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台中市、11月3日開幕の「2018台中フローラ世界博覧会」を日本でプロモーション

抽選で台中往復航空券が当たるFacebookキャンペーンも実施

2018年6月14日 記者会見実施

2018年11月3日~2019年4月24日 2018台中世界フローラ博覧会開催

台中市政府は、マンダリン航空の成田~台中直行便就航に合わせ、11月から始まる「2018台中フローラ世界博覧会」に関する記者会見を実施した

 台湾・台中市政府は6月14日、11月3日~2019年4月24日に開かれる「2018台中フローラ世界博覧会」を紹介する記者会見を成田空港内で実施した。同日に運航を開始したマンダリン航空の成田~台中線就航に合わせたもの(関連記事「マンダリン航空、成田~台中線を運航開始。台湾第2の都市と首都圏を結ぶ直行便」)。台中市長らは初便に乗って来日。就航セレモニーを終えた足で記者会見に姿を見せた。

 台中フローラ世界博覧会は“花博”とも称される、花や自然をテーマに2015年にスタートした国際的な博覧会。農業のある生活のイメージを紹介する「外埔会場(Waipu Park Area)」、花と馬の楽園をテーマに自然、生態との共生を特色とする「后里馬場森林会場(Houli Horse Ranch & Forest Park Area)」、ウォーターフロント・花の都をテーマに河岸の魅力に触れられる「豊原葫蘆墩公園(Fengyuan Huludun Park)」の3会場で実施する。

 2015年に始まった「台中フローラ国際博覧会」が発展し、現在は「台中フローラ世界博覧会」として実施しているが、2014年の会場選定時、当初予定していた后里会場に、台湾固有の希少種であるタイワンヤマネコの生息が確認されたことで、その保護を優先することを決定。后里会場を縮小した分を、外埔会場、豊原会場を設けることで補ったという。

 この3つの会場を通じて「花現GNP - Rediscover Green, Nature, and People」の理念を伝える。国民総生産を表わす「GNP」という言葉を、新たに「Green(緑)、Nature(自然)、People(人と文化)」と再定義し、生産、生態、生活の3要素がバランスをとってともに発展、人間も自然に多大なパワーをもらって素晴らしい循環が創造されていることを示す。

 また、台中フローラ世界博覧会のロゴマークは、台湾の形。3つの色は、オレンジが花、緑が土地、ブルーが海を表わし、その間には前に向かってくる人の形が作られている」と紹介。博覧会の理念である人と自然の共生を表わしており、イベントなどを通じてその理念を伝えていく。

台中フローラ世界博覧会のロゴマーク
台中市政府による2018台中フローラ世界博覧会のPR映像

 記者会見には、台中市政府より、台中市長の林佳龍(リン・チャーロン)氏、台北経済文化代表処 駐日代表の謝長廷(シェ・チャンティン)氏、チャイナエアライングループ 会長の何煖軒(ホー・ヌアンシュエン)氏が出席し、それぞれあいさつ。

 台中市長 林佳龍(リン・チャーロン)氏は、台中フローラ世界博覧会について、「台中は素敵な都市で、美しさを世界の人々に教えたい。だからこそ、台中フローラ世界博覧会を行なう。皆さんは花の開く音を聞いたことはあるか? 一人で沈んでいるときは自分の心、世界と自然の聞こえる音を信じる。台中フローラ世界博覧会を通じて、自然、花の美しさを世界の人々に伝えたいと思う」とその底に流れる価値観を紹介。台中フローラ世界博覧会の概要を説明し、日本人の来訪を呼びかけた。

 台北経済文化代表処 駐日代表 謝長廷(シェ・チャンティン)氏は、「着任してから2年間、台中フローラ世界博覧会をPRするために47都道府県いたるところをまわった。(台北の駐日代表だが)本当は台中の駐日代表ともいえる」と笑いを誘い、「知るところでは、島根県や愛媛県など日本の都道府県から台中フローラ世界博覧会に参加する県もいくつかある。直行便を利用して、もっと多くの日本の方が参加していただければ」と期待を寄せた。

 チャイナエアライングループ 会長 何煖軒(ホー・ヌアンシュエン)氏は、「もっと多くの海外の人から台中フローラ博覧会にお越しいただけるように、そして台湾の宣伝ができるように、グループは全力でサポートする。もっと日本の皆さん台中へお越しいただきたたい」と話し、台中フローラ世界博覧会への訪問も併せて呼びかけた。

