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成田国際空港、TOTOがプロデュースするIoTを活用したトイレ「experience TOTO」をオープン
“最先端のおもてなしトイレ空間”のプレス内覧会を開催
2019年4月4日 20:32
- 2019年4月3日 オープン
成田国際空港 第1ターミナルビル 南ウイング1階(到着ロビー)に、TOTOがプロデュースするIoTを活用した“最先端のおもてなしトイレ空間”「experience TOTO(エクスペリエンス・トートー)」が、4月3日にオープンした。
「experience TOTO」は、TOTOと成田国際空港のコラボレーションで、入国最初のトイレで温水洗浄便座「ウォシュレット」に代表される“日本のきれいなトイレ文化”を訪日外国人に体験させることが目的で、TOTOの最新のパブリックトイレ商品群と建材の採用や、30年前から取り組んできたパブリックトイレの提案活動の知見が、設備配置などのプランニングに織り込まれている。
NTT東日本・バカン・TOTOの共同企画により、トイレブースの使用状況および行列状況をトイレ入口の液晶パネルにリアルタイムに表示することでトイレ使用の利便性向上を図るとともに、「experience TOTO」専用の「タブレットリモコン」を試験導入。5言語対応による使用方法の説明に加え「ウォシュレット」体験を誘引する動画を流し、入国最初のトイレで訪日外国人に「ウォシュレット」の体験を促す。
また、KDDI・TOTOの共同企画で「experience TOTO」に設置したトイレ器具の使用状況をモニタリング、メンテナンスに有効な情報を見える化し、パブリックトイレの維持・管理の効率化に貢献するサービスの試験導入もされる。
「experience TOTO」概要
開設場所:成田国際空港 第1ターミナルビル 南ウイング1階(国際線到着ロビー)
規模(約150㎡):
多機能トイレ 2室/授乳室 1室
女性=個室7室、洗面5台、スタイリングコーナー
男性=個室4室、小便器5台、洗面5台、スタイリングコーナー
主な設置器具:
大便器=壁掛大便器セット・フラッシュタンク式/便座=ウォシュレットアプリコットP
小便器=マイクロ波センサー壁掛小便器セット(LEDターゲットマークあり)
洗面=ツインデッキカウンター(ボウル一体タイプ)+クリーンドライ
多機能トイレ=フラットカウンター多機能トイレパック
壁材=ハイドロソリッド/小便器下床材=ハイドロセラ・フロアPU
日本のトイレ文化を訪日客に体験してもらい、世界中にTOTOファンを増やす
この「experience TOTO」について4月3日のオープン直前にプレス向け内覧会が開催された。
プレス向け内覧会に先立って行われた概要説明で、「experience TOTO」の開設の狙いについて語ったTOTO 副社長の森村望氏は「創立100周年を迎え、次の100年に向けた中期経営計画“TOTO WILL2022”で、世界中にTOTOファンを増やしていくというスローガンを掲げ、世界各地の拠点でさまざまな取り組みを行なっています。日本においてはTOTOが創り出した日本のトイレ文化を世界に発信、日本を世界のショールームにと目指す姿を掲げて、ものづくり、ことづくりの両面でパブリックトイレの充実に取り組んでいます。
日本を訪れる海外の方々の数は2018年に3000万人を超えました。訪日客の増加は、TOTOにとっては絶好の機会と思っています。パブリックトイレの充実の一環として、成田空港とのコラボレーションのもとexperience TOTOを設置させていただくこととなりました。ウォシュレットは実際にご利用いただき、その価値をご理解いただける商品ですので、入国後に最初のトイレとなるexperience TOTOには、日本の綺麗なトイレ文化、とりわけウォシュレットを訪日客の皆さまにご体験いただくことを大きな目的としています。
成田空港とのコラボレーションは2回目であり、2015年に第2ターミナルの出国エリアに“GALLERY TOTO”というトイレを設置し、海外の皆さまからも大変なご好評をいただいています。
