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ワクチン接種率99%。パラオ政府観光局が現地最新情報と現状を報告。パラオ空港は新ターミナル開業迫る
2021年10月21日 12:45
- 2021年10月20日 実施
パラオ政府観光局は10月20日、「パラオセミナー/ワークショップ・東京」を実施した。約1年ぶりの開催となるセミナーでは、パラオの現状ならびに、ワクチン接種率、渡航に関して、2022年2月リニューアル予定のパラオ国際空港に関する情報などを案内した。
また、航空会社と主要サプライヤーによるプレゼンテーションも実施。現地スタッフからのメッセージと動画で、美しい海と癒しの時間が過ごせるパラオの観光業が、コロナ後にどのような形で動くのかなどを紹介した。
セミナー冒頭はワクチン接種率と渡航の際の検査、現地の対策など
セミナーでは、パラオ政府観光局 日本事務所代表の芝村剛氏が、コロナ禍でのパラオの基本情報を説明。2020年3月に入国禁止措置を行なったため、現時点でコロナ感染者は8名。ワクチン接種率もほぼ99%ととなり、現在3回目の接種がスタートしているとのこと。
日本からパラオへ向かうためには台北・ソウル・グアム経由または日本からのチャーター機での直行があるが、新型コロナウイルス感染症の影響でトランジットができないなど日本からはまだまだ訪れるには難しい状況が続いている。
パラオ自体は現在、グアム経由での渡航や台湾~パラオ間のトラベルバブルなどで、少しずつ渡航者は増えているという。なお、パラオへ渡航した場合、現状では滞在中3回のPCR検査が義務付けられており、到着時に空港内で1回、5日間の行動制限明けに2回目。3回目は帰国前にパラオ国立病院での検査となる。
コロナ後を見据えて、観光客受け入れのための安全証明書も新たに発行。観光事業者は「Safe For You」認証プログラムにより「パンデミック安全証明(Pandemic Safety Certification)」の取得をパラオ政府から義務付けられている。従業員の教育や消毒などの設備が必要で、観光客が安全・安心して旅行を楽しむためのものだ。
パラオ観光の基本情報をおさらい。コロナ後に訪れたいのは!?
続いて、「ウィズ/ポスト・コロナのキーワード」として、コロナ収束後に楽しめるパラオ観光の見どころを紹介。パラオには世界遺産・複合遺産として2021年に登録された「南ラグーンとロックアイランド群」が有名だが、そのなかでもロックアイランドをフィーチャー。
訪れるには、自然環境と保護のため事前に「ロックアンランド許可証」(10日間50ドル)が必要。太古のままの姿を残す海と、珊瑚礁が隆起し生まれた丸い形の小島たちを守りながら観光を楽しむのがパラオなのだという。
2019年11月にはプラスチックバッグ、環境に影響を与える日焼け止めの禁止なども実施。さらに、「パラオ共和国レガシーキャンペーン」の1つ「Palau Pledge(パラオ誓約)」も入国時にサインを行なう。
具体的には、訪れるすべての観光客に対し「責任ある持続可能な観光」を義務付けるため、パスポートにサインし環境保護を子供たちへと宣誓するというもの。英語だけでなく日本語でもスタンプが押され、きちんと意味を理解したうえでのサインとなる。
パラオの環境保護を理解したうえで訪れたいのは、やはり「ミルキーウェイ」。微生物に分解された珊瑚礁の粉は美肌効果があると話題だ。訪れた際に肌に塗るなどの体験が楽しめる。真水と海水が混ざる「ジェリーフィッシュレイク」では、外敵がいないため独自に進化した、毒もなく刺さないクラゲと泳げるなど、神秘的な時間を過ごせる。
ほかにも第二次世界大戦の戦跡が手付かずのまま残る「ペリリュー島」の「歴史散策ツアー」も、平和の素晴らしさを1日通してのツアーで感じられると人気。伝統的建築物・アバイや文化を知り学べる「アイライ・バイツアー」もお勧め。文化の1つとしてパラオ料理も味わえ、目で見て舌でも感じることができる。
なお、ナイチャーウォークスタイルでゆったりと進む「ガラツマオの滝ツアー」や、カヤンゲルブルーと呼ばれる鮮やかな青と白浜のコントラストが堪能できる「カヤンゲル島」、さらに上空から通常では立ち入りができないエリアを眺められる「セスナ遊覧飛行ツアー」も訪れたならば、ぜひ一度は体験してほしいとのことだった。
