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北陸新幹線 福井駅、建設現場に行ってみた! ホーム両端でカーブした「全国的にもめずらしい駅」

2021年10月17日 公開

外装工事がほぼ終わって、現在は1階の内装工事がメインで進められている北陸新幹線の福井駅

 福井県は10月17日、2024年春の北陸新幹線「福井~敦賀」開業を目指して建設工事を進めている福井駅の現場見学会を開催した。

 現場工事の進捗を地元の人に見てもらうことによる機運醸成などを目的に企画したもの。8月に福井県民限定で募集し、8月29日実施の芦原温泉駅、9月19日実施の越前たけふ駅に続いて3か所目。11月7日には敦賀市の敦賀車両基地建設現場も予定している(すでに募集は終了)。

ご存じのとおり北陸新幹線は現在金沢までつながっている。この先の金沢~敦賀間125kmが開業するのは2024年春の予定だ

 この見学会はそれぞれ募集定員が決まっており、福井駅は500名。700名近い応募があったため抽選となった。当日は小学生連れのファミリーから年配の方など幅広い年代が参加し、2年半後の開業に期待を膨らませていた。

7月末に駅舎外部足場が解体され、駅の外観が姿を現わした北陸新幹線 福井駅
この駅名標は8月上旬に取り付けられた
すぐ隣にはえちぜん鉄道の福井駅がある
反対側には在来線の福井駅。2005年にできた駅舎だ
木調の化粧ルーバーは福井市の観光スポット、一乗谷朝倉氏遺跡の唐門がモチーフ

悠久の歴史を未来へつなぐシンボルゲートとなる駅

床には木調のタイルが敷かれ、ゆっくりくつろげる空間になる予定の新幹線ホーム

 当日は1グループ約100名で時間を分けて開催した。参加者には入場時に資料が配られ、まず最初に鉄道・運輸機構の担当者から建設工事の概要説明や軌道工事の説明があった。

 それによると、福井駅のデザインコンセプトは「太古から未来へ~悠久の歴史と自然がみえる駅~」。唐門をモチーフとした木調のルーバーと、明るく開放的なガラス面を組み合わせることで福井の歴史を感じさせるデザインになっている。

 また、コンコースは県産の木材や和紙を使用する予定で、格調高い和の空間をイメージしている。建築工事の進捗状況は9月末時点で7割ほど。2022年夏には建設工事が完了し、その後は電気工事などを進める予定だという。

説明に耳を傾ける参加者
プレゼントがもらえるクイズラリー用紙も
いよいよ内部へ。配管や鉄骨がむき出しの、めったに見られない現場だ
階段を上る
エスカレーターはここまでできていた
在来線への乗換改札が中2階に設けられる
さらに階段を上がると……
新幹線ホームに到着
この段階ならではの車両も見ることができた
レールは1mあたり60kgもあるのだとか
こちらは待合室
エレベーター
エスカレーター
新幹線ホームから見た東口方面
フォトスポットのパネルも設置

 北陸新幹線 福井駅のホーム形式は島式1面2線で、駅舎の高さ約22m、駅舎の幅は約23m。新幹線ホームの全長は312mある。これは12両編成の列車(1両25m)が停車できる長さだ。

 現場にいた鉄道・運輸機構の方に聞いた話で興味深かったのは、福井駅はプラットホームに入ってくるときと出ていくとき、どちらも緩やかにカーブしているということ。これは全国的に見てもめったにない、めずらしい駅なのだそうだ。開業後に乗車した際には、このカーブを感じながら福井駅に降り立ちたいと思った。

下りホームから見た金沢方面。カーブして入ってくるのが分かる
こちらは敦賀方面。こちらもホームの先でカーブしている
とても貴重な建設現場見学会だった

 見学会終了後、主催した福井県の担当者は「募集人数以上の応募もあり、開業2年半前というこのタイミングで建設状況を県民の皆さんに見ていただけてよかった。楽しんでいただけたのではないか」と語った。今回のような大規模な見学会は今後はなかなか難しいかもしれないが、タイミングに応じて随時盛り上げていけたらとのことだった。

行きでは気づかなかったトイレを発見。いつか利用することになるはず
この辺りが改札になるらしい。脳内で想像してみると楽しい
改札を抜けると、みどりの窓口がこの辺り