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ヤフー担当者に聞く、旅マエ・旅ナカでの「Yahoo!天気」アプリの便利な使い方

2020年7月7日 インタビュー

ヤフー メディアカンパニー メディア統括本部 Yahoo!天気・災害 サービスマネージャーの田中真司氏

 旅行の楽しさは天気に左右されることが多い。どんな天気にも対応できるように準備をするのが最善だが、それでは荷物も増えてしまう。旅先においても、空模様にあわせて訪れる順番を調節できれば、快適な旅の演出が可能になるはず。そんな時に頼りにしたいのがスマートフォンの天気予報アプリだ。

 さまざまな天気予報アプリが提供されるなか、定番の1つと言える「Yahoo!天気」アプリを提供するヤフーのメディアカンパニー メディア統括本部 Yahoo!天気・災害 サービスマネージャーの田中真司氏にオススメの使い方を伺った。

イチオシは「雨雲レーダー」

 ヤフーでは、PCやスマートフォン向けのサイトで天気予報サービスを提供してきたが、田中氏によれば、直近で最も力を入れているのはスマートフォン向けのアプリだという。その中でもオススメなのは「雨雲レーダー」という機能なのだとか。

Yahoo!天気アプリの「雨雲レーダー」

 機能としてはシンプルで、実際の雨雲の様子が地図上で確認でき、これから先の予測も見られるようになっている。もちろん利用料は無料だ。田中氏によれば、Yahoo!天気アプリは月間2000万人が利用しており、大雨の日にはデイリーでも1300万人が利用し、そのうち約6割が雨雲レーダーを利用しているという。

 同社が雨雲レーダーを提供する背景について、田中氏は、「Yahoo!天気というサービスにおいて、何が一番の課題かというと、天気予報が外れるということです。外れるとユーザーさんからお叱りをいただくのですが、我々は気象会社ではないので、予報を変えることはできません。変えることができたとしても、天気予報は100%当たるというものではなく、外れるということはついて回ります。それをいかにリカバリーするのか。晴れるという予報だったのに雨が降ってきた、という時にどうすればいいのかといった時に使っていただきたいのが雨雲レーダーです。空を見てあれっと思った時に雨雲レーダーを開いて雨が近づいていることを目で確認したり、雨が降りだした時に、あと30分ぐらいこのままやり過ごした方がいいのかな、とユーザー自身が予測をたてることができる機能なのかなと思っています」と説明する。

縮尺を変更することで雨雲の進行方向や全体像がつかみやすくなる

 データ自体は気象庁などからのデータを組み合わせ、それを地図上に重ねて表示しており、同じデータを情報源とする他社のサービスとの差は無いはずだが、元データは同じでも見せ方にはこだわっているという。6月には下地となる地図データをカスタマイズの自由度が高いマップボックス社のものに変更し、土砂災害を気にするような場面では河川のレイヤーを重ねて表示するなど、わかりやすい表示を心掛けているとのことだ。

 また、スマートフォンのアプリを使う最大のメリットは、GPSと連動して現在地周辺の雨雲の状況を確認できるところ。1時間前から現在にかけての周囲の雨雲の動き方や今後の予測を見て、旅先で最適な移動のタイミングを考えられるようになる。

旅先での防災にも

 直近では7月3日から九州地方を中心に大雨による被害も続いているが、旅行中の防災という観点においても、こうしたアプリを活用したいところ。

 田中氏は、「自宅周辺であればハザードマップを確認しているかもしれないが、旅行先となるとなかなかそうは行かない。アプリ内では、大雨警戒レベルマップや河川の水位情報を提供するサービスも始めており、今いる場所が危険なのかどうかを確認できる。プッシュ通知が可能な『Yahoo!防災速報』というアプリもあるので、組み合わせて利用していただきたい」と語る。

GPSと連動して現在地周辺の雨雲の状況を素早く確認できるので、旅先でも活用したい

長期予報で旅マエのワクワク感を演出、普段の生活も便利に

 このほか、旅行者にとってYahoo!天気アプリの便利な機能の1つとして、17日間の長期予報機能もある。本来は今年開催されるはずだった東京2020に向けて提供を開始した機能とのことだが、当然、それ以外の国内旅行でも活用できる。気になる精度だが、気象庁の天気予報は今日・明日で80%超、1週間先で70%程度とのことで、その後ガクンと落ちるわけではなく、横ばいで推移するのだそうだ。10日後以降は信頼度がA/B/Cの3段階で表示されるようになっているので、こちらも参考に旅行の見通しを立てたい。

今後もユーザーの暮らしが便利になるように改善を図っていくとのこと

 田中氏によれば、今後も時代の要請に応じてサービスのブラッシュアップを図っていくという。同氏は、「今まではテレビでしか見られなかった雨雲レーダーも、PCで見られるようになって、今ではスマホでもわかりやすく見られるようになった。将来は天気予報を見てないけど、雨の日は15分早く目覚ましが鳴る、という時代が来るかもしれない。旅行の時も、一番雨にあたらないルートやスケジュールを提案するとか、いろんな可能性が考えられる。今の天気アプリをものすごく進化させたいというより、ユーザーの暮らしが便利になるように追求していきたい」としている。