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「マリンダイビングフェア 2022」開催中。海外でのダイビングにも期待が高まる!
2022年4月2日 14:47
- 2022年4月1日~3日 開催
第30回記念となる「マリンダイビングフェア 2022」が、4月1日から3日までの3日間、東京・池袋サンシャインシティ文化会館3階(Cホール)にて開催中だ。
入場は無料だが、事前にWeb登録を行ない、そのときに表示される入場登録証の提示が必要になる。未登録の場合は入場口のQRコードから登録可能。3日間とも10時スタートで、先着100名にはオリジナルTシャツやステッカー、タイカレーなどのプレゼントが用意されている。
マリンダイビングフェアでは、国内外のダイビングスポットやビーチリゾートの情報が得られ、最新機材やダイビンググッズなどの購入もできるので、ダイバーにとっては貴重なフェアとなる。会場は主に「海外ゾーン」「日本全国ダイビングゾーン」「ダイビングギアメーカーゾーン」「水中写真・映像ゾーン」「ダイビングスクールゾーン」「マリングッズゾーン」のエリアに分かれている。
市各区海外ゾーンは常夏の島々がダイビングスポットの魅力を伝える
筆者は初日となる1日の10時過ぎに訪れたのだが、平日だというのに多くの来場者で賑わっていた。「去年よりも来場者が多いと感じます。金曜は平日でまだ空いているので情報収集がしやすい。そろそろ海外のダイビングに行きたくてうずうずしている人が多いのではないでしょうか。パラオはリピーターが多いので、いつ行けるのか、興味を持っていただいているのかなと思います」と言うのは、「パラオ政府観光局」ブースの日本事務所 代表の芝村剛氏。早速、海外ゾーンでパラオのダイビング事情を聞いてみた。
「飛行機の定期便も就航していますし、観光客の受け入れ体制も整っているので、いつでも来ていただきたいと思っています。パラオはダイバーにとっていつか行きたい国の1つ。コロナ禍で手つかずの海になっているので、プライベート感覚で多くの魚が見れると、今の時期でも少しずつダイバーが増えてきています」とのこと。
お勧めのダイビングスポットは、最大水深30mのぽっかり開いた大穴の「ブルーホール」や、ギンガメアジやバラクーダの群れがいたるところに現われる超人気スポットの「ブルーコーナー」。今から夏までなら風向きや潮の流れ的にもこれらのスポットに行ける確率が上がるそうだ。
すでに欧米の観光客が戻ってきているというのは、「タヒチ観光局」ブースのPRマネージャーの尾上虹華氏。「今はヨーロッパのバカンスシーズンの予約が入ってきていて、ホテルの予約が取れないくらい人気です。日本のお客さんにも早く戻ってきてほしいです」という。
必要書類が揃えばタヒチに入国時の隔離もなくなるなど、旅行者の対応が緩和。とはいえ、「エア タヒチ ヌイ」の成田とタヒチの直行便は、11月2日まで運航再開日を延期することが4月1日に発表された。アメリカ・ロサンゼルスからタヒチの直行便は運航しているものの、利便性を考えると直行便が便利。タヒチに行きたい人は、直行便の再開を心待ちにしたい。
直行便の再開が待たれるのはインドネシアも同様。必要書類が揃えば入国時の隔離はなくなり、観光ビザも復活した。とはいえガルーダ・インドネシア航空の成田、関空のデンパサールへの直行便は4月30日まで運休。その後の再開はまだ決まっていない。現在はインドネシアの首都・ジャカルタ経由でバリ島に行くことができる。
インドネシアは約1万7000以上の島々から成り立つ国。「バリ島はマンタやマンボウが多く見られることで有名です。そのほか、ロンボク島、コモド島、スンバワ島など、とにかく島が多いので、ダイビングスポットはたくさんあります。透明度が高く、魚の種類も多く、魚影が濃いので、初心者から上級者までどなたでも楽しんでいただけると思います」と、エナダイブセンター日本事務局の西嶋康浩氏。インドネシアのブースには、インドネシア共和国観光クリエイティブエコノミー省とタラサ ダイブ リゾーツも参加。ブースを訪れる人は途切れることがなく、ダイバーからの人気をうかがわせた。
