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「マレーシアの歴史と文化が集約された街」セランゴールが観光セミナー。インスタ映え必至の「スカイミラー」「ブルーモスク」を紹介

2019年6月24日 開催

マレーシア・セランゴール州政府観光局が観光セミナーを開催した

 マレーシア・セランゴール州政府観光局は6月24日、日本の旅行会社向けに都内で観光セミナーを開催した。

 セランゴール州政府観光局は2018年から日本でのプロモーション活動を本格化させており、同年に日本語公式Facebookを開設。2019年に日本語の情報サイトを開設し、SNSと関連付けたプロモーションを開始している。セミナーの開催は昨年に続いて2回目となる。

セランゴールは「マレーシアの歴史と文化が集約された街」

セランゴール州観光文化大臣 アブドゥル・ラシド氏

 セミナー開催にあたり、セランゴール州観光文化大臣 アブドゥル・ラシド氏があいさつした。

 クアラルンプール国際空港を擁するセランゴールはマレーシアの中心の位置する州で、人口・GDPの両面でマレーシア最大の州となる。「マレーシアの歴史と文化が集約された街」として知られ、「自然を愛する旅行者にとって理想的なすばらしい景色がある」と紹介。

 世界の観光トレンドが「エコツーリズム」「自然環境遺産」「教育ツーリズム」などに関心が集まり、日本人旅行者にも文化的要素に加え、アドベンチャーや体験型の休日を楽しむ傾向があることから、これらの要素で観光商品のさらなる強化を図ることが、セランゴール州の最大の関心事だと述べた。

 2018年にはマレーシア国内外からセランゴールに約730万人の観光客が訪れたが、そのうち外国からの旅行者は約320万人。日本人は約18万人だったそうで、これを2019年は3~5%伸ばしたいと意欲を見せた。

マレーシアはすべての飲食店が禁煙。パスポートの有効期限や復路の航空券に注意

 続いてマレーシア、セランゴール、エアラインについて、各担当者からのプレゼンテーションがあった。マレーシアはマレー系6割、中華系3割、インド系1割の多民族国家。国教はイスラム教だが、信者ではない外国人旅行者は飲食に制限はなく、街中で酒類を購入できる(法律で21歳以上でないと飲酒できない)。また、マレーシア国内のすべての飲食店において、1月1日から電子・液体タバコも含めて全面禁煙になっている(関連記事「マレーシア、すべての飲食店が禁煙に。電子タバコも対象」)。

 マレーシアへの旅行で注意したいのが入国条件。パスポートの有効期限が6か月以上あることと、帰国便の航空券を所持していることが、日本人旅行者の入国条件になる(90日以内の滞在は無査証)。残り6か月を切っていたり、帰国の航空券がなかったりする場合、入国できない。

 観光シーズンとしては、マレー半島の西海岸と東海岸、東マレーシア(ボルネオ島)で分けられる。西海岸は3月から9月までが「モンスーンシーズン」と呼ばれ、30分から1時間ぐらいスコールが降るが、降り続けるわけではなく、海は1年中遊泳可能。東海岸のモンスーンシーズンは10月から2月までで、この期間は海が荒れるため遊泳禁止となっている。東マレーシアは1年中遊泳可能だ。

マレーシアはマレー系6割、中華系3割、インド系1割の多民族国家
パスポートの有効期限が6か月以上あることと、帰国便の航空券を所持していることが、日本人旅行者の入国条件
西海岸は3月から9月までが「モンスーンシーズン」と呼ばれ、30分から1時間ぐらいスコールが降るが、降り続けるわけではなく、海は1年中遊泳可能。東海岸のモンスーンシーズンは10月から2月までで、この期間は海が荒れるため遊泳禁止となっている。東マレーシアは1年中遊泳可能

 クアラルンプール国際空港はANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)、マレーシア航空などいわゆるフルサービスキャリアが利用する「メインターミナル(KLIA)」と、エアアジアなどLCCが利用する「第2ターミナル(KLIA2)」に分けられる。それぞれにメインビルとサテライトビルから構成されていて、各ターミナルの制限エリア間を移動することはできない。そのため、ターミナル移動を伴う乗り継ぎの場合、3時間以上確保しておくことが推奨される。

 空港から市内へのアクセスは、KLセントラル駅まで運行する空港特急「KLIAエクスプレス」が便利。直通運行の「KLIAエクスプレス」でKLセントラル駅までの所要時間は28分(第2ターミナルからは33分)、途中駅への停車がある「KLIAトランジット」で33分(同じく38分)となっている。料金は大人55リンギット、子供25リンギット(大人約1430円、子供約650円、1リンギット=約26円換算)。送迎バスやタクシーを使用すると、市内まで約1時間かかるとのこと。

