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ANAウイングス、全国4拠点から福祉施設などに手作りマスク寄贈。社員ゆかりの施設へ
2020年6月20日 12:00
ANAウイングスは、全国4拠点(羽田/東京、中部、伊丹/大阪、福岡)のスタッフらが手作りした布マスクを、各地の福祉施設や保育園などに寄贈する取り組みを進めている。この布マスク作りに参加し、神奈川県内の福祉施設へ寄贈したの奥崎CA(客室乗務員)に話を聞いた。
ANAウイングスでは新型コロナウイルスで社員の出社機会が減るなか、社長とのWebミーティングが行なわれており、この場でさまざまな取り組みが決定。社員の子供が通う小学校と連携してWebでの航空教室を実施したり、社員がデザインしたぬり絵をWeb公開したりする取り組みが、スピーディに実現しているという。
新型コロナウイルスの影響により大幅な減便/運休が余儀なくされるなか、ANAグループでは医療用ガウン縫製の支援を行なったことが話題になったが、ANAウイングスの社員もこのガウン縫製に参加する一方、(東京で行なわれた)ガウン縫製作業のボランティアに応募できない福岡を拠点とするCAからは「参加したいができない、もどかしい」との声があったという。併せて、近くの福祉施設でマスクが足りないという話もあったことから、会社として取り組むことを決定。羽田、中部、伊丹、福岡それぞれでボランティアを募集した。
できるだけ多くの人が参加できるよう、ミシンを使ってのマスク製作、検品などの補助作業と役割分担。役員を含めたさまざまな職種のスタッフ64名が携わることになった。
話を聞いた奥崎CAも、ガウン縫製のボランティアに応募したが参加は叶わなかったという。布マスク製作の参加には「少しでもなにか力になれればと思っていたので、チャンスをいただけたという気持ちで、同期社員とともに『すぐに応募しよう』と話をした。自分では思っていてもなかなか行動に移せないところがあるが、会社からこのような話があり、よい機会をいただけた」と応募に際しての気持ちを話す。
マスクは家族にも手伝ってもらいながら製作したという。「寄贈用のマスクを製作する前に自分でも母と一緒に布マスクを作っていて、作り方も同じだったので『これならできるな』と思った」といい、従前に自分用に製作したマスクでは失敗もあったそうだが、寄贈用マスクについては「少しでも多くの人に届けられて、少しでも役に立てればと思いながら作った。寄贈用のものは自分では失敗せずに作れたと思う」と笑顔を見せた。
また、ANAウイングスのマスク寄贈の特徴として、寄贈先も会社が決めるのではなく、社員から提案する仕組みにしたことが挙げられる。例えば子供が通っている保育園や幼稚園、家族がお世話になっている福祉施設などを社員が提案。問い合わせをし、必要としているところへ届けることにした。6月中旬までに予定していたほとんどの施設に寄贈を終えているという。
奥崎CAも、寄贈先を提案した一人。「社内で寄贈先施設の募集が出たときに、曾祖母が生前お世話になっていた福祉施設が思い浮かんだ。問い合わせてみるとマスクはしているものの、使い捨てマスクを何度も使ったり、納品が何か月も先になると業者に言われていたりという状況だと伺った」と、寄贈先として会社に提案した。
寄贈する際には自身も足を運び、「すごく笑顔で喜んでくださった。マスクを作ったみんなの思いをきちんと届けられたという気持ちや、お世話になっていた施設の方と久々にお話しして生前の曾祖母を思い出す気持ちがあった」と思い出を話した。
6月以降は乗客も増加傾向にあるといい、ANAグループでは新型コロナ対策の取り組みとして「ANA Care Promise」を推進。乗客へのマスク着用や乗降時に距離を空けることなどを求めているほか、機内サービスも一部限定的なものとなっている。
奥崎CAは県外移動の自粛要請も解除された新しいステージに向け、「これまでは異なるサービスとなり私たちももどかしい気持ちがあるが、お客さまと航空会社との信頼関係を築きながら、お客さまにもご協力いただき、安全で安心な空間をお届けできるよう対策をしていきたい」との姿勢を示した。
(現地写真提供:ANAウイングス)