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シンガポール×ウルトラマン、往来再開でコラボ拡大。隔離・到着時検査なしで「旅行者に完全に門戸を開いている」

2022年4月12日 実施

 シンガポール政府観光局(STB)は4月12日、報道向けのイベント「SingapoReimagine Ultraman ふたたび、旅へ。シンガポール」を開催した。

シンガポール政府観光局 北アジア局長のマーカス・タン氏

 イベントの冒頭登壇した、STB 北アジア局長のマーカス・タン氏は「シンガポールは今後数年間、力強くリカバリーするための体制が整った」と強調。「とてもうれしいことに、シンガポールは日本を含む世界各国からのワクチン接種を受けた旅行者に対し、完全に門戸を開いている。隔離期間や到着時の検査、旅行保険の購入といった必須条件はなく、安全管理措置の多くも緩和されている」と説明した。

 シンガポールは4月1日から、入国制限を大幅に緩和している。全世界を対象に、2回以上ワクチンを接種した証明書と、出発2日前以内のPCR検査または抗原検査の陰性証明書があれば到着時の隔離はなく、シンガポールを自由に旅行できる。陰性証明書・ワクチン証明書と出入国カードについてはオンライン上で事前に提出可能だ。

 なお、旅行の際は接触追跡アプリをダウンロードする必要がある。このほか、国内の感染対策については、屋外でマスク不要にするなど規制が緩和。ただし、博物館や図書館はワクチン接種済みの人のみが利用可能だ。

 さらにタン氏は、STBが全世界的で実施中のリカバリーキャンペーン「SingapoReimagine(シンガポール・リイマジン)ふたたび、旅へ。シンガポール」についても言及。

 日本では円谷プロダクションとのパートナーシップで「SingapoReimagine ULTRAMAN」を2021年より開催しているとし、「ウルトラマンは日本だけでなく世界でも象徴的なスーパーヒーロー。さまざまな主要マーケットでのリカバリーに向けた取り組みを拡大させるのに協力してくれることだろう」と期待を語った。

シンガポール政府観光局 マネージャー 吉田明子氏

 続いてSTB マネージャーの吉田明子氏が登壇し、リカバリーキャンペーンを説明。キャンペーンは「サステナビリティ」「フード&ダイニング」「ウェルネス」「ノベルティ&エキサイトメント」の4本の柱で展開する方針だ。特に「サステナビリティ」と「ウェルネス」について注力する考えで、サステナビリティについては「自然のなかにある都市」にフォーカス。ウェルネスについてはスパやヨガなどをアピールしていく。

 吉田氏は本誌の取材に応え、4月1日以降、シンガポールへの渡航者からSTBに対し手続き方法などの問い合わせが多くきていることを説明。STBの公式サイトやFacebookなどでも情報を更新していく予定だ。

 今後の懸念材料としては、日本の入国者数がビジネス・留学生などを含めて1日1万人までに制限されていることを挙げ、今後計画中の旅行会社とのキャンペーンも実施時期を決めにくいとした。ただし、「旅行に尻込みしている人もいるので、海外旅行への機運の醸成を今から進めていきたい」と語り、ウルトラマンをフックにシンガポール旅行を積極的にアピールしていきたい考えを示した。

シンガポールとウルトラマンがコラボしたキービジュアルは5種類

「SingapoReimagine ULTRAMAN」については、2021年が日本・シンガポール外交関係樹立55周年にあたり、ウルトラマンも55周年を迎えた記念年だったことから、昨年からコラボレーションを実施していたことを説明。2022年末まで実施予定で、日本ではシンガポール航空や旅行会社数社とウルトラマンを起用したキャンペーンを展開する予定だ。シンガポール航空では特別運賃やウルトラマンをテーマにした機内食、機内エンタテイメントシステムでの作品公開などを検討中。

 さらにシンガポールでは、ナイトサファリなどを展開する「マンダレイ・ワイルドライフ・リザーブ」ともコラボレーションを実施し、レストランでの特別食の提供やウルトラマンをテーマにしたツアー・体験なども企画中。大手ホテルとのコラボレーションも予定しているという。

 加えて、カンポン・ギラム地区にウルトラマンの壁画が描かれたほか、チャイナタウンなど7か所の壁画にもウルトラマンが描かれており、STBとしてはキャンペーンの目玉の1つとして訴求していく考え。合わせてSTBのガイドブックもウルトラマン使用に刷新。コラボレーションムービーも制作した。

ウルトラマンの壁画は8か所。壁画巡り

 イベントではコラボレーションムービー「ウルトラマン -シンガポールの新たな力-」を上映し、ウルトラマンとマーライオンの化身・マーライガーが会場に登場して怪獣たちとのパフォーマンスを展開。

 さらに特撮ドラマ「ウルトラマンZ」にメインキャストとして出演し、今回のコラボレーションムービーでも語り手のアリーシャ・ホシ博士を演じた黒木ひかりさんがトークショーを行ない、「シンガポールに行く際は、ソフビ(のウルトラマン人形)を一緒に持っていって観光地やロケ地巡りをして、写真撮ってもらえたら」と提案した。

迫力満載のウルトラマンショー
シンガポールでは訪れたい場所を解説する黒木ひかりさん。食やヨガなどの体験にも興味があるとのこと
シンガポール政府観光局 日本支局長の柴田亮平氏

 イベントの最後にはSTB 日本支局長の柴田亮平氏が登壇。今回のイベントは当初2月に開催予定だったが、コロナの影響で4月に延期したことに触れ、「さすがにそろそろ明るい兆しが見えてきたのでは」とコメント。

「旅行というリアルの活動をプロモートしている以上、世のなかの本来リアルであるべき経済活動が一日も早くリアルで復活することを切に願っている。旅行は五感で感じ取って初めてその醍醐味を堪能できる」と語り、海外旅行復活に期待を示した。