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日本旅行業協会、EU加盟国がセミナー/ワークショップを行なうイベントを後援

2018年11月8日 実施

JATAが定例会見で「JATAの道プロジェクト」と「EUツーリズムイベント」について説明した

 JATA(日本旅行業協会)は11月8日、定例会見を開き「JATAの道プロジェクト」と「EUツーリズムイベント」について説明した。

「JATAの道プロジェクト」は2014年から実施している東北復興支援活動で、観光交流による地域経済の振興を目的に、JATA会員会社が実地調査などを行なうもの。具体的には、青森から福島までの太平洋岸で環境省が整備を進めている長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」にウォーキングルートを設定し、会員会社からの参加者がトレイル体験や周辺観光地の視察などを実施する。

 5回目になる2018年度は、10月26日~27日に宮古市北部~宮古市中部の岩手県ルートで実施。岩手の代表的な景勝地である浄土ヶ浜を中心に、真崎~江尻海岸と浄土ヶ浜展望台~潮吹穴でウォーキングを行なった。また、「みやこ浄土ヶ浜遊覧船」の乗船視察、山田町でイカ徳利や牡蠣の殻剥きなどの体験も実施した。

 今後の企画・商品造成に向けて参加者からは、二次交通手段の乏しさからFITでは難しいなどの声が上がったものの、受注型団体旅行での提案やMICEのオプショナルツアーなどを検討する声もあるという。

 なお、本プロジェクトは2020年(第7回)までの期限が設けられており、2019年度は気仙沼~南三陸町ルート(宮城県)、2020年度は多賀城~塩竃~東松島~石巻~女川町の仙台湾ルート(宮城県)を予定している。また、みちのく潮風トレイルは全長900kmのうち約7割という開通状況だが、本年度中に全線開通の見込みという。

JATAの道プロジェクトについて説明した一般社団法人日本旅行業協会 総務部 齋藤祐子氏

 続いて、12月4日に開催する「EUツーリズムイベント」について説明。「EU Media and Trade Tourism Workshop」とも題しており、観光セミナーと旅行業者向けワークショップを一度に実施するもの。会場は東京・南麻布の駐日欧州連合代表部(EU大使館)。EUに加盟している観光局が委員会を組織して主催し、JATAアウトバウンド促進協議会が後援する。2016年に初開催して、今回で3回目になる。

 参加国は、現時点でベルギー、クロアチア、チェコ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシア、ハンガリー、アイルランド、イタリア、リトアニア、ルクセンブルグ、オランダ、スロバキア、スペイン、スウェーデン、イギリスの18か国で、最終的には20か国くらいになると見込んでいる。

 フランス観光開発機構 在日代表のフレデリック・マゼンク氏は、「テロなどの被害を受けて、ヨーロッパが暗い時期があったのがきっかけ」と述べ、各国観光局が独自に視察ツアーなどを実施してきたが、「“ヨーロッパ”として活動していなかった。小さい国は大使館の規模も小さく、政府観光局がない場合もあり、そういう国でも観光プロモーションのためにメディアやオペレーターと接点を持つ必要がある。個別にではなく、『ヨーロッパとして動いている』というメッセージを出して、全体で誘客を強化したい」と、イベントの実施動機を説明した。初年度はメディア向けワークショップだけだったが、2年目からは旅行業者向けワークショップも開始。イベントは1日がかりの規模になった。

 前回までは特にテーマを設定していなかったが、テーマ性の強いパッケージ商品に人気が集まる昨今の市場傾向から、3年目の今回は12月実施ということもあって「クリスマス旅」をテーマに据えた。マゼンク氏は「ヨーロッパのどの国にもクリスマスにまつわる伝統があり、クリスマスはヨーロッパ人のなかで大きな存在。家族が集まる時期で、日本人にとってのお正月」として、「昨年EU大使館がヨーロッパのプロモーションにクリスマスを使っていた」ことも理由になったという。

フランス観光開発機構 在日代表 フレデリック・マゼンク氏