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タイ、オミクロン株による第5波の影響を受けるも全地域のリスクは低下。外国人観光客の受け入れは3つの区分で再開

2022年2月16日 実施

タイ国政府観光庁が「タイランドアップデート」を実施。画面は東京事務所 マーケティングマネージャーの藤村喜章氏

 タイ国政府観光庁は2月16日、現地の最新情報を業界向けに発信する「タイランドアップデート」を開催した。説明を行なったのは、タイ国政府観光庁 本部 日本市場担当の鹿野健太郎氏。

 タイ国内の新型コロナウイルス感染状況は、全国の1日あたりの新規感染者が1万4000~1万5000人と第5波の影響を受け、前回報告値(3000~4000人)からは増加傾向になっている。その一方で、重症者・死亡者の著しい増加は見られず、オミクロン株の傾向が見て取れるそうだ。

 感染者数の推移グラフで見ると、2021年の夏から秋にかけてのデルタ株による1日2万人超のピークを迎えたあとは年末に向けて順調に減少していたが、年始からはオミクロン株の流入により第5波が始まっている。

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 オミクロン株による第5波の影響が心配されるところだが、バンコク市内においては在住者の買い物客は多くみられ、イベントなども開催されているそうだ。市内の交通量はコロナ禍以前の80%前後といったところであるが、朝と夕方には渋滞が発生しており、交通量が前回のアップデート時より減った印象はないと話してくれた。一方、観光名所であるワット・アルン(暁の寺)を見て回ったそうで、地元の参拝客と数名の外国人観光客が見られるだけで以前ほどのにぎわいは見られなかったという。

バンコク市内の様子
朝の通勤風景
現在のワット・アルン

 保健省が発表している地域別リスクは2月9日に見直されており、最高度厳重管理地域と最高度管理地域は0県で推移し、管理地域は44県、高度監視地域は25県と段階的にリスク評価が下げられている。

 ただし、ワクチン・ブースター接種がオミクロン株の急速な感染拡大に追い付いていないのと、ミャンマーの政治的経済的不安定要因により増加する不法入国に対処するため、非常事態宣言は全土で2022年3月31日まで延長されている。一方、オミクロン株はデルタ株と特徴が異なることから、感染拡大下であるが段階的な経済社会活動の維持はされており、観光関連施設は営業継続が許可されている。店内飲酒に関しても観光先行地域内の認可された店であれば、23時まで提供が可能になっている。

 このほか、政府観光庁のように通常出勤に切り替わる機関や企業も見られ、学校も通学が開始されるなど、コロナ禍ではあるが変化が見られる。

最新の地域別リスク指定を見ると全土でリスクが下がっている
段階的に解除されている経済活動や社会活動の制限

 外国人観光客受け入れ区分の再開に向けては、「Test&Go」「Sandbox」「Alternative Quarantine」の3つの区分が始まっている。

 Test&Go区分は、条件を満たす指定国からの観光客はタイ全土で隔離を免除されるもので自由度は高いが、最低1回のワクチン接種、出発前72時間以内のPCR検査陰性証明の提示が必須であり、入国後も入国日と5日目にPCR検査を受ける必要がある。

 Sandbox区分は、すべての国から入国可能だが、指定エリア(プーケット県、クラビ県、パンガー県、スラータニー県、チョンブリ県、トラート県)で7泊以上の滞在とPCR検査を受けることで全土を移動できるようになる長期滞在者向けの受け入れ区分になっている。

 Alternative Quarantine区分もすべての国から入国可能だが、指定ホテルにて7日間の検疫隔離とPCR検査を受ける必要がある(ワクチン未接種者は10日間の検査隔離)。

 これらの受け入れ区分は状況に合わせて随時アップデートされるので、渡航を考えている人はタイ王国大使館のWebで最新情報を確認してもらいたいとのことだ。

外国人観光客の受け入れについては3つの区分がある
検疫隔離のない「Test&Go」区分
指定地域で7日間の検疫期間がある「Sandbox」区分
指定された宿泊施設で検疫隔離する「Alternative Quarantine」区分
タイ王国大使館のWebで最新情報がチェックできる