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「17END」での撮り方をチャーリィ古庄氏がレクチャー。ジェットスター、関空~宮古・下地島線就航でフォトセミナー開催
2019年7月8日 10:51
- 2019年7月3日~4日 開催
ジェットスター・ジャパンは、7月3日に関西国際空港~宮古・下地島空港線の運航を開始した。同社は3月30日に成田国際空港~下地島線を就航しており、国内では2路線目の下地島線となる(関連記事「ジェットスター、関空~宮古・下地島線を就航。17番スポットから17ENDヘ!」)。
この関空~下地島線の初便に合わせ、下地島空港周辺で「ジェットスター・下地島アイランド・フォトセミナー」を7月3日から4日にわたり開催。搭乗した航空会社の数は200社以上、訪れた空港の数は約500か所という航空写真家のチャーリィ古庄氏を講師に迎え、下地島と航空写真の素晴らしさを参加者に伝えた。
セミナーでは宮古ブルー、下地島ブルーと呼ばれる美しい海の青をバックに離着陸するジェットスター・ジャパンの機体「エアバス A320型機」を撮影することがメインテーマ。技術を学んだあとは、すぐに「17END(17エンド:下地島空港の滑走路北側)」と呼ばれる航空ファンの聖地&絶景ポイントへ移動し撮影。講座で得た知識をすぐにその場で試すことができるのだ。今回は女性限定で募集。北海道から沖縄まで20代から50代の17名が参加した。
チャーリィ古庄氏は「今回の講座では、初心者向けに撮影の基礎から航空写真の魅力までたっぷりお伝えしたいと考えています。1枚を撮るまでの苦労と、納得のいく1枚が撮れたときの喜びを体感してほしいですね。航空写真を撮る女性は“空美ちゃん”と呼ばれていますが、近年人口が増えてきており浸透・発展してきているのを実感しています。今後伸びが見込めるジャンルだと思います。なお、貸し出し機材はキヤノンのEOS 9000D、レンズは広角と初心者でも扱いやすく、しっかり撮れる機材を用意しました」と話してくれた。
宮古・下地島空港
セミナーは「17ENDの撮影」からスタート。冒頭で美しい17ENDと機体の作品を披露。「天気が晴れで南風」「雲が抜け光が出て青空」「水平視程で遠くまで見える」と、写真が撮れる条件を提示。関連して「RWY17の場所・太陽の動き方」では、滑走路の番号・向きが分かると太陽の動きが把握でき、17ENDで機体を撮る場合は午前中は光線が順光側、午後は逆光となることを説明。順光だと「ジェットスターのシルバーボディに海のエメラルドグリーンが反射した1枚が撮影できる」とした。
続いて、17ENDの撮影ポイントを4か所に分け、どのような1枚が撮れるのかを作例で紹介。撮影ポイントでは飛行機の速度が約200km/hはあるので、かなりあっという間に通りすぎる。そのため連写モード、または望遠モードでズーミング(ワイド側にレンズを引き)何枚か撮影するなどの確実な方法を伝授した。
「テスト撮影、イメージトレーニング、ズーミング、カメラの振り方」では、今回は1発勝負なので、ミスを減らすために作品のイメージをしっかり持つことが大事とも。シャッタースピードは1250分の1でシャッター優先、光は1600、そうすると手振れもなくしっかり撮れる。また水平を意識することも重要とのこと。斜めに飛行機が来るため、機体ばかりを見ていると地面が斜めに写ってしまい失敗のもととなる。なお、カメラの振り方は、肩幅程度に足を開き腰から上を水平を意識しながら回すとよいとのことだ。PLフィルターの利用も推奨。水の反射が映るためイメージ通りの写真を撮るための手助けをしてくれるとした。
講義では航空写真の魅力も紹介。イメージどおりの撮影が難しいからこそ、撮れたときの喜びが大きいと説明。先ほどの作例も3日かかっているとし、なぜ時間が必要なのかの例として、8時台と10時台でのできあがりの違いを見せ、機体への光の当たり方が異なることなども解説。撮りたい1枚が、撮影場所を訪れただけでは撮れるとは限らないとした。天気も予報が晴れであっても、撮影に適した天気ではない場合も多く、何度も現地を訪れ、待ち、挑戦、失敗を繰り返して納得の1枚へ近づくとのことだ。