パラオの国旗をイメージしたカラーに。まもなく開業予定の新ターミナル情報も
セミナーでは2021年11月~2022年2月に開業予定の新ターミナルと、パラオ国際空港のリニューアルプロジェクトについても報告。日本空港ビルデングの吉岡賢氏が、羽田空港を運営する同社の「羽田ノウハウ」を輸出するとして、ハードとソフト両方の面で運営と維持管理をしていくと話した。
新たなターミナルならびに、リニューアルを行なう同プロジェクトの目標は「ミクロネシアで最も魅力的な空港の実現とパラオの社会・経済への貢献」。プロジェクトの進捗状況として全工程の約98%が完了と話し、空港内部の様子を写真で紹介した。
具体的には、エレベーターの設置などでバリアフリー化、カーペットデザインや国旗色を採用したパラオらしさの演出、さらにインライン・スクリーニング・システムの導入などで旅客利便性の向上を行なっている。今後は、既存棟を到着専用、新棟を出発メインで運用する予定だ。
航空会社がパラオへ渡航する際の最新フライト情報やアプリなどを紹介
航空会社2社もセミナーに参加し、パラオ渡航者向けのフライトと現在の状況を説明した。
チャイナエアライン 東京支店旅客営業部の屋敷修治氏は、台湾・台北乗り換えでパラオへと向かうコロール線を紹介。通常の場合、日本の14都市から飛ぶことができ、乗り継ぎもスムーズ。帰りの便では台北でのショートステイも楽しめ、パラオと台北両方が楽しめる旅の行程となるとアピール。
現在はコロナ禍のため、台湾でのトランジットが行なえないが、感染が落ち着いてきた現状を踏まえて規制が緩和されることに期待すると話した。また、台湾とパラオ間のトラベルバブルについても言及、機内での感染症予防対策も厳格な基準に基づくとした。
ユナイテッド航空 代理店営業部の齊藤望氏は、成田~グアム間は毎日運航、グアム~パラオ間は現在週1往復で運航中であることを紹介。便数はコロナ前に比べるとかなり減ってはいるが、日本からパラオへ向かうための足としてはコロナ禍でも需要があり、機能していることに言及。
また、機内での感染症リスクについての調査結果、さらに公式アプリやWebでの「トラベルレディセンター」の提供により、渡航に必要なワクチン接種記録や検査結果などをまとめて保存可能となっていることも紹介した。
セミナー後半は、サプライヤー各社が現状とコロナ後の展開などをアピール
セミナー後半では、サプライヤー各社が現地のスタッフによる映像を交えて約3分間プレゼン。「palau pacific resort」日本地区セールスオフィスの古家浩人氏は、現在のさらに美しくなったパラオの海とホテルを映像で紹介。
オークラニッコーホテルマネジメント 営業本部の村田雄一氏は「palau royal resort」のロケーションやルーム紹介とともに2023年の教育や研修旅での活用、SDGsへの取り組みを説明。
ソティア 代表取締役の犬塚麻貴氏は「PALAU PLANTATION RESORT」の現状を映像とともに解説。独棟型で密にならないのがポイントとし、現在はローカルのバー利用が多いとのこと。
さらにU.B.D.I. BELAUTOUR 東京事務所 営業部の峯尾優作氏は、パラオでのランドオペレーターをはじめとした同社の業務内容を説明。と同時に現地の送迎やツアー手配などのスタッフからのメッセージも。
続いて、アイザヤジャパン シニアマネジャーの加藤秀一氏がIMPAC TOURSについて現地からのコメントを紹介。海の美しさが以前よりも増しているとスタッフが話し、ツアーのハイライトも映像で放映した。
プレゼン後半は、Dolphin Pacificの田中裕之氏が教育関連ツアーでの利用をアピール。世界遺産での滞在や6頭のイルカとの触れあい、サンゴの移植活動などの環境保護に関しても説明した。
続いてはクルーズ関連としてスポートツアーズ代表取締役の西元君子氏が、現地のスタッフ撮影の癒しのビーチ映像とともに現状フィリピンに船が停泊中であること、マンツーマンでのダイビング講習やCカード取得者向けのファンダイビングなど新たにクルーズ以外のアクティビティも導入したことを報告した。
プレゼンのラストは、デイドリーム 企画営業部長の公野友貴氏が「龍馬」でのクルーズについて解説。12月末の再開を目指していることや、再開後チャーターメインで運航することなどを伝えた。