「フィジー政府観光局」ブースでも、直行便の再開を心待ちにするという話を聞いた。常夏のフィジーでは年間を通じてさまざまな見どころがあるが、「なかでも見てもらいたいのはハードコーラルとソフトコーラル。コロナ禍で手つかずの美しい海に、サンゴがイキイキと生息しています」と、フィジーのマナ島でダイビングショップ「AQUA-TREK MANA」を営む脚ノ好美氏。
「世界中で潜っているダイバーも見たことのない生き物に出会えるのがフィジーの魅力。初心者の人も映画『ファインディング・ニモ』に出てくるような熱帯魚たちがいっぱい出会えます」と、フィジーの魅力を教えてくれた。
一方、フィリピンでは2月10日から、PCR検査の陰性結果証明などのいくつかの要件をクリアすれば、新型コロナウイルスのワクチン接種完了者がビザなしで入国できるようになった。新型コロナ感染者や死者数が減少傾向にあり、徐々に緩和に向かっているという。そんなことから「フィリピン」ブースでは、フィリピン航空の就航日程やセール情報を提供。ダイビングスポットをはじめ、観光エリアなどについても総合的に案内していた。
「フィリピンはマリンダイビング読者投票企画の海外ダイビングエリア部門で2年連続1位となり、ダイバーに人気のスポットです。日本はコロナ前では4番目に渡航者が多い国。規制緩和の方向に向かっているので、このフェアのようなリアルのイベントに参加しながら、フィリピン観光のプロモーションを行なっています」と、フィリピン観光省東京支局 アシスタントディレクター トラベルトレード の横山泰彦氏は意気込む。
国内ゾーンはGWや夏休みに向けて積極的にアピール
国内ゾーンではまず八丈島のブースで話を聞いた。八丈島は伊豆諸島の南部、東京から287kmの場所にあるものの、羽田から飛行機で1時間弱、1日3本のフライトがあるなど、アクセスのよさが魅力のスポットだ。観光客は例年の6~7割くらいまで回復しているそう。
山登り、釣り、温泉が楽しめ、ダイビングでは八丈島と小笠原でしか見ることのできない固有種の「ユウゼン」が有名。ユウゼンはチョウチョウウオの仲間で、普通はペアや単体で生息するものの、水温が24度くらいになる5~7月には200匹くらいの魚群となるユウゼン玉が見られるのだそう。
世界自然遺産の小笠原諸島のブースでも固有種のユウゼンをアピール。尾が水玉柄になっている「ミズタマヤッコ」、お腹に帯を締めたような模様があるブダイの仲間の「オビシメ」という固有種もあり、夏は磯まぐろ、冬はザトウクジラが見られるという。「夏はベタ凪になって海面が鏡のようになります。その状態で見るバンドウイルカはとにかく美しい」と小笠原村観光局のスタッフ。
小笠原諸島の定期船・おがさわら丸は、東京と父島までは片道24時間、往復するには便数の関係で6日が必要になる。現在は船の定員が半分の450人程度に抑えているものの、毎便400人くらいの乗船があるそう。
「小笠原村と小笠原海運と東京都で2020年夏頃から、おがさわら丸の乗船客に対して無料のPCR検査を実施しています。それが浸透してきたことと、海外に行けない人が小笠原を選んでくれているのだと思います」と同観光局の伊藤優美氏。小笠原諸島のブースでは毎日先着500人にオリジナルのエコバッグをプレゼントする。
沖縄ゾーンでは、マリンダイビング読者投票企画の国内ダイビングサービス部門・沖縄エリアで20年連続1位の石垣島のブースをチェック。「石垣島ダイビングリゾート」では、「石垣島では観光客はいつでもウェルカムです!」と、石垣市公認のマスコットキャラクター「ぱいーぐる」とともに元気にお出迎えしてくれた。3月19日に早くも海びらきを行なった石垣島。初夏になり、小魚が増え、珊瑚が元気になってきているそう。「今の時期はコブシメ(コウイカ)の産卵や求愛などが見られます。マンタの求愛も始まっています」とお勧めスポットを教えてもらった。
ステージやダイビングギアなど見どころいっぱい
