約2500m2)で、メンズ、ウィメンズ、キッズ、ベビー向けの商品を取り扱う。
同店は「UNIQLO LOGO STORE」と名付けた新しいタイプのロードサイド店舗であり、ユニクロの商品、サービス、企業としての取り組みなどを店舗全体を使って表現している。その最たるものが建物の四隅に配置された7×7mの大型のロゴキューブで、オブジェのような圧倒的な存在感が見る者を引き付ける。
ユニクロで花が買えるFLOWER BOX
前橋南インター店は新しい形のロードサイド店舗として、国内や海外店舗で先行導入してきたさまざまな施策を取り入れているのも特徴だ。
正面入り口右側の「FLOWER BOX」と名付けたエリアでは、常時約30種類の花を販売する。都内の店舗を中心にコロナ禍に始めたこの取り組みは利用客に好評だそうで、同店舗でも目玉サービスの一つとしている。購入する際は陳列されている花束を各自が専用の袋に入れ、それをファッション用品と同様に会計する。1束390円で、3束なら990円とお得になる。
コーヒーと地元の無添加クッキーを楽しめるUNIQLO COFFEE BOX
FLOWER BOXの近くには、コーヒーを提供する「UNIQLO COFFEE BOX」を設置している。ユニクロ銀座店、UNIQLO TOKYOに続き3店目となるサービスで、大型テーブルやイスが置かれた広めのスペースでコーヒーを楽しみながらくつろぐことができる。コーヒー以外には地元の無添加クッキーであるアンポンタンの製品も置かれており、こちらもオススメとのことだ。
子供と遊びながらリサイクルも学べるUNIQLO KIDS BOX
ファミリー層の来店を多く見込んでいることもあり、子供向けのスペースである「UNIQLO KIDS BOX」を設けているのも特徴の一つだ。
滑り台やクッション、絵本などが置いてあり、子供が飽きないよう工夫を凝らしている。スペースの向かい側の壁には同社のサスティナビリティを応援する緑のドラえもんがユニクロの環境へ配慮した取り組みを紹介しており、啓蒙活動にもつなげたいという。置いてあるクッションは端材などをリサイクルしたものであり、店舗に使われている断熱材が回収品を利用したものであることも紹介している。
リペアやリメイクができるRE.UNIQLO STUDIO
服を大切に使うという観点から、2022年から世田谷千歳台店でトライアルとして実施してきた「RE.UNIQLO STUDIO」を前橋南インター店にも導入する。
ロンドンをはじめとした海外店舗において行なわれてきた修復やリメイクを行なうサービスであり、国内では同店が常設1号店となる。服に幾何学模様の刺繍を施すことで補修や補強をする日本の伝統的な刺繍である“刺し子”の考えを取り入れた「SASHIKO by UNIQLO」も取り扱っており、オリジナルの1着を作ることができる。また、オリジナルTシャツをデザインできる「UTme!」の窓口としても機能する。
地元に密着した店舗である前橋南インター店
750坪ほどある広い店内には数多くの商品が並んでおり、通常のラインアップのほか、群馬県のご当地キャラクターであるぐんまちゃんや名産品である吉田だるまをプリントしたTシャツを販売していたり、試着室のある壁際には群馬県の温泉地も紹介するなど、地元に密着した店舗であることも店長である鍋谷氏が説明した。また、地元の人に聞いた使い心地について紹介したパネルの掲示も同店ならではの施策だとのこと。
サスティナビリティを考えたユニクロの次世代店舗のモデルタイプ
前橋南インター店の特徴は最新店舗らしく、竹中工務店の協力によりさまざまな省エネルギー技術を採用し、消費電力を削減する取り組みも行なっている。グループ執行役員の遠藤真廣氏は、9つの工夫を紹介した。
大きな4つの天窓とガラスファサードはより多くの自然採光に役立ち、照明にかかるエネルギーの一部をカット。店の外部に設けられた庇(ひさし)は夏と冬の日の入り方を考慮し、店内照明や空調にかかるエネルギーを削減することができるそうだ。
出入口に設けられたエアカーテンは店内の気圧と外気とのバランスを調整し、ドア開放時の外気流入と温度調節された室内空気の流出を効果的に抑制する。天井に設けられた明るさセンサーはほどよい照度に光をコントロールし、ストックルームやバックルームには人感センサーを設置することで照明のON/OFFを自動化している。
CO2・温度センサー、および全熱交換器が設置されているので、外気交換や店内温度の調整も自動で行なわれる。断熱材には、服を細かく裁断したリサイクル素材を約30%使った素材を用いている。屋上には太陽光パネルを設置しており、店舗の年間消費電力の約33%分を発電できるそうだ。
これらにより、同店舗はBELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)の最高ランクである星5を取得し、BEI値(Building Energy Index)は0.33を計上(店舗の設計一次エネルギー消費量を67%削減可能)。再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減に適合した建築物として、ZEB Readyの認定も受けている。
その背景にあるのが、同社が設定しているサスティナビリティの目標だ。2050年には温室効果ガスの排出をゼロにするため、2030年までには自社の店舗やオフィスにおける温室効果ガスの排出を2019年比で90%削減するとしている。
遠藤氏は「こういったロードサイド店では約40%、そしてモールに入ってるようなお店では約20%の消費電力の削減をしていこうと考えております。今回このお店がロードサイドタイプのお店として、そういった目標を達成するための一つのプロトタイプにしていきたいという思いでローンチしています」と話した。
個展の来場者から得た巨大ロゴキューブのアイデア
店舗の建築デザインを監修したクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏は、同店の特徴的なデザインである巨大なロゴを用いた理由についても紹介した。
現在のユニクロの店舗は、いかにして店から情報発信していくかがとても重要なコンセプトとしてあり、その部分において常に頭を悩ませているそうだ。2021年に個展を開いた際に、佐藤氏がデザインした各社のロゴを3mほどの大きさに引き伸ばして展示した作品の前で多くの人が一緒に写真を撮ってSNSにアップする姿がとても印象的で、「プレゼンテーションの仕方を変えると、そういう一つのブランドロゴもエンタテイメントのコンテンツになるんだなということを、その体験を通して確信できました」と話し、それが今回の店舗のデザインにつながったことを説明した。
ブランドロゴはブランドのメッセージそのものなので、キューブのなかにUNIQLO FLOWERを入れたり、UNIQLO COFFEEを入れたりして、ただの服を売る場だけではないというメッセージをこのキューブに込めたことも明かした。氏によると夜のライトアップで光るキューブも非常にキレイで美しいそうだ。