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首都圏と石垣島を結ぶ初のLCC便。バニラエアの成田~石垣線が運航開始。運賃は7480円から

那覇~石垣線の同時開設で、成田~那覇~石垣の周遊旅行も

2018年7月1日 就航

バニラエアが成田~石垣線に就航。LCCで初めて首都圏と石垣島を結ぶ路線となる

 バニラエアは7月1日、成田国際空港~南ぬ島 石垣空港(新石垣空港)線に就航した。この成田発の初便に合わせ、成田空港第3ターミナルの搭乗口前では記念のセレモニーを実施。搭乗客には「ALEXIA STAM(アリシアスタン)」とのコラボレーションTシャツをプレゼントした。

 バニラエアが7月1日に開設した成田~石垣線は、1日1往復2便。ダイヤは下記のとおりで、成田側は午前中発、夕方着、石垣側は午後の早い時間帯に発着するダイヤとなっている。併せて、同日には那覇(沖縄)~石垣線も1日2往復4便で開設。ただし、台風の影響で7月1日は欠航となり、7月2日が初便運航日となる。

 成田空港にとっては現状唯一の石垣路線となるほか、首都圏と石垣島を結ぶ路線にLCCが就航するのは初めてとなる。一方、ピーチ(Peach Aviation)との統合を控えるバニラエアにとっては、今回の成田~石垣線、那覇~石垣線が最後の新規開設路線になることも明らかにされている。

バニラエアの成田~石垣線(7月1日~10月27日)

JW811便:成田(10時00分)発~石垣(13時40分)着、毎日運航
JW812便:石垣(14時40分)発~成田(17時40分)着、毎日運航

バニラエアの那覇~石垣線(7月1日~10月27日)

JW881便:那覇(10時05分)発~石垣(11時10分)着、毎日運航
JW887便:那覇(17時55分)発~石垣(19時00分)着、月・金・土曜運航
JW887便:那覇(17時35分)発~石垣(18時40分)着、火・木曜運航
JW887便:那覇(18時15分)発~石垣(19時20分)着、水曜運航
JW887便:那覇(17時45分)発~石垣(18時50分)着、日曜運航

JW882便:石垣(11時50分)発~那覇(12時50分)着、毎日運航
JW888便:石垣(19時40分)発~那覇(20時40分)着、月・金・土曜運航
JW888便:石垣(19時20分)発~那覇(20時20分)着、火・木曜運航
JW888便:石垣(20時00分)発~那覇(21時00分)着、水曜運航
JW888便:石垣(19時30分)発~那覇(20時30分)着、日曜運航

バニラ・エア株式会社 代表取締役社長 五島勝也氏

 セレモニーであいさつしたバニラエア 代表取締役社長 五島勝也氏は、「2013年12月に成田空港から就航以来、4年半が経過。本年4月には累計800万人のお客さまにご利用いただいた。今回の石垣線開設により、国内線、国際線ともに7路線ずつとなる。とくに成田からは南の人気リゾート地である沖縄(那覇)、奄美、石垣と3カ所を藻浦することになり、開港40年を迎えた成田空港の魅力がさらに高まることは大きな喜び」と成田空港の貢献に触れたほか、「一方で石垣にとっては首都圏からLCCが就航するのは初めてで、地元の皆さまからもご期待いただいている」と就航先からの歓迎にも触れた。

 新たな就航先となる石垣島については、「美しい珊瑚礁の海、ビーチ、星空など豊かな自然に恵まれている。石垣島だけでなく近隣の竹富島、小浜島、西表島と八重山の離島をお楽しみいただける。成田空港からは10時の出発ということで、首都圏のお客さまにはご利用いただきやすいダイヤ。そして、片道7000円台からの運賃でご用意している。インバウンドの方も含め、多くの方に石垣の方に足を運んでいただきたい」とアピールした。

