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ANA塗装の三菱航空機「MRJ」3号機試験飛行。フライトシミュレータも公開

ファンボロー航空ショーの飛行展示はANA塗装の3号機で

2018年6月28日(現地時間) 実施

三菱航空機は、MRJ 3号機の試験飛行とMRJ用フライトシミュレータを公開した

 三菱航空機は6月28日(現地時間)、米国ワシントン州モーゼスレイクで会見を開き、同社が開発を進めている国産リージョナルジェット「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」について各国メディアへ説明を行なった。

 モーゼスレイクは、同社がMRJの試験飛行拠点としているグラント・カウンティ国際空港があり、シアトル・タコマ国際空港からはクルマで3時間ほど。敷地内にはMRJを4機格納できるハンガーや、オフィスやブリーフィングルーム、テレメトリールームなどを含む施設があり、総称して「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(Moses Lake Flight Test Center:MFC)」と呼ばれている。

 この日公開したのは、MFC内部にあるフライトシミュレータとANA塗装のMRJ 3号機による試験飛行。

 フライトシミュレータは2016年8月、1号機がモーゼスレイクへ来る少し前に名古屋から移設されたもので、MRJのコクピットを精密に模した訓練用設備。計器類や操縦桿、4枚の15インチディスプレイなど細部まで再現しており、窓の外の景色は大型のディスプレイが映し出すCGによって、滑走路や空港周辺の地形を再現する。なお、コクピットを筐体で包んで、操作に応じてアクチュエータが作動する、いわゆるフルフライトシミュレータではない。

 撮影時にフライトシミュレータを操縦していたのは、三菱航空機 チーフテストパイロット 安村佳之氏と、Martin Trout氏。両氏は7月16日からイギリスで行なわれるファンボロー航空ショーに、MRJ 3号機とともに訪れるという。

三菱航空機株式会社 チーフテストパイロット 安村佳之氏とMRJのフライトシミュレータ
15インチディスプレイが4枚並ぶコクピット
コクピットの視界の広さが分かる
窓の外の景色は大型ディスプレイが再現する
安村佳之氏と、このとき副操縦士を務めたMartin Trout氏
安村氏が見せてくれたMFCのワッペン。日の丸と星条旗、そして「和」の文字が印象的だ

 公開試験飛行では、ANA塗装の3号機が2回のタッチアンドゴーののち、3回目に着陸。前日の試験飛行(関連記事「三菱航空機、米国での新型旅客機『MRJ』試験飛行を初公開。ワシントン州『Moses Lake Flight Test Center』にて」)に続き、試験の順調さと完成度の高さをアピールした。

披露した1回目のタッチアンドゴー。この日もシアトルはよい天気で、滑走路は陽炎で揺らいで見える
2回目のタッチアンドゴー
3回目は着陸(フルストップ)