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マスクを着けた飛行機の機内に入ってみた。ガルーダ・インドネシア航空 A330-900neoのビジネス/エコノミークラスを写真で紹介

2020年10月19日 飛来

マスクのイラストが描かれたガルーダ・インドネシア航空のエアバス A330-900neo型機

 ガルーダ・インドネシア航空は、機体の先端にマスクを描いたエアバス A330-900neo型機(登録記号:PK-GHG)を羽田空港に飛来させた。

 同機は10月8日に初飛来を果たしており、19日が2度目の羽田。特徴的なマスクのイラストはインドネシアにおける新型コロナウイルス感染抑制に向けた啓蒙のためで、機体に描いた「Ayo Pakai Masker」は「マスクをしよう!」という意味のインドネシア語だ。

 同社のA330-900neoは2019年末に1号機が納入された新機材。今回は駐機中の機内の様子も撮影しているので、写真で詳しく紹介していく。

マスクとともに機体の前方にインドネシア語で「Ayo Pakai Masker(マスクをしよう)」
コクピットのクルー2人ももちろんマスク着用
初飛来した10月8日は、雨天にも関わらず展望デッキには多くの飛行機ファンが集まった(10月8日撮影)

 現在インドネシア国内では、機体に描くマスクのデザインを公募するマスクデザインコンペティションが開催されており、今回のA330-900neoを皮切りに2機のボーイング 737-800型機(すでに公開済み)、エアバス A330-300型機、ボーイング 777-300ER型機にもイラストを描く予定だ。

 同社の日本・韓国・アメリカ地区総代表のソニー・シャフラン氏は、「飛行機ですらマスクをするのに、なぜアナタはマスクをしないの? いつでもどこでもマスクをしましょう!」というメッセージは、マスク着用を促すための非常に分かりやすい手段だと語る。

 なお、今回飛来したGA874便の機種選択において、新型コロナ流行以前からマスク着用の習慣があった日本を見習うという想いから、この機材が選ばれたとのことだ。

ガルーダ・インドネシア航空 日本・韓国・アメリカ地区総代表 ソニー・シャフラン氏

 今回飛来したエアバス A330-900neoはエアバス最新鋭の中型ワイドボディ機。ビジネスクラスは1-2-1配列の24席、エコノミークラスは2-4-2配列の277席で、計301席。ビジネスクラスには17インチ、エコノミークラスには10インチの個人用モニターが備わっている。

羽田空港に到着するガルーダ・インドネシア航空のGA874便、エアバス A330-900neo。流麗なシャークレットを備えた幅64mの広い翼が美しい
マスクのディテールは細かく再現されている
ビジネスクラスは1-2-1配列の24席
ビジネスクラスのシート
ビジネスクラスのシートまわり
充電可能なUSBポートは小物入れの上部とシート下部の2か所。110Vのコンセントはシート下部にあり日本で使われているプラグも使用可能。画面の操作はタッチパネルのほかスマホのようなコントローラで操作ができ、こちらも日本語に対応する
ビジネスクラスはタッチパネルの性能も上がった17インチモニターを備える。またカラフルな照明のシステムは同社のエアバス機初の装備
エコノーミークラスは2-4-2配列の277席
エコノミークラスのシート
新しくなったエコノミークラスのモニターは10インチ
エコノミークラスの照明の一例
ふた、便座ともにつまみがついたトイレ
ギャレー(機体中央部)
ギャレー(機体中央部)
ギャレー(機体中後部)
エアバス A330-900neoのコクピット
エアバス A330-900neoのコクピット

 日本人観光客にも人気の高いバリ島(デンパサール)への唯一の直行便を持つガルーダ・インドネシア航空だが、成田~デンパサール線、関空(大阪)~デンパサール線ともに現在は全面運休中だ。一方で、ビジネス需要の強いジャカルタ線は運航している。インドネシアからの農産物や海産物の輸入も多い我が国への貨物便は、むしろ増加傾向とのこと。我々が日常的にスーパーなどで目にするインドネシア産のエビやマグロ(キハダマグロ)の多くは、冷凍されることなく生で空輸されているそうだ。

 シャフラン氏は「インドネシアはとても広く、国内線が充実している点、そして貨物便もあるので、このコロナ禍において国際線を中心に展開している航空会社と比べれば多少ダメージは少ないかもしれません。それでも、観光需要はインドネシア政府にとってもガルーダ・インドネシア航空にとっても大きく、大切なものです」と語り、「我々は日本とバリ島をつなぐ唯一の直行便を持つエアラインです。飛行機の運航には万全の感染対策を行なっています。制限がなくなった日にはどうぞ安心してインドネシア、バリ島の観光をお楽しみください」と話した。

ガルーダ・インドネシア航空 日本・韓国・アメリカ地区総代表 ソニー・シャフラン氏(中央)と同 東京国際・成田国際空港所長 スパルジョ・アディ・スラトノ氏(左から2番目)、同社職員と

 ガルーダ・インドネシア航空は、インドネシアでの旅をアクティブに楽しめるよう、自転車やサーフボード、ゴルフ、ダイビング用品などのスポーツ・レジャー用品を通常の受託手荷物に加えて無料で運ぶ特例規定を持つ数少ない航空会社だ。この機体でまずはマスク着用を促し、1日も早く現地でレジャーが楽しめるような日が来てほしい。

【お詫びと訂正】初出時、日本就航時期、職員の所属の記述に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。