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ピーチ、井上社長が8年の歩みを振り返る。エアバス A321LRの中距離国際線は東南アジアへの就航を検討
2019年4月19日 13:05
- 2019年4月18日 実施
ピーチ(Peach Aviation)は4月18日、報道向けの説明会を開き、代表取締役CEOの井上慎一氏が2011年の会社設立から現在までを振り返った。
同社は2011年2月10日にA&F Aviationとして設立、5月24日にブランド名「Peach」を発表するとともに社名を変更。7月7日に国土交通省 航空局から航空運送事業の認可を取得し、翌2012年3月1日の関空(大阪)~新千歳(札幌)線と関空(大阪)~福岡線から本格的に事業をスタートしている。
同年5月8日には早くも国際線(関空~仁川線)を開設しており、「空飛ぶ電車」や「気軽すぎる旅」をキーワードに路線網の拡大を図ってきた。その結果、2017年には累計旅客数2000万人を突破しており、国際線だけでも累計搭乗者数が1000万人を突破している。
本誌でも何度か報じているとおり、2019年度内にはバニラエアとの統合を控えており、従来の関空、那覇(沖縄)、仙台、新千歳に加えて、10月27日から成田を拠点化することで、「統合による事業規模のジャンプアップを図る」という(関連記事「ANAグループのLCC、ピーチとバニラエアの統合発表会見。ブランドはピーチを継承」)。
また、2020年度にはエアバス A321LR型機を2機投入、中距離国際線への参入を行なう(関連記事「【ファンボロー航空ショー 2018】ピーチ、エアバスと共同会見。中距離事業向けにエアバス A321LRを2機購入」)。
この統合と中距離路線進出により、2022年度までに「保有機材50機以上、売り上げ1500億円以上」を目指すと説明した。
執行役員 経営企画室長の遠藤哲氏は、中距離路線について、日本発だけでなくインバウンドとアウトバウンドの双方向で需要を見込める必要があるとして、日本からA321LRの届く範囲でシンガポールやマレーシア、タイ、ベトナムなどが候補になっていると例を挙げつつ、まだ検討中であると語る。
執行役員 事業戦略室長 営業統括本部長の轟木一博氏は、LCCが当たり前の存在になることで通勤や通学、週末ごとの帰省などに使われるようになったと実例を挙げ、「同じ往復時間でも電車なら普通なのに飛行機は特別扱いされてきた。その壁をなくしたい」という。また、世界的に見るとLCCのビジネスは非航空券収入が高くなりつつあるが、ピーチはまだ10%未満であるとして、旅行前の計画と予約、旅ナカの交通手段やアクティビティ予約、旅行後の体験の拡散など、航空券販売以外の領域へ事業を拡大していくことで、「旅行全体をサポートする存在」に転換していくと説明した。