クアラルンプール国際空港はANA(全日本空輸)、JAL(日本航空)、マレーシア航空などいわゆるフルサービスキャリアが利用する「メインターミナル(KLIA)」と、エアアジアなどLCCが利用する「第2ターミナル(KLIA2)」に分けられる。ターミナル移動を伴う乗り継ぎの場合、3時間以上確保しておくことが推奨される
空港から市内へのアクセスは、直通運行の「KLIAエクスプレス」でKLセントラル駅までの所要時間は28分(第2ターミナルからは33分)
処方薬のマレーシアへの持ち込みには注意が必要
クアラルンプール国際空港では24時間両替が可能
オランウータンやパンダを見学できたり、さまざまなアクティビティを楽しむことができる

交通インフラが充実、観光スポットが集まるセランゴール

 セランゴールはマレーシアの中心に位置し、面積は約7956km 2 、人口は約614万人。2018年のセランゴールへの旅行者総数は約723万人で、そのうち海外からの旅行者は約321万人。日本人旅行者は約18万人で、中国、シンガポール、インドネシアに続く4位となっている。

セランゴールはマレーシアの中心に位置している
2018年の日本人旅行者は約18万人で、中国、シンガポール、インドネシアに続く4位

 セランゴールはアクセスがよく、国際空港のクララルンプールと、国内/近隣諸国との国際空港のスバンがある。公共交通機関も電車やバスが整備されていて、「SMART SELANGOR BUS」「PJ CITY BUS」は無料で利用できる。セランゴールは首都のクアラルンプールやプトラジャヤにも近く、効率よく観光スポットを周遊することが可能。インフラが整っているためセランゴールには企業が多く集まり、MICE(Meeting、Incentive、Conference/Convention、Exhibition/Event)施設も多く、ビジネス用途にも適している。

セランゴールは交通インフラが充実し、MICE施設も多い

 そしてブルーモスクやバツー洞窟などの有名観光スポットは、セランゴールに集まっている。特に近年フォトジェニックなスポットとして人気を集めているのが、「マレーシアのウユニ塩湖」ともいわれる「スカイミラー」。サッカー場数百個分という広大な敷地に張った水がまるで鏡のように反射し、「映える写真」を撮ることができる。そのほかにマレーシアの文化や歴史を感じられる街「クラン」や、エコツーリズムスポットとして人気のカンポンクアンタンの「蛍公園」など、魅力的なスポットが多数あり、いずれも日帰り移動が可能な位置にある。プレゼンテーションではブルーモスク、クラン、スカイミラーなどを組み合わせたオススメツアー例も紹介された。もちろんリゾートやゴルフを楽しんだり、伝統あるマレー文化に触れるカンポン体験などを旅程に入れることもできる。

ブルーモスクやバツー洞窟などの有名観光スポットは、セランゴールに集まっている。特に近年フォトジェニックなスポットとして人気を集めているのが、「マレーシアのウユニ塩湖」ともいわれる「スカイミラー」
ブルーモスク、クラン、スカイミラーなどを組み合わせたオススメツアー例も紹介された

11年連続SKYTRAXのLCC部門を受賞しているエアアジア

 マレーシアを拠点にするLCC(格安航空会社)の「エアアジア」は、同社のネットワークや使用機材について説明した。エアアジアグループではエアバス A320型機を212機、A330型機を31機(4月現在)保有し、25か国・140以上の都市へ就航。航空産業の格付け会社である英国SKYTRAX(スカイトラックス)のワールド・エアライン・アワードにおいて、2019年まで11年連続「World's Best Low-Cost Airlines」を受賞している。

 エアアジアグループでは、短・中距離(4時間未満)を「エアアジア」ブランド、長距離(4時間以上)を「エアアジアX」ブランドとして展開。長距離路線に使用している同社のエアバス A330型機には、シートピッチが59インチ(約149cm)、幅が19インチ(約48cm)の「プレミアムフラットベッド」を12席用意している。

LCCの基本情報。高い稼働率などで低料金を実現している
エアアジアグループでは、短・中距離(4時間未満)を「エアアジア」ブランド、長距離(4時間以上)を「エアアジアX」ブランドとして展開。長距離路線に使用している同社のエアバス A330型機には、シートピッチが59インチ(約149cm)、幅が19インチ(約48cm)の「プレミアムフラットベッド」を12席用意している