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観光庁、「観光ビジョン実現プログラム2018」発表。ファストトラベル推進で入国審査20分以内
ボディスキャナの主要空港への配備は2019年完了を目指す
2018年6月13日 17:32
- 2018年6月12日 発表
観光庁は6月12日、「観光ビジョン実現プログラム2018」を発表した。
政府は、2020年の訪日外国人旅客数4000万人、旅行消費額8兆円などの実現に向け、有識者による「観光戦略実行推進タスクフォース」を2017年9月から2018年6月にかけて8回にわたり開催しており、6月12日の「観光立国推進閣僚会議」の第9回会合で、「観光ビジョン実現プログラム2018」(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2018)を決定した。
その主要施策として、以下の項目を挙げている。
- 魅力ある公的施設・インフラの大胆な公開・開放
- 文化財の観光資源としての開花
- 景観の優れた観光資産の保全・活用による観光地の魅力向上
- 地方の商店街等における観光需要の獲得・伝統工芸品等の消費拡大
- 国立公園の「ナショナルパーク」としてのブランド化
- 新たな観光資源の開拓
- 古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進
- 滞在型農山漁村の確立・形成
- 最先端技術を活用した革新的な出入国審査等の実現
- 通信環境の飛躍的向上と誰もが一人歩きできる環境の実現
- 「地方創生回廊」の完備
- 公共交通利用環境の革新
- クルーズ船受入の更なる拡充
- 地方空港のゲートウェイ機能強化とLCC就航促進
- 世界水準のDMOの形成・育成
- 観光関係の規制・制度の総合的な見直し
- 民泊サービスへの対応
- 産業界ニーズを踏まえた観光経営人材の育成・強化
- 多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供
- 訪日プロモーションの戦略的高度化及び多様な魅力の対外発信強化
- MICE誘致の促進
- ビザの戦略的緩和
- 若者のアウトバウンド活性化
- 次世代の観光立国実現のための財源の活用
- 休暇改革
施策のなかには、国立公園での多言語解説や体験型コンテンツの充実、主要観光地での景観計画・無電柱化の推進、旅館業規制の緩和などを通じて古民家の再生・活用、北海道の複数空港の一体運営の推進、首都圏空港の発着容量を年間約100万回へ拡大、防災拠点へのWi-Fi環境整備(2019年度まで)、すべての新幹線で無料Wi-Fiサービスを開始(2018年度まで)、新幹線トンネル全区間での携帯電話の利用実現(2020年まで)、新幹線/在来線特急の海外インターネット予約の実現、中国/インド/ロシアなどの一層のビザ緩和、などが盛り込まれている。
特にファストトラベルの推進では「入国審査待ち20分以内」を掲げており、例えば、入国審査の待ち時間を利用して指紋や顔写真の照合などで個人識別情報を先行取得する「バイオカート」は関西国際空港や高松空港、那覇空港で先行導入され、2018年5月には全国17空港に拡大しているが、「これらの空港における運用状況や未導入空港の状況を踏まえ、対象空港の拡大の必要性について検討する」としている。
また、日本人の出帰国手続きを短縮する顔認証ゲートは羽田空港国際線ターミナルの入国審査に先行導入しているが、成田国際空港、セントレア(中部国際空港)、関空、福岡空港の入出国審査にも順次本格導入していく(6月~11月)ほか、2020年までに主要空港で導入を予定していたボディスキャナはラグビーワールドカップに合わせて1年前倒しで整備完了を目指すことなどが明記されている。