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ボーイング、研究開発センターを愛知県に設置。CO2排出ゼロに向けて経産省との技術協力も拡大へ
2022年8月1日 17:12
- 2022年8月1日 発表
ボーイングは8月1日、日本に研究開発センターを愛知に開設することを発表した。SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)や水素、電動化などによる推進力技術、ロボティクス、自動化、デジタル化、炭素繊維複合材などの研究開発を行なう。
ボーイングは以前から、787型機や777型機の中央翼といった主要部品をスバルなどに発注しており、愛知県半田市ほか名古屋近郊で製造が行なわれてきた経緯がある。今回のセンターの開設によって、次世代航空機に向けた新しい燃料・推進技術、製造技術の研究開発を加速する狙いがある。
業界では2050年までにCO2の排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)達成を目指しており、SAFなどの推進力技術はその根幹を担うものになるが、ボーイングと経済産業省は2019年に航空機に関する電動化・自動化・複合材技術などについて協力強化の合意書に署名しており、本センター開設を契機にこの合意をさらに拡大していくという。拡大する分野は推進力技術のほか、「CO2排出量をゼロにする将来的な飛行構想」となっている(関連記事「経産省とボーイング、航空機の技術協力で合意。自動車産業など新たな分野の日本企業にリーチ」)。
また同日、ボーイングは「ACT FOR SKY」への参加を明らかにしている。ACT FOR SKYは、ANA、JAL、日揮ホールディングス、レボインターナショナルらによって設立された国産SAFの商用化に取り組む団体で、商用化に向けて幅広く協力していく(関連記事「ANA/JALら、持続可能な航空燃料の国産化に向け団体設立。非エネルギー・航空業界を巻き込んだ取り組みに」)。さらに、ANAHD、JALと持続可能な航空技術の研究を推進する覚書への署名を行なった。電動・ハイブリッド・水素そのほかの新しい動力を使った推進システムの研究協力を行なっていくという。