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JAL、福岡空港「空の日」イベントでボーイング 737-800型機と航空少年団や学生たちが綱引き

2016年10月8日 実施

 JAL(日本航空)は、「空の日」イベントの一環として、10月8日に福岡空港で、駐機場に停泊している航空機との綱引き大会を実施した。滑走路が稼働する前の、早朝の時間を利用し、普段立ち入ることのできない駐機場で巨大な航空機を引っ張るという、貴重な体験となったイベントの模様をレポートしていく。

夜明け前の駐機場へバスで移動

福岡空港は再整備事業により夜間工事が行なわれているが、規定により早朝4時には施工業者が現場からいなくなる

 この時期、日本各地の空港では「空の日」イベントが行なわれているが、福岡空港では10月8日に関連イベントが開催された。それにともないJALも独自のコンテンツを、ということで企画されたのが「飛行機との綱引き大会」だ。

 福岡空港では初となる綱引き企画に参加したのは、福岡の航空少年団と福岡女学院の学生の計39名。早朝から保護者や学校関係者とともに、JALの整備部門がある別棟に集合し、保安検査ののちバス移動。

 福岡空港国内線旅客ターミナルビルの北端にある別棟から、再整備事業のため閉館したばかりの国内線第1ターミナルビルがある南側の30番スポットまでは、バスで10分ほど。そして夜の明けない駐機場に降り立った参加者たちは、対決するボーイング 737-800型機(165席)と対面し、興奮気味。小型旅客機の部類とはいえ、間近で目の当たりにすると、その巨大さには圧倒される。

綱引きの相手となるボーイング 737-800型機は着陸灯を点灯し、対決の相手をお出迎え
30番スポットでは、すでに縄のセッティング済み
パーキングブレーキをリリースする役割として、整備士が1人コクピット内で待機
機首の下では電源ケーブルが抜けないように整備士が待機

まずは航空少年団との対決、そして福岡女学院の学生も加勢に加わる

 用意された50mの縄は、トーイングカーと機材の前脚をつなぐトーバーに固定されていた。そして、まずは航空少年団がチャレンジ。残念ながら機体を前進させることはできなかったが、続いて福岡女学院の学生が、その後ろにスタンバイ。再度、号令の掛け声で39名が縄を張らせる。すると、停止位置から少しずつ前進をはじめ、1mほど動かすことに成功した。

 福岡女学院は、JALとの業務包括提携を結び、エアライン業界希望者の人材育成にも力を注いでいるが、その学生にとっても、航空機を間近で見られたことは貴重な経験となったはずで、学生たちは一般に触れる機会のない機体を注意深く観察したり、記念撮影に興じたりしていた。

トーバーには型式の表記が入っている
最初に航空少年団のチャレンジ、だが結果は……
残念ながら動かず
福岡女学院の学生が加わってのセカンドチャレンジ、縄のきしみ音が聞こえてくるが……
まだスタート位置
前進させることに成功! 後方に置いてある車止めの位置関係から動いていることが分かる
JALのマークを灯すロゴライトは点灯中だったが消灯し、成田行き(JAL3052便)の出発準備に入る
間近での機体撮影に集中する少年団員たち
この日のために製作されたスペシャルヘルメット。整備士のお手製とのこと
モーターでプロペラが回転!
元の場所へ戻るバスに乗り込んだ時刻は5時58分。空は少しずつ明るくなった
対決を終えたボーイング 737-800型機にはトーイングトラクターが接続され移動開始の準備

対決のあとは部品庫を見学

 無事、綱引きに勝利(?)した一行は、JALの整備部のあるビルまで戻り、部品庫を見学してイベント終了となった。部品庫には、さまざまな機種のタイヤや整備部品、工具などが整然と並んでおり、食い入るように見つめる少年団の姿もあった。

JAL 福岡空港整備部の原三男氏が出迎え、部品庫の紹介
工具棚はそれぞれの工具の位置が決まっており、使用後はラベルの場所に戻すようになっている
さまざまな天候に対応している作業着がハンガーにかけられている
新品タイヤも備えられており、実物の大きさを確認しながら適合する航空機の型式を確認していた

 今回はJAL福岡空港支店が、将来、航空業界に進みたいという人たちに、少しでも航空機に触れる機会を、ということで「空の日」に合わせて企画された。こうしてイベントで航空機を扱うには、整備部など他部署同士が連携をとらなければならず、相当な手間がかかっているという。福岡空港支店は本誌でも紹介したナイトサファリなど独自の取り組みを行なっているが、今後の取り組みにも期待したい。