ニュース
ANA、機内・ラウンジで提供するワインセレクション発表会。エグゼクティヴ ソムリエの森氏が紹介
季節ごとにワインをセレクト。12月から提供
2019年11月19日 07:30
- 2019年11月18日 発表
- 2019年12月~ 提供
ANA(全日本空輸)は都内で発表会を開き、機内や空港ラウンジで提供するワインセレクションの新たな銘柄を紹介した。
2018年12月から選考を開始したワインセレクションは、世界15か国、約2000銘柄から書類審査とブラインドテイスティングにより62銘柄のワインを選定。欧州をはじめ、オーストラリアやアルゼンチン、チリといったやニューワールド、そして日本から、赤・白・ロゼ・泡を取りそろえた。
ワインの選定は、2000年世界最優秀ソムリエを受賞したフランスのオリヴィエ・プーシエ氏、アジア・オセアニアエリアや、日本でナンバーワンになったコンラッド東京 エグゼクティヴ ソムリエの森覚(もり さとる)氏のアドバイスのもと、ANAがセレクションしている。
ANA CEマネジメント室 商品企画部 部長 原雄三氏は発表会の冒頭、オリヴィエ・プーシエ氏や森覚氏を紹介しつつ、「和食がワインに合う、洋食が日本酒に合うといった食事のマリアージュを大いに楽しんでいただいて、機内での時間をより彩り豊かなものにしていただけたら」とあいさつした。
続いて森氏が2019年~2020年のワインセレクションについて説明した。2回目の選考参加となる森氏は、今回の大きな特徴として大規模ワイナリー・定番銘柄はもちろん押さえつつ、小規模ワイナリー・小ロットの銘柄を多く加えていることを挙げた。
機内食が3か月ごとに切り替わっていくことから、ワインも通年で在庫を確保できる大ロットの銘柄ばかりではなく、3か月スパンで「今飲んで美味しいもの、今飲んで価値があるものをお出ししよう」と考えたものを加えており、ファーストクラスで特にそれを表現しているのがフランス(サン・テステフ/ボルドー)の「シャトー・コス・デストゥルネル 2008」だという。
また、「日本のワインは世界的に非常に興味を持たれている」ことから、「ソラリス 信州千曲川産メルロー2016」をセレクト。2020年に向けてさらに外国人旅行客が増えることから、「日本への思いを馳せていただいたり、日本滞在の余韻を楽しんでいただけたら。日本のワインは品質がまだまだと言われることもあるが、厳選したワイン、小ロットでもよいものを出したいという思いから選んだ」と思いを語った。
春・夏の暑い時期にはさわやかなタイプのものを、秋・冬には重厚な味わい、ふくよかな味わいを選ぶのは、レストランでワインを勧めるときも季節を感じる日本ならではのワイン選びであり、機内食においてもより季節を感じられるセレクションを取り入れられたのはとてもうれしいと話す森氏は、ビジネスクラスでは「シャトー・カスティジャン 2016」を紹介。フランス・ボルドーといえば定番中の定番だが、機内では気圧の関係で味覚が渋みや酸味を感じやすくなっていることから、「なめらかな口あたりのワイン」だという。
また、白ワインでは「スカットルバット ソーヴィ二ヨン・ブラン セミヨン 2018」を紹介。「すばらしい品質で金額が高いものもあるが、金額に対してバリューのあるものもある。このワインが特にそのようなカテゴリーに入る。飲んでいて飲み飽きしない、料理と合わせて重宝する」ワインだと紹介した。
最後に登壇した、ANAの機内食を手がけるANAケータリングサービス 執行役員 総料理長の清水誠氏は、「ANAは日本のエアラインとして季節感を非常に大事にし、旬の食材を使うことはもちろん、日本の大事な季節を料理で表現している」と語り、気圧の影響で機内での味覚が変化することに対しては、「しょっぱくするのではなく、味わいとしてしっかりとしたものを作っている」と説明した。そして「ワインに機内食を合わせられるような開発もできたら。これからもすばらしいコラボレーションを続けていきたい」と話した。