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三菱重工、スペースジェット事業の損失で2020年度第1四半期は579億円の赤字。「通期は見通しの範囲」

2020年8月3日 実施

三菱重工が2020年度第1四半期決算を発表した

 三菱重工業は8月3日、2020年度第1四半期決算についての説明をオンラインで行なった。説明を担当したのは取締役執行役員 CFOの小澤壽人氏。本稿では特に民間航空機関連について取り上げる。

 連結の売上収益は新型コロナウイルスの影響が大きく、前年同期比1413億円減(15.4%減)の7780億円。事業利益は713億円の赤字で、そのうち三菱航空機「三菱スペースジェット」事業の損失、具体的にはカナダ・ボンバルディアのCRJプログラム買収に伴うのれん減損が688億円となっている。親会社の所有者に帰属する当期利益は、579億円の赤字だった(前年同期は163億円の黒字)。

決算について説明する三菱重工業株式会社 取締役執行役員 CFO 小澤壽人氏
三菱重工の2020年度第1四半期決算

 CRJプログラムについては6月1日に買収が完了しており、その一過性費用として約500億円、通常費用(研究開発やリストラなど)で約200億円を要しているが、そもそもスペースジェット事業の通期見通しは、通常費用が約600億円、一過性費用が約600億円であり、まだその範囲に収まっている。

 一方、三菱重工の民間航空機事業では、主要顧客であるボーイングから受注している航空機部品などエアロストラクチャー事業(民間航空機構造Tier1)が、生産調整などで第1四半期の売上収益が計画のおよそ50%減。航空機エンジン事業は第1四半期の売上収益が計画のおよそ55%減。

 いずれにしても、同社では「新型コロナの影響が最も大きいのは第1四半期と見ており、通期では見通しの範囲からは大きく外れていない」とした。

セグメント別の事業利益
事業利益の増減分析
新型コロナウイルスの影響
第1四半期決算実績(航空・防衛・宇宙)