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JR四国、2023年春に運賃改定。初乗り大人170円から190円に値上げ、定期割引率も見直しへ
2022年8月30日 14:24
- 2022年8月26日 発表
JR四国は8月26日、2023年春からの運賃改定について国土交通省に上限変更認可申請を行なったと発表した。これにより、初乗りは現行の大人170円から190円に値上げとなる。
申請の背景には、かねてから懸念されてきた四国の少子高齢化・人口減少と経済情勢の変化による鉄道運輸収入の減少、設備の老朽化や社会情勢に伴う原材料費・修繕費の上昇傾向、加えてテレワークなど新しい生活様式が定着したことでさらなる運輸収入の漸減が想定されることなどが挙げられ、今後極めて厳しい状況が続くとのこと。今回の運賃改定により1996年以来、約27年ぶりの値上げとなる。
改定率(平均支払い運賃額の増加率)は全体で12.82%。内訳は、普通運賃12.51%、通勤定期28.14%、通学定期22.43%、在来線特急などの料金5.13%。
普通運賃については、100kmまでの運賃へ新たに「対キロ区間制運賃」を導入し、他交通機関を考慮した運賃水準で設定。また、現行と同様にキロ数に賃率を乗じて算出する101kmからは、200kmまでに適用する賃率を3円引き上げる。なお、201km以上に適用する賃率は据え置きするとした。
一方、定期運賃の改定については普通運賃の改定額に加えて割引率を見直した。通勤定期は1か月の割引率を現行平均52.9%から48.0%に、6か月の割引率は現行平均の58.8%から53.2%に改定。通学定期は大学生用の1か月の割引率を現行平均74.7%から73.2%に改定するとの申請を行なった。
そのほか一部区間の特急料金についても改定の届出を行なう予定としている。
同社では今後も鉄道運輸収入の安定的な確保に向けた経営改善を進めていく。加えて、スマホアプリによる新チケットシステムや新型ローカル気動車の開発導入、デジタルサイネージの導入拡大、特急電車リニューアル、設備改良などの施策を講じ、利用者に対しさらなるサービス向上を図るとした。