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ムーミンの作家トーベ・ヤンソンの知られざる半生。フィンランド政府観光局、映画「TOVE/トーベ」公開記念イベント
主演女優アルマさんとライブ中継も
2021年10月11日 12:02
- 2021年10月8日 実施
フィンランド政府観光局(Visit Finland)は10月8日、映画「TOVE/トーベ」の公開記念メディアイベントを、フィンランド大使館内のメッツァ・パビリオンで行なった。
本作はフィンランドを代表する作家トーベ・ヤンソンの半生とムーミン誕生の舞台裏を描く物語で、10月1日より順次全国で公開されている。
フィンランドセンター所長による、ムーミンの生みの親トーベ・ヤンソンの紹介
まずは冒頭で、映画「TOVE/トーベ」の予告編が上映された本イベント。続いてフィンランドセンター所長のアンナーマリア・ウィルヤネン氏が登壇し、作家トーベ・ヤンソンのライフスタイルや価値観、生き方などを、1940~50年代のフィンランドの状況を踏まえながらプレゼンテーションした。
ウィルヤネン氏によると、フィンランドは度重なる戦争を経験しており、戦争によって多額の借金を抱えたことによって、女性も社会に出て働く環境が求められるようになっていった。今回の映画はそんな1940~50年代の第二次世界大戦下のフィンランドが舞台となっている。
写真で分かるとおり、トーベの人生における重要人物には、同性の恋人・パートナーの存在がある。1946年に出会って恋に落ちたのは舞台演出家で既婚者のヴィヴィカ。のちに出会って生涯のパートナーとなったトゥーリッキも女性だ。今ではジェンダー平等の先進国と言われるフィンランドだが、1971年まで同性愛は犯罪で、精神疾患として指定されていたという背景がある。
そんななかでも「もう1回生まれ変わったみたい。私はこれがわるいことだなんて思わない」と語っていたというトーベ。さまざまな葛藤と戦いながらも「自由に生きた」人生をどう描いているかが、この作品の大きな見どころといえるだろう。
フィンツアーからトーベ・ヤンソンゆかりの地巡りの特別ツアー発表
北欧旅行フィンツアーを運営するフィンコーポレーションの代表取締役社長 美甘小竹氏から、2022年6月に予定している特別ツアーの発表があった。「映画『TOVE』を巡るオーランド島&ヘルシンキツアー」と題したツアーは、フィンランド南部の海沿いを巡りながらトーベ・ヤンソンやフィンランドの魅力を存分に堪能できるというもの。
もちろん両国間での往来が再開されることが前提だが、7泊8日で旅行代金は44万9000円を予定しているという。
主演女優アルマ・ポウスティさんのライブメッセージ
続いて、いよいよヘルシンキのスタジオとライブ中継タイム。オンラインでつながると、目の前のスクリーンには映画「TOVE/トーベ」で主演を務める女優アルマ・ポウスティさんの笑顔が映し出された。アルマさんはフィンランド大使館商務部のノーラ・シロラ氏からの質問に答えながら、トーベ・ヤンソンとのつながりや、ムーミンから影響を受けたこと、映画への想いなどを語ってくれた。
「映画の感想、出演してどうだったか?」という最初の質問には、「演じられて幸せでしたし、とても光栄でした。と同時にトーベ・ヤンソンはフィンランド人に愛され、リスペクトされている人物なのでプレッシャーも強く感じました。演技を通して、揺るぎない真実が常にあって、力強く生きたトーベの人生に触れることができたことを光栄に思います」と述べた。
実はアルマさんのお祖父さんも俳優で、トーベと友人関係にあったという。アルマさんが幼いころにお祖父さんと一緒に家に招待されたこともあるそうだが、まだ5歳と幼かったためあまり記憶にないのだという。ユーモアがあってジョーク好きというのは自分とトーベが似ているところ、と語ったアルマさん。最後の「日本に来たことがありますか?」の質問には「まだ行ったことがないのですが、可能になったら今すぐにでも行きたいです」と笑顔で答えてくれた。