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日本旅行業協会、定例会見。ポルトガル政府観光局 日本事務所が再開。日本人旅行者は8年で倍増

韓国旅行需要喚起のキャンペーンも

2019年2月14日 実施

ポルトガル政府観光局 日本/韓国 観光局長 オットー・オリベイラ(Oto Oliveira)氏

 JATA(日本旅行業協会)は2月14日、定例記者会見を実施した。

 2011年3月に一度閉鎖したポルトガル政府観光局 日本事務所が再開し、日本と韓国の観光局長を務めるオットー・オリベイラ(Oto Oliveira)氏が現状を説明。

 ポルトガル政府観光局は在日ポルトガル大使館内に設置し、人員はオリベイラ氏含めて2名。前回の観光局閉鎖時に年間の日本人渡航者は6万人程度だったが、8年経った現在は倍増しており、2018年11月時点で11万9961人。数字は出ていないが、2018年の暦年では2017年の13万4248人を超えるだろうという。

 その背景には日本からアクセスのよいヨーロッパ主要都市にエミレーツ航空やルフトハンザ ドイツ航空などがキャパシティの大きい機材を飛ばすようになったことを挙げ、直行便こそないものの、夏には日本の航空会社がチャーター便を運航した実績があるなど、渡航手段の改善が追い風になっていることを説明した。

 また、16世紀にポルトガルから宣教師が日本を訪れ、そこからキリスト教が広まったことは誰もが歴史の授業で習うことだが、この事実はポルトガルでもよく知られているそうで、両国間には歴史的に深い関わりがある。また、鰯を焼いて食べる「サルディーニャ」や海産物の「おじや」など、日本人の口に合う食事が多いことなどがSNSで拡散しており、若い層にポルトガルの認知が進んでいるという。

 2019年は昨対比で+5%の日本人渡航者増を見込んでおり、旅行業者・消費者向けにそれぞれプロモーションを展開する予定。日本人旅行者の特徴としてはリスボンやポルトなどで歴史や世界遺産に触れるだけでなく、山間の村に花を見るために訪れる人も多いとのこと。

日本人旅行者は2011年と比べて倍増
年間通じて渡航者数に大きな変動がない
World Travel Awardsでさまざまな賞を受賞
2年前から国を挙げて若者向けに観光業の教育を行なう取り組み「Tourism Traininng Talent」を実施している

 JATAのアウトバウンド促進協議会・東アジア部会は、2019年度の旅行商品化を目標にキャンペーン「韓国絶品グルメ30選」を展開する。

 日本から韓国への年間渡航者数は、2012年の350万人超をピークに、北朝鮮のミサイル問題や両国間の外交関係悪化などを背景に減少しており、東アジア部会では韓国料理をテーマに旅行需要を喚起していく。

 説明にはアウトバウンド促進協議会・東アジア部会長であり、ジャルパック 代表取締役社長の江利川宗光氏があたり、部会に登録している旅行会社、航空会社、KTO(韓国観光公社)などから企画素材を募集、80点集まったなかから30点にまで絞り込み、韓国全エリアの地域と紐付ける形で名物料理をリストアップした。

 江利川氏はキャンペーンの展開に当たって「こだわりが4点ある」として、「本場の味を届ける」「まだ知られていない韓国料理を紹介する」「旬の味を届ける」「料理とともに地方都市の魅力を紹介する」とポイントを挙げた。日本でも一定の韓国料理は知られているが、耳慣れないものはまだ数多くあり、またソウルに集中しがちな旅行者に地方の魅力を紹介する意味でも、料理だけでなく歴史と伝統文化を知ってほしいという。

 今後、4月から5月にかけてJATA会員向けのセミナーを実施する予定で、会員企業のプランナーが韓国を訪問、試食する視察ツアーなどを検討している。

アウトバウンド促進協議会・東アジア部会長/株式会社ジャルパック 代表取締役社長 江利川宗光氏