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JAL、「新JAPAN PROJECT 岩手」発表。ファーストクラス機内食を試食した達増知事「岩手県の総合力を感じます」

2019年3月29日 発表

JALの地域振興プロジェクト「新JAPAN PROJECT 岩手」を実施

 JAL(日本航空)と岩手県は3月29日、岩手県をPRする「新JAPAN PROJECT 岩手」 の共同記者会見を開いた。

 JALは自治体などと協力して地域振興に寄与するコラボレーション企画「JAPAN PROJECT」を2011年5月から始めており、2015年9月には観光振興と農水産物をテーマとした「JAL 新・JAPAN PROJECT」へリニューアル。2017年4月以降は「地域紹介シリーズ」として3か月間、そのエリアを集中して紹介するなど、日本各地の魅力を伝えてきた。

 この4月からは名称を「新JAPAN PROJECT」と改称し、より深く地域を紹介できるよう月単位でのプロモーション活動を行なうこととし、4月からは岩手県と連携。機内食、機内誌、機内ビデオなど、JALグループのさまざまなチャネルを通じて岩手県の魅力を大々的に発信し、観光需要の創出を図るとしている。

 共同記者会見には、岩手県知事の達増(たっそ)拓也氏と、JAL 副会長の大川順子氏が出席し、プロジェクトの概要を説明した。

岩手県をPRする「新JAPAN PROJECT 岩手」 の共同記者会見を開いた

今年は岩手県、三陸沿岸にとって大きな人の流れを生み出す1年になる

岩手県知事 達増拓也氏

 達増知事は、県内のいわて花巻空港からJALが国内定期便として札幌、大阪、福岡の3都市にデイリーで8往復運航していることを紹介し、同社に対して感謝を述べたあと、「東日本大震災より8年が経過し、これまで岩手県では被災者一人一人に寄り添った支援を行ないながら1日も早い復興に取り組んでまいりました。

 先日、開通した三陸鉄道リアス線をはじめ、三陸防災復興プロジェクト2019、釜石でのラグビーワールドカップ2019開催など、今年は岩手県、三陸沿岸にとって大きな人の流れを生み出す1年になります。このプロジェクトにより、沿岸地域における交流人口の拡大や地場産業の振興の後押しを期待しています」と話し、今年のイベントや今回のプロジェクトを契機に国内外の人たちに岩手県を知ってもらい、足を運んでもらえるようにする取り組みであることを紹介した。

ラグビーワールドカップ関連で盛り上げていきたい

日本航空株式会社 副会長 大川順子氏

「新JAPAN PROJECT 岩手」の概要は、JALの大川副会長が説明した。岩手県は過去にも同プロジェクトにおいて2回特集されており、2013年は北三陸の自然や食について、2017年には花巻市や平泉町など、岩手県の伝統や文化を紹介している。

 今回は、「自然、伝統や文化、食や観光など、魅力的な要素が揃った岩手ですが、なんといっても今年は秋に行なわれる『ラグビーワールドカップ2019 日本大会』があります。釜石開催を前に、その周辺地域に焦点を当てて紹介していきます」と話し、2018年8月に竣工した釜石鵜住居復興スタジアムのオープニングイベントに出席している話も交えて、ラグビーワールドカップ関連で盛り上げていきたい旨を説明した。

JALの機内誌「SKYWARD」。同社が提供する座席数は月間約300万であり、多くの人に見てもらう機会がある

 具体的には、機内誌「SKYWARD」において岩手県を特集し、釜石市の魅力と復興の様子を紹介する。英語ページにおいては、湾や入り江に富んだリアス式海岸など、迫力あふれる海の景色を堪能できる「みちのく潮風トレイル」の魅力を取り上げている。

 また、元ラグビー選手である松尾雄治氏にインタビューし、釜石で開催する思いを読者に伝える。そのほか、機内で視聴できるビデオ番組「ニッポン 歩いて新発見!」にて旅人目線で釜石市の自然や食を紹介。国内線のファーストクラスでは、岩手県の旬の食材を使った夕食メニューも提供する。

