ニュース

阪神高速、G20会期中のマイカー利用自粛を呼びかけ。幸社長「サミットの成功に貢献していきたい」

8月に泉大津PAでカプセルホテル開業

2019年4月23日 実施

阪神高速道路株式会社 代表取締役社長 幸和範氏

 阪神高速道路は4月23日、本社で定例会見を実施した。登壇は代表取締役社長の幸和範氏。

 すでに別の記事でも報じているが、6月28日と29日にインテックス大阪(大阪府大阪市住之江区)で「G20(20か国地域首脳会議)」が開催されるのに伴い、大阪府警はその前後1日を含む6月27日から30日にかけて、府内で大規模な交通規制を実施する(関連記事「大阪府警、G20会期中の交通規制を発表。府内の道路、関空周辺などで大規模な通行止め」)。

 その規制エリアの多くが同社管轄ということもあり、幸氏から改めて交通規制予定が説明されるとともに、期間中のマイカー利用の自粛が呼びかけられた。なお、規制範囲は全長で約163km、出入り口は111か所が該当する。平日の通行台数に直すと45万台(2018年実績)に影響が出る見込みだという。

 規制中の営業への影響は「数億円規模の減収」というが、幸氏は「サミットの成功に貢献していきたい。関西の企業としては全面的に協力すべきと考えている」とコメントしている。

6月27日~30日は早朝から深夜まで大規模な規制を実施

 新しい取り組みとして紹介したのは、「阪神高速サイバーインフラマネジメントシステム(Hi-CMS:Hanshin expressway infrastructure-Cyber Management System)」で、サイバー空間上に阪神高速道路の道路全線のほか、施設、環境、車両交通、エネルギーなどをそっくり再現し(デジタルツイン)、構造物の老朽化シミュレーションや地震被害シミュレーション、交通流シミュレーションを行なうことで、構造物の損傷予測、地震被災時の被害想定、緊急輸送のルート作りなどに活かすという。

 同社の総延長約260kmについて、橋梁の構造などを含む全線がモデル化されており、幸氏は「ここまでのものは世界的にも例がないのでは」と説明する。

 なお、サイバー空間のデータは、ドクターパト(路面点検車)やケーブル点検ロボット、RT3-Curve(連続すべり抵抗測定車)などが収集したデータを同社の地理空間情報サーバー「COSMOS(New Communication Systems for road Maintenance and Operations)」に集積して作っているという。

Hi-CMSを維持管理などに活用していく
震災時の橋の揺れを再現した映像
阪神高速道路のHi-CMS

 続いて紹介したのは、4号湾岸線 泉大津PA(パーキングエリア)で8月に開業予定のカプセルホテル「HOSTEL O2(ホステロツー)」。阪神高速で初めての宿泊施設であり、全国でもPAのカプセルホテルは初。ホステロツーという名称は「HOSTEL」と「O2」を組み合わせたもので、O2は泉大津(オーツ)と酸素(オーツー)をかけている。実際、施設内には酸素カプセルを設置する。

 幸氏の説明によると、泉大津PAは以前からほかより大型車の通行が多いという。大型車は連続運転4時間ごとに30分以上の休憩を取ることが義務づけられており、勤務終了後に連続8時間以上の休息が必須になっているなど、運転/休憩/休息に細かな制限が設けられている。PAでのカプセルホテル開業は、「安全・安心・快適を最大化する」ために決めたとのことだ。

 カプセルホテルは泉大津PA 11階の展望施設を改修して作っているとのことだが、完成後も展望施設は24時間無料で利用できる。

 個室数は112室(男性用92室、女性用20室)で、料金は1泊3700円~4100円、仮眠プランは3時間2700円~。シャワーのみの利用も可能で1200円、酸素カプセルは2000円となっている。

泉大津PAにカプセルホテルを開業する

【お詫びと訂正】初出時、G20会期中の規制範囲の出入り口数に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。