JALは北回り、ANAは中央アジア。Google Earthで見る「ロシア上空を避けたルート」

JALの羽田～ロンドン線が飛行する「北回りルート」（赤いライン）

　JALは3月4日、現在のロシア・ウクライナ情勢を受けて、欧州路線の運航の対応について説明した。

　ロシアへの経済制裁によって部品調達などのサプライチェーンに影響が出ることを懸念しており、例えば機材故障などでロシアの空港へダイバート（目的地以外への着陸）した場合、部品が揃わないと最終目的地まで乗客を乗せていけない可能性がある。また、そもそも現在ロシアは欧州の飛行機の発着を禁止しているため、他社の機体に乗客を乗せ替えることもできない。

　こうした事情から、羽田～パリ・ヘルシンキ・モスクワ線、成田～フランクフルト線については当面欠航になる可能性があるという。

　一方、羽田～ロンドン線については、ロシア上空を通過しない北回りのルートを選択しており、アラスカ、グリーンランド、アイスランドの上空を通る、かつてのアンカレッジ経由と同様のルートになる。その分、往路は2～3時間、復路は4時間ほど運航時間が長くなるが、客室での特別な対応などはないとのこと。

3月4日のJAL 羽田～ロンドン線（ボーイング 777-300型機）

JL43便： 羽田（11時30分）発～ロンドン（18時10分）着
JL44便： ロンドン（20時10分）発～羽田（翌21時35分）着

ANAは中央アジアルートを選択

　一方ANAは、羽田～ロンドン・パリ線、成田～フランクフルト線については、3月10日まで欠航を決めている。

　羽田～フランクフルト線（NH203/204便）、成田～ブリュッセル線（NH231/232便、NH237/238便）は運航を続けるが、ロシア上空を避けて中央アジアを通過するルートで運航する。そのため通常より飛行時間は延びており、例えば成田～ブリュッセルは通常約12時間のところが約15時間30分に、ブリュッセル～成田は約11時間のところが約13時間に、それぞれ変わっている。

ANAの成田～ブリュッセル線などが飛行する「中央アジアルート」（青いライン）