国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏

 続いてあいさつした国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長の石井靖男氏は、「成田空港にとって国内線19都市目を結ぶ路線。国内リゾート地への特色ある路線が加わることになる。石垣島およびその周辺の島々は、日本の方のみならず、外国の方々にも人気の高いリゾートとして発展している。外国から日本へ観光で来られる方々に、成田を経由した新たな魅力ある国内旅行先を提供してくれる路線になる」と述べ、「首都圏から石垣への直行便が成田に加わることは、新たな需要を掘り起こし、航空ネットワークの充実につながるもの」と期待を寄せた。

 また成田空港にとっても、「成田空港はLCCの割合が増加するなかで、LCCによるサービスという点で新たなオプションを利用者に提供することになり、成田空港の魅力をさらに高めると期待している。成田空港は地域とともに発展するという目標を掲げているが、成田空港からの路線の魅力が増えることで、利用されるお客さまが増え、地域の経済活性化に貢献することも重要」と、路線開設後の地域に対するストック効果にも期待した。

成田市副市長 関根賢次氏

 成田市長 小泉一成氏の代理として出席した同副市長 関根賢次氏も、「国内線が充実することは、空港圏の市町村、県にとってもうれしいこと。成田市も空港周辺も、これからますます観光や日本の文化を発信するということで、大勢のお客さまをお迎えすることになる。国内線の充実が、それにさらにつながっていけば。成田市としても、空港圏の市町村と一緒になって取り組んで、地域の発展するよう頑張っていきたい」と路線増加による近隣市町村への効果に期待した。

主催者と来賓が集まっての鏡開き。石垣島の蔵元が作る琉球泡盛「八重泉(やえせん)」の樽が用意された。参加者は左から順に、横芝光町 空港・地域振興室長 平山貴之氏、山武市 総務部長 石橋和記氏、成田市副市長 関根賢次氏、バニラ・エア株式会社 代表取締役社長 五島勝也氏、国土交通省 東京航空局 成田空港事務所 成田国際空港長 石井靖男氏、芝山町 町長 相川勝重氏、多古町長 所一重氏、成田国際空港株式会社 代表取締役社長 夏目誠氏

 セレモニーは、主催者、来賓のあいさつののち、石垣島の蔵元である八重泉酒造が製造する琉球泡盛「八重泉(やえせん)」の樽を用いた鏡開きが行なわれた。八重泉は初便の記念品として機内でも小さなボトルが提供されるという。

 そして、9時25分ごろに搭乗をスタート。搭乗に際しては、初便の搭乗客全員に「ALEXIA STAM(アリシアスタン)」とのコラボレーションTシャツを配布。前面にALEXIA STAMロゴと飛行機のイラスト、背面にバニラエアとALEXIA STAMロゴを配したデザインのTシャツで、アナウンスでは搭乗者全員に着用を促した。

 また、先述のとおり、この日に開設する路線がバニラエアの社名で開設する最後の路線となることから、バニラエアの多くのスタッフが見送りに詰めかけた。

バニラエア最後の新規開設路線となることから、多くのスタッフが初便搭乗客の見送りに集まった
搭乗客全員に「ALEXIA STAM(アリシアスタン)」とのコラボレーションTシャツを配布し、機内で着用するよう促した

 この日の運航は、台風7号の接近から、出発地に引き返す可能性があるという条件付き運航になったが、成田空港の天候は見事な晴れ。飛行機の出発時にはウォーターキャノンが行なわれ、青い空に架かる白いアーチの下をバニラエアの機体が走行。搭乗口同様に多くのスタッフが集まり、バニラエアの成田~石垣線初便は盛大な見送りを受けて石垣島へ向かった。

153番に駐機する石垣行きJW811便。この日は登録記号「JA15VA」の機体を使用
定刻の10時前後にプッシュバックを開始。地上ハンドリングスタッフも見送る
やや風が強いなかでの実施となったが、青い空に白いウォーターアーチが架かり、そこをくぐって地上走行をスタート
多くのバニラエアスタッフの見送りを受けて滑走路へ向かうJW811便
見送りに集まったスタッフ