会場にはガイド会に所属する19名人のメンバーによる写真展も開催。富戸や串本、奄美大島など、人気スポットの美しい写真に、多くの人が目を引きつけられていた。なかでも多くの写真を集めて1枚の写真に加工した作品には驚かされた。
会場に用意されたステージでは、3日間にわたってトークショーやセミナーなどのプログラムを実施。「マリンダイビングフェア 2022」では、10人の人気水中写真家によるトークショーが話題となっている。会場にはトークショーを行なう高砂淳二氏、むらいさち氏、鈴木あやの氏、茂野優太氏、関戸紀倫氏らのブースもあり、写真集やポストカードなどを購入することができる。
ダイビングギアメーカーゾーンでは、「GARMIN」がこのフェアに合わせて、新作の「G1 Series」を発表。
「Descent G1」(7万9860円)と、Descentシリーズ初のソーラー充電対応の「Descent G1 Dual Power」(8万9980円)を展示していた。シンプルなモノクロディスプレイと軽量、コンパクトさが魅力。GARMINのダイブコンピューターはすべてにスマートウォッチモードを備えるので、タウンユースも可能だ。
「Mares」が開発したリブリーザー「HORIZON SCR」(75万9000円)の展示もあった。リブリーザーとは、通常は吐き出すガス(空気など)をユニット内で循環させ、二酸化炭素だけを吸収して呼吸用にするという今、話題のダイビング器材。
タンクのエアを何度も再利用できるので、通常よりも3~8倍も長く潜っていられる。ガスの泡がごく少量しか出ないので、呼吸音が静かで水中生物を驚かせずに近づくことができるのもメリットだ。
水中写真・映像ゾーンには、水中カメラや水中ストロボ、ワイコン(ワイドコンバージョンレンズ)など、ダイバーが興味津々なアイテムが並ぶ。なかでもフィッシュアイのブースで見た、カラーLCDパネル付きのライト「FIX NEO Light」(1500ルーメンの場合6万5780円)に引き付けられた。パネルには出力光量や点灯可能時間、モード表示などが分かりやすくデジタル表示され、ボタン操作で調光を変更できる。生物にアプローチしやすいレッド光もあり、撮影時には瞬間で消灯するので、写真が赤みを帯びることもない。
そのほか、会場で人魚を発見! これはスキンダイビングで人魚のように泳ぐマーメイドスイムのスクール「SSI」のブース。ドルフィンキックを美しくしたマーメイドキックや、ノーフィンスキンダイビングなどを教える。恒例のスタンプラリーもあり、多くの来場者が対象となるブースを巡り、スタンプをもらっていた。
今回、第30回記念となる「マリンダイビングフェア」。だが、詳しい人なら、これまで主催していた月刊誌「マリンダイビング」を出版していた水中造形センターが、昨年7月に倒産し、「マリンダイビング」も廃刊となっていることを知っているだろう。その後、内部のスタッフが125万人のユーザーがいる「Marine Diving Web」とこの「マリンダイビングフェア」を事業継承し、今回の開催にいたっている。新たな主催者であるマリンクリエイティブ 代表取締役の奥山政夫氏に聞いた。
「みなさんにとっては30回目になりますが、マリンクリエイティブとしては1回目のフェアになります。恒例の『地球の海フォトコンテスト』は事業継承の手続きが昨年10月末になったので準備が間に合いませんでしたが、来年は開催できるよう検討したいと思っています。行なうときには『Marine Diving Web』に告知しますので、Webサイトに注目しておいてください。
コロナ禍になり、出店者のほぼ半数を占めていた海外のエアラインや政府観光局、旅行社の出店がなくなり、昨年はこれまでの2フロアから1フロアでの開催となりました。でも今年はワクチン接種も進み、状況が変わってきています。昨年は3日間で約1万9000人の来場者でしたが、今年はもっと増えるだろうと期待しています。今後もマリンダイビングフェアは続けていきますので、ダイバーの皆さん、ご期待ください」