今回のexperience TOTOは、訪日客の皆さんに日本のトイレ文化とウォシュレットをご体験いただくために3つの取り組みをしています。まず、experience TOTOに興味を持っていただくために、通路に面したファサードに大型液晶パネル4枚を設置して、水やウォシュレットをテーマにした動画を流します。また、トイレの個室にはウォシュレットのタブレットリモコンを試験導入しています。タブレット化によって多言語対応や(各言語での)使い方ガイドの表示が可能になり、便座に座ったタイミングではウォシュレットを試してみようかと思っていただけるような動画も流します。さらに、スペースの広い多機能トイレでは多言語対応の音声ガイドも試験導入し、多機能トイレに不慣れな訪日客の皆さまに、安心してご利用いただけるように音声ガイドでサポートいたします」と、experience TOTOの設置目的や概要について話した。
また「従来より需要家の満足を最優先とした、さまざまな可能性を模索しており、日本のトイレ文化を、さらに進化させるためにIoTの活用にも取り組んでいます。1つはドアセンサーと行列センサーによる、混雑状況のリアルタイム表示で、NTT東日本と、スタートアップ企業のバカンとの共同事業です。2つ目は施設を管理する方々や実際に清掃される方々の利便性向上を目指したIoT対応のトイレ器具、具体的にはウォシュレットや小便器、手洗いの蛇口などのモニタリングの試験導入で、こちらはKDDIとの共同企画です」とセンサーデータを基にした、パブリックトイレの維持・管理の効率化サービスの試験導入についてもコメント。
さらに「近年、スペースの広い多機能トイレに利用が集中する傾向があり、車いすをご利用の方が使いたいときに、すぐ使えないという状況が起こっています。このような困りごとを少しでも解消するために、建築家専門セミナーやカタログでも提案している“機能分散”のプランニングを、experience TOTOでは車いす利用者優先トイレの設置、それとは別の多機能トイレのそれぞれを入口に設置し実現しています」と、experience TOTOのプランニングについても解説していた。
日本のトイレ文化を進化させるためにIoTを活用
TOTO 森村副社長に続いて、experience TOTOの特徴について解説したTOTO 特販本部 副本部長 谷口毅氏は「experience TOTOは訪日客が入国して最初のトイレという絶好のロケーションですので、多くの方にご興味をお持ちいただきご利用いただければと考え、トイレの外壁・ファサードに4枚の大型液晶パネルを設置して“水”をテーマにした映像2種および“ウォシュレット”をテーマにした映像1種を投影して、experience TOTOに誘引します」と、訪日客に目を向けさせるための取り組みについてコメント。
また「男女トイレのウォシュレットには、experience TOTO専用のタブレットリモコンを試験導入しています。NTT東日本とバカンとの共同事業で、リモコンをタブレットにすることでボタン式のリモコンでは困難だった多言語の対応を可能にしています。今回は日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語、韓国語の5言語に対応しています。
多機能トイレの音声ガイドは日本語、英語、中国語、韓国語の4言語に対応しています。(入室するとセンサーが検知し各言語の音声ガイドが流れるので)利用者が英語での音声ガイドを選択したい場合は“イングリッシュ”と話しかけていただければ(音声認識で)英語が選択され、その後は英語での音声ガイドになります」と、個室のタブレットリモコンと、多機能トイレの音声ガイドについて解説した。
さらに「NTT東日本とバカンとの共同事業で、experience TOTOにはIoTに対応したドアセンサーと天井に待ち行列センサーを設置して、クラウドを介してexperience TOTO入口の液晶画面に、各個室の使用状況、待ち人数の行列状態、トイレ全体の混雑状況をリアルタイムに表示します。
また、KDDIとの共同企画で、IoTに対応したトイレ器具の導入によるモニタリングを行ないます。IoTに対応することでウォシュレットを使った回数や時間、消耗品の残量などの情報収集や、ウォシュレットの温度などの設定を管理室から遠隔で操作することも可能になります。experience TOTOでは、利用者が安心して使える綺麗なトイレを効率的に維持管理するための、さまざまな可能性を模索していきます」と、IoTの活用についても語っていた。