誌面では秋に開催されるラグビーワールドカップ2019 日本大会についてや、釜石市周辺の見どころなどを紹介している

国内線ファーストクラスの機内食を達増知事が試食

ロレオール田野畑 オーナーシェフ 伊藤勝康氏

 国内線ファーストクラスで提供するディナーは、「ロレオール田野畑」のオーナーシェフである伊藤勝康氏の監修によるもので、豊かな三陸の海の幸、山の幸をふんだんに使った洋食メニューで3種類を用意する。

 伊藤シェフの説明では、メインディッシュは「南部福来豚」「岩手県産短角牛」「南部かしわ」を使用し、アペタイザーやデザートにも地場の食材を使ったものを提供。「ワカメの美味しい時期なので使っていますが、今年は収穫量が少なく、だいぶ高値になっています。値段にして3倍近く上がっているので、次回の入札ではそれ以上になると予想されています。なので、ワカメが食べたい人は早めに購入して保存されるのがよいかと思います」とアドバイスも。

 最後に「岩手県はまだまだ食材豊富なので、あと50回以上監修させていただいても大丈夫です。隠し玉はたくさんございますので(笑)」と会場の笑いを取りながら岩手県の食をアピールした。

 監修した機内食メニューは、羽田と新千歳(札幌)/伊丹/福岡/那覇(沖縄)間で運航する国内線ファーストクラスの夕食として提供する。羽田~新千歳/伊丹/福岡線は17時以降の出発便、羽田~那覇線は18時以降の出発便が対象となり、4月上旬(1日~10日)、中旬(11日~20日)、下旬(21日~30日)で内容は変化する。これは、なるべく往復で同じメニューにならないようにという配慮だ。

 会場では実際に達増知事が南部福来豚を使った羽田発便上旬のメニューを試食。伊藤シェフに話を聞きながら舌鼓を打っていた。感想を聞かれると「山から海まで、岩手県の総合力を感じますね」とコメントしていた。

羽田発便上旬(4月1日~10日)/羽田着便下旬(4月21日~30日)のメニュー

羽田発便上旬(4月1日~10日)/羽田着便下旬(4月21日~30日)のメニュー

アペタイザー:
・八幡平シャンピニョンムース
・岩手県産新巻鮭といくら
メイン:
・南部福来豚(ふくぶた)のハーブボイル
・クレソンと若布のサラダ 田野畑ヨーグルトソース
デザート:
・田野畑山ぶどうゼリーとすだれ小豆 よもぎ餅

羽田発便中旬(4月11日~20日)/羽田着便上旬(4月1日~10日)のメニュー

羽田発便中旬(4月11日~20日)/羽田着便上旬(4月1日~10日)のメニュー

アペタイザー:
・真鯛のヴァプール 若布のソース
・岩手県産寒締(かんじめ)ほうれん草のフラン
・イチゴ風味のパスタ 三陸産毛ガニとレッドアマランスのトッピング
メイン:
・南部かしわ銀雪ばっけ味噌焼き
・前沢牛コロッケ
デザート:
・田野畑コロコロラスク(田野畑ヨーグルト風味)

羽田発便下旬(4月21日~30日)/羽田着便中旬(4月11日~20日)のメニュー

羽田発便下旬(4月21日~30日)/羽田着便中旬(4月11日~20日)のメニュー

アペタイザー:
・三陸産水だこと若布のサラダ
・田野畑山地(やまち)酪農ストリングチーズとアスパラガス
・彩穀ミックス入り菊芋のムース
メイン:
・岩手県産短角牛のロースト
・若布とイサダのコロッケ
デザート:
・田野畑山地酪農牛乳のババロア 黒文字風味 山ぶどうゼリー

達増知事が南部福来豚を使った羽田発便上旬のメニューを試食