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ノンダイバーも増えたダイビングの聖地・パラオが現状を説明。コロナ禍も観光客受け入れていることを強調
2022年4月12日 06:00
- 2022年4月5日 実施
パラオ政府観光局は4月5日、東京でセミナーを開催した。航空会社2社とパラオ関連観光業者9社との商談会も同時に実施するもので、東京に加え名古屋と大阪でも開催している。
日本事務所代表の芝村剛氏は、パラオがコロナ禍でもロックダウンすることなく観光客を迎え続けていることを強調。本誌の取材に応え、パラオは日本から真南3000kmに位置しており、時差がなく、日本統治時代の名残から日本語も通じることから「沖縄感覚で訪れることができる」と語り、「パラオは自然が豊かでオープンエアなのでコロナ禍でも安心して旅行ができる。ダイビングや海、自然を楽しむので、人が密になることもあまりない」とアピールした。
同局によれば、2019年のパラオ入国者数は9万4051人だったが、2020年は1万8362人、2021年は5262人まで減少した。だたし、コロナ禍で観光客が少なかった時期に自然が回復してきており、「今が行き時」と金銭的・時間的余裕があるリピーターなどを中心に日本人旅行者が徐々に戻りつつあるという。
パラオへのアクセスは、現在はユナイテッド航空のグアム経由便(週2便)のみ。
コロナ以前は大韓航空のソウル経由もあったが運休中で、チャイナエアラインの台北経由もトランジットが5月31日まで禁止されているため、利用できない。以前は季節運航でJALが直行チャーターを運航していたが、現在は運休中だ。とはいえ今後の制限緩和次第ではパラオへのアクセスが増える可能性があるほか、セミナー中にはユナイテッド航空が今後パラオ線を増便する可能性があるとの話も出ていた。
セミナーでは芝村氏がパラオの新型コロナウイルス対策について説明した。パラオでは長らく感染者がゼロだったが、2021年8月に海外からの渡航者が陽性になり、2022年に入ってからは感染が拡大。
とはいえ、これまでの感染者数は累計4042名、死者は6名で、現在の新規感染者数は毎日1ケタ台、または0人といった状況まで落ち着いたという。ワクチンは99%以上が2回目を接種済みで、62%以上が3回目のブースター接種も終了。現在は屋外でのマスクの着用義務はなく、屋内で50名以上集合する場合のみマスクが必要になる。また、パラオは独自の感染対策プログラム「Safe For You」を実施しており、ほとんどの施設がプログラムを終了しているという。
なお、パラオ入国の場合、出国前72時間以内のPCR陰性証明書が必要になるほか、入国後5日間は行動を制限される。ただし、あくまでも自主隔離であり、必要火急の外出であれば問題ないとのこと。4日目に国立病院で抗原検査を受け、陰性であれば残りは自由時間。このほか、(日本入国に必要なので)出国前に国立病院でPCR検査を受ける必要がある。
ツアー単価が高くても許容するファンが多いパラオ
芝村氏は、4月上旬に東京・池袋で開催された「第30回マリンダイビングフェア2022」で実施したアンケート結果を紹介した。パラオの競合がモルディブなどであることに触れたほか、旅行の妥当な金額を聞いた質問で一番多かったのが「10万から15万」、次いで「15万から20万」だったことを挙げ、旅行単価が高くてもパラオに行く人が多いことを説明した。
ダイビングの聖地として有名なパラオだが、2012年にロックアイランド群などがユネスコの複合遺産に認定されて以来、美しい自然を求めるノンダイバーも増加しているという。
加えて、定番の観光地としてロックアイランドなどの世界遺産エリアを紹介。乳白色のミルキーウェイでの泥んこ遊びや、毒がなく刺さないクラゲとともに泳げる「ジェリーフィッシュレイク」、潮の満ち引きにより白い砂浜が現われる「ロングビーチ」などをアピールした。
さらに、芝村氏は第2次世界大戦時で日本と米軍の戦場となったペリリュー島の歴史探索ツアーについても言及。漫画「ペリリュー 楽園のゲルニカ」のアニメ化が決定し、年内放送予定であることから注目が集まるとした。
このほか、ミクロネシア第2の大きさを誇るバベルダオブ島で伝統的な建物「アバイ」やガラツマオの滝、イルカと触れ合える「ドルフィンズパシフィック」、パラオ国際空港発着のセスナ遊覧飛行なども紹介。4月13日~14日に国際会議「Our Ocean Conference」が開催されることに伴い、MICE用のインフラを「パラオグローバルビレッジ」として整備したことをアピールするとともに、今後はMICEの誘致にも取り組む考えを示した。
セミナーでは航空会社やホテル、ツアーオペレーターなどのサプライヤーが短いプレゼンテーションを実施。このうちチャイナエアラインは台北~コロール線を紹介するとともに、5月4日から日本路線にエアバス A321neo型機を導入する計画を明らかにした。将来的にはパラオ線にも導入予定という。また、ユナイテッド航空はグアム~パラオ線を週2便で運航中であることを紹介し、グアム経由でのパラオ旅行をアピールするとともに、旅行に便利な自社アプリを紹介した。