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新国立競技場も完成済み。森ビル、巨大で精密な東京の模型と3Dプロジェクションマッピングで都市計画を考える「森ビルアーバンラボ」を公開
2019年10月10日 15:34
- 2019年10月9日 公開
森ビルは10月9日、東京・六本木に創設した「森ビルアーバンラボ」の完成を記念し、プレス向けに特別公開した。森ビルアーバンラボは都市全体を俯瞰し、東京のこれからを多角的に研究するための施設であり、通常は一般公開されていない。
森ビルアーバンラボは、8月22日に行なわれた「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の発表会(関連記事「森ビル、『虎ノ門・麻布台プロジェクト』説明会。“高さ日本一”のメインタワーなど『スケールとインパクトは六本木ヒルズに匹敵』」)において初めて対外公開した施設だったが、今回システムなども整っての完成披露となった。
メインとなる「シアタールーム」には、1/1000で作成された東京の都市模型が設置されており、8月22日の公開では一部の映像設備のみであったが、さらに約30台の高精細プロジェクターを備え付けることで、さまざまなプロジェクションマッピングの投影ができるようになった。壁面は大型スクリーンになっており、多くの情報を映し出すことが可能だ。これにより、多種多様な視点を都市模型の上に置くことができ、東京のこれからを議論するツールとして期待されている。
森ビル独自の手法で作り上げた1/1000スケールの都市模型「東京」は、縦15m、横24mの巨大なもので、北は池袋付近から南は羽田空港付近までを網羅しており、都心13区(面積約230km 2 )を再現している。この模型は1998年に製作されているが、移り変わる都市と同様、再開発で建設された高層ビルやインフラなども半年に一度の頻度で更新されている。現在は2019年3月末の都内を再現したものになっているとのことだ(一部を除く)。
この大型の「東京」の隣には、同スケールの「ニューヨーク(マンハッタン)」「上海(浦東地区)」「港区」の都市模型も展示されており、各都市を比較することができる。マンハッタンは街区が碁盤の目のように整備されており、1990年後半から急速に発展した上海は圧倒的な高さの高層ビルが目に留まる。
発表会では、プロジェクションマッピングによる映像も紹介された。まず最初に東京という巨大国際都市の脈動とエネルギーを表現した「TOKYO CITY SYMPHONY」が披露された。朝昼夜の移り変わりから始まり、都市が息づいているような道路の表現。緑の光は自然を表わし、ビビットな色合いはポップカルチャーが集まる発信地であることを教えてくれる。最後は打ち上げ花火に合わせて、東京の未来を祝福する、次々と映像が切り替わる約4分間のウェルカムプログラムだ。
「TOKYO URBAN STUDIES」は都市模型をキャンバスとして活用し、プロジェクションマッピングによって、さまざまな角度から東京を考えるためのプログラムだ。「東京の交通網」「東京の地形」「東京湾の海岸線の変化」「オリンピック施設 2020」「東京の緑」などが用意されており、東京を知るうえで直観的に理解できるようになっている。
森ビルでは今後、この都市模型とプロジェクションマッピングを使い、地権者、行政担当者、テナント企業、有識者の方たちと東京の未来について議論を行なっていきたいと説明した。また、検討中ではあるが、森ビルが次の世代を担う子供たちに都市を学んでもらうために行なっている「ヒルズ街育プロジェクト」でも、こちらを学びの場として使っていきたいとしている。