台中市長 林佳龍(リン・チャーロン)氏
台北経済文化代表処 駐日代表 謝長廷(シェ・チャンティン)氏
チャイナエアライングループ 会長の何煖軒(ホー・ヌアンシュエン)氏

 続いて記者会見には、台湾の人気アーティストで、YouTubeでも人気を集め、日本のテレビ番組出演時にも話題となった歌手の林育群(リン・ユーチュン)氏が来場し、「ハナミズキ」「人海中遇見你」の2曲を熱唱。

 パフォーマンスのあいだのMCセッションでは、「台中はきれいで、美味しいものがいっぱいある。台中フローラ世界博覧会で花を見たら、夜市へも行ける。台中フローラ世界博覧会は僕もとても楽しみ。ぜひ来てください。台中へようこそ」と日本人に向けて呼びかけた。

 また、司会者も台中フローラ世界博覧会に向けて「いろいろなキャンペーンがある」と紹介。現在は台中世界フローラ博のFacebookページで、3枚の画像から最も好きなタイプを選んでメッセージを残すことで、抽選で成田~台中またはソウル~台中線の往復航空券などをプレゼントするキャンペーンを実施する。

林育群(リン・ユーチュン)氏が2曲を熱唱。台中フローラ世界博覧会をきっかけとした台中への旅行を呼びかけた
Facebookを利用した台中便の往復航空券のプレゼントキャンペーン
囲み取材に応える台中市長の林佳龍氏(左)と、チャイナエアライングループ 会長の何煖軒氏(右)

 会見後の囲み取材で台中市長の林佳龍氏は台中市への観光客数の見込みについて、「今年も対日観光サミットが台中で開催されたが、ついでに台中フローラ世界博覧会のプロモーションもしていただいた。花博は開催まで半年あるので、直行便開設に伴って、台中をどんどんプロモーションしたい。また、台中フローラ世界博覧会には30カ国が参加しており、ほかの国や地域も博覧会の宣伝をしていただけるので世界中に向けて、いろんな方々に博覧会の素晴らしさをみていただきたい」と答えた。

 さらに、台中市のお勧め観光地の質問では「台中は小京都と別名もあり、歴史に豊かな街。旧市街地は100年ぐらい前の駅舎や、緑川(りょくせん)のリノベーションのときに地下で見つかった橋、日本統治時代には明治温泉という名前だった谷関温泉などの日本との縁、世界でトップ10の奇跡の建築といわれるナショナルシアターを見てほしい」と話したほか、「日本でも台湾の食べ物が流行っているが、タピオカミルクティーは台中が発祥の地。ぜひ本場のタピオカミルクティーを飲みにきてほしい」と食の楽しみも提案した。

6月14日のマンダリン航空の台北発初便では、機内を「花博仕様」として台中フローラ世界博覧会をプロモーション。枕やランチョンマットにマスコットキャラクターをデザインしている(写真提供:台中市政府)

 成田~台中直行便開設についてチャイナエアライングループ 会長の何煖軒氏は、「就航セレモニーでも話があったとおり、訪日と訪台のギャップが大きい。台湾の人を日本に連れてくるだけのようになっている。台湾と日本は歴史的背景も縁も深いので、今後は日本の観光客を台湾へ送客していきたいし、日本人に台湾をもっと好きになってほしい」と期待を込めた。

 また、台中市長の林佳龍氏にチャイナエアライングループに対しての期待を尋ねると、「チャイナエアラインが7月に新しい航空機を導入することで送客人数も上がるだろうと思うし、これから台湾から日本へ、日本から台湾へとそれぞれの拠点も拡大したい。例えば東京では成田に就航したので、次は羽田へと考えている。そこまで拡大すれば、もっともっと多くの訪台客を送客できるのでは。また、チャイナエアライングループには今回も大きな支援をいただいた。台中フローラ博覧会のラッピング機が飛んでいるし、機内でもCA、枕などに我々のロゴが飾ってある。いろいろな支援をいただいている」と、同社による送客増へのさらなる期待と、プロモーションの協力への感謝の言葉を述べた。

フォトセッションにはマスコットキャラクターのラブ(右端)とライフ(左端)も登場