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成田空港、第1ターミナル北ウイングにアルコール充実の航空会社共用ラウンジ。7月24日オープン
第1サテライトのラウンジが約1年2カ月ぶりに復活
2018年7月23日 21:04
- 2018年7月24日 オープン
NAA(成田国際空港)は7月24日、成田空港第1ターミナルの北ウイング第1サテライトに、航空会社共用のラウンジ「NARITA PREMIER LOUNGE」をオープンする。オープンに先立ち、報道関係者に内部やサービスを公開した。
設置されるのは第1サテライト15番搭乗口前のエレベータで1フロア上がった4階部分。ここは2017年5月15日までデルタ航空のラウンジが設置されていた場所で、2017年5月16日に同社がラウンジを第2サテライトのみに集約して以来、約1年2カ月ぶりに第1サテライトにラウンジが復活した格好となる。
主にスカイチーム加盟航空会社が発着する第1ターミナル北ウイングには現在、第2サテライトにデルタ航空のラウンジ「デルタスカイクラブ」、中央ビルの北ウイング寄りの場所に大韓航空の「KALラウンジ」がある。また、KALラウンジの隣にはNAAの有料ラウンジ「Narita TraveLounge」があるものの、いずれも第1サテライトからやや遠く、第1サテライトの利用者には不便な状況となっていた。
この区画をリノベーションして設置されるのがNARITA PREMIER LOUNGEで、運営はNAAグループの成田空港ビジネスが行なう。NAAグループ運営での航空会社共用ラウンジは初めての設置となる。
NAA 旅客ターミナル部 部長の鈴木伸一氏は「2107年の5月にこちらを運営していた航空会社さんのラウンジがクローズして、第1サテライトを使用する航空会社とお客さまにご不便をおかけする状況が続いていたが、ニーズを考えて、当該区画についてはNAAとしてラウンジを運営することが最適と考えた」と設置の理由を説明。
NARITA PREMIER LOUNGEについては、「和を感じていただける演出をはじめ、インテリアにも力を注いでいる。さまざまなお客さまに出発までの間にくつろいでいただける空間を用意したい」という方針でのラウンジと話した。
実際に運営を担う成田空港ビジネスの旅客サービス事業部長 壇知史氏は、ラウンジの概要について説明し、「ご利用いただくお客さまがご満足いただける上質な空間を目指して、リノベーション工事を行なった。安全・安心を前提にお客さまにご満足いただけるサービスを提供するとともに、運営を通じて成田空港の発展に寄与したいと考えている」との意向を示した。
NARITA PREMIER LOUNGE概要
オープン日: 2018年7月24日
場所: 第1ターミナル第1サテライト4階(出国手続き後エリア)
営業時間: 8時~21時
主なサービス内容: 食事、ドリンク(ソフトドリンク、アルコール)、新聞、雑誌、無料Wi-Fi、トイレ(改修中)、シャワー(改修中)
座席数: 148席(面積約930m 2 )
利用対象航空会社: 主に第1ターミナル北ウイングに就航する航空会社
利用対象者: 利用航空会社が指定する条件を満たした搭乗客(ファーストクラス、ビジネスクラス利用者、マイレージクラブ上級会員など)
NARITA PREMIER LOUNGEの利用対象者は、成田空港ビジネスと契約した航空会社のファーストクラスやビジネスクラス、マイレージプログラム上級会員など各社が指定した利用客。7月24日のオープン時点では中国南方航空とエティハド航空の2社のみの利用となっているが、ほかの航空会社とも契約の手続きが進んでおり、8月内には10社ほどを目指して調整したいとしている。
930m 2 の面積で、席数は、デルタ航空のラウンジだったころに比べるとやや少ないという148席。北ウイングを利用する航空会社は17社(8月1日に第2ターミナルから移転する香港航空を合わせると18社)で、NARITA PREMIER LOUNGEを利用すると想定している航空会社と利用者に合わせて席数を決めているという。
デザインは「シンプルなデザインをベースに洗練されたインテリア」をコンセプトに、入り口先のかさ上げされたエリアは、イタリアのカッシーナの椅子を設置している。さらに、そのエリアはカッシーナのトータルコーディネートにより、欧州の王室や富豪らの別荘が建ち並ぶイタリアの高級リゾート地“コモ湖畔”をイメージ。窓から見える飛行機を船に見立て、港をイメージしたコーディネートにしているという。
また、「和」を感じられる空間として、モノサシパブリックリレーションズの組み立て式和室「庵 IORI」を設置。本物志向の素材と金沢の匠の技を集約した和室で、加子母(かしも)ヒノキの香りや、越前和紙を通した柔らかい光を感じられる空間になっている。
さらに、この和室には8Kテレビを設置。日本の和を感じられるような映像コンテンツを上映し、そのリアリティに対する驚きを提供するとともに、日本の先進性のアピールにもつながることが期待されている。
レイアウトはデルタ航空ラウンジ時代と大きく変わっていない。エントランスを抜けて真っ直ぐ向かった先に、先述のかさ上げされたエリアや窓側に並ぶカウンターテーブル席。エントランスを入った先の左手にフードカウンターやダイニングテーブルがあり、その奥にソファが並ぶ空間、窓側と壁向きにカウンターテーブルがある。
ちなみに電源は窓側カウンターテーブルに日本仕様のACコンセントが2席につき1個ずつ。ダイニングテーブルやラウンジ奥の壁向きのスタンドには1席に1個単位で設置されているが、ソファ席などには用意されていない。窓向き席については、各席にAC電源とUSB電源を設置する予定で、オープン当初については日本仕様のコンセントで利用できるAC-USBアダプタの貸し出しも行なうとしている。
なお、ラウンジ内のトイレとシャワールームは改修中のため、オープン時は利用できない。改修は10月内もしくは前倒しできないか検討しているとのスケジュール感で進められている。シャワーブースは3ブースが設置される予定。トイレについてはエントランスを抜けて、同じフロア内にある共用トイレを案内する。やや距離があるが、上下移動なく利用できる。
食事はホットミール、コールドミール、スナック菓子、スイーツなど多彩。アルコールにも注力しており、成田空港ビジネスの壇氏は「アルコールについてはほかのラウンジに負けないと考えている」と自信を見せるとおり、日本酒、ワイン、瓶ビール、生ビールとさまざま。お酒に合う食事も意識しているという。
さらに、ムスリムの乗客を意識してハラールミールも提供。ハラール対応の食事については、名札に「H」のマークを付けて区別している。