なお、撮影時のお助けアイテムとして、手持ちの無線機でパイロットと管制官の通信を聞いたり、どこにいるのか、どのくらいで来るのかが分かる各種アプリを活用したりすることを提案。初心者向けに補助的に「Flightradar24」や「空見さん」をインストールしておくこともオススメとした。
セミナーを経て、小雨がぱらつくなか、ジェットスター・ジャパンのGK323便を撮影するためにいよいよ17ENDへ出発。周辺は3月23日より安全確保のため車両通行止めとなっており、徒歩でポイントへ。以前、筆者もクルマで行ったことがあるが、新たに通行止めになったことで、潮風と青い海を眺めながらお散歩気分で歩けるようになり、逆に充実した時間に。「世界一映える徐行」とも呼ばれる標識と記念撮影したりも。また、干潮時間のみの白い砂浜も出現。徒歩だからこその楽しみ方をいろいろ発見できた。
無線やアプリを確認し、飛行機が今いる場所を把握。到着まではカメラの設定やイメージトレーニングで、本番に備える。チャーリィ古庄氏は参加者のカメラの露出、シャッタースピードを調整。構図のアドバイスなどを行ない、現場での質問に次々答えていく。そして、GK323便のライトが遠くから見えてくると、全員がカメラを構えスタンバイ。最初はゆっくりに見えた機体も真上を通るのはあっという間。17ENDでは参加者たちが撮影した写真を互いに見せ合い盛り上がる場面もあった。
撮影後はランチタイムに。下地島空港のチェックインカウンター横のカフェ「coral port Grab & Go」の「友利さんのカツオなまり節&海ぶどう(サンドウィッチ)」(800円)と「さんぴん茶ラテ」(480円)を味わった。なお、おすすめデザートは空港オリジナル「ソフトクリーム(宮古島産 ハイビスカス あかばなぁ)」(580円)とのこと。
ランチを終え、最後は講評会。17ENDで撮影したベストな1枚を全員が提出し評価を行なった。撮影者の意図も発表。同じ場所、時間にいながらもまったく全員が異なる作品を生み出していたのが素晴らしかった。参加者は「雨天のため、あえて雲と機体にフォーカスしてみた」や「定番の1枚に挑戦」「天候がベストではないからこそ、簡単には撮れないと身をもって知れた。次回必ず再訪します」「初めて一眼に触れ、のぞいた世界はキラキラしていてスマホとは別次元だった。これを機に一眼を手に入れて撮影したい」などとコメント。初めての17ENDでの撮影や次回への抱負、一眼撮影の魅力を知ることができ大満足の様子だった。
なお、前日夜には夜のロマンティックな雰囲気のラウンジ棟を特別に利用して交流会も実施。夜の「みやこ下地島空港ターミナル」のラウンジはこの日が初お披露目、ライトアップされた水盤の美しさに参加者は酔いしれ、しきりにシャッターを切っていた。
本企画に関して、ジェットスターグループ マーケティング&PR本部 コンシューマーPRマネージャーの髙橋里予氏は「下地島は航空系写真など撮影される方に楽しんでいただける場所です。撮影はしたいけれど、行ったことがないと話を聞く機会もありましたが、新規就航を機にジェットスターをお使いいただき、実際に撮影してきたという話を就航後多く聞くようになりました。そこから7月3日の関空~宮古・下地島線就航のタイミングで、現在唯一旅客機を下地島空港に飛ばしている弊社だからこそできることはないかと考え、今回の企画が始まりました」と話してくれた。
そして「2日間開催し、初めて17ENDで撮影した参加者もいらっしゃいましたし、悪天候のなか、とても楽しんでいただけたようでうれしく思います。また、同様のイベントを企画したいですね。次回訪れる予定のある参加者もいましたので、同じように観光目的でも何度も何度も訪れていただけるような場所に、そして新規利用者とともにリピーターにも喜んでいただける路線に成長させていきます」とプログラムの手応えとともに新規路線への意気込みも語ってくれた。