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観光庁とブラジル観光省が連携で調印。「電子ビザ導入と連携強化が観光客増加に」と田村長官

2018年1月22日 調印

国土交通省 観光庁長官 田村明比古氏(左)と、ブラジル連邦共和国 観光省 人材育成観光促進局 局長 テテ・ベゼーハ氏(右)

 東京・北青山のブラジル連邦共和国大使館において1月22日、ブラジル観光省と日本の国土交通省 観光庁が、観光に関して連携と協力を行なう覚書に調印した。

 1月11日から日本人への電子ビザの発給が始まっており、今後両国は双方向の観光交流が促進するよう連携を強化していく。

日本とブラジルの相互理解と友好関係を強化するもの

ブラジル観光省と観光庁は、観光に関して連携と協力を行なう覚書に調印した

 覚書への調印は、ブラジル連邦共和国 観光省 人材育成観光促進局 局長のテテ・ベゼーハ氏と、国土交通省 観光庁長官の田村明比古氏によって取り交わされた。調印後、田村明比古長官は、「日本とブラジルの観光交流の促進は、両国民の相互理解を推進し、両国の友好関係を強化するとともに、地域経済の活性化にもつながるもの」と挨拶。

 2016年の両国の観光交流人口は合計して約12万人。そのうち日本からブラジルへの渡航者が約8万人、ブラジルから日本への渡航者が約4万人という。両国の海外渡航者全体からすればまだ小さい数字であり「電子ビザ導入やこの提携が観光客の増加につながる」と期待を寄せた。

 覚書の内容については、「観光産業の持続可能な発展に向けた連携」「UNWTO(国連世界観光機関)などの活動に関する協力」「観光に関する情報などの交換の推進」などが含まれていると紹介し、「覚書の締結により、両国双方向の観光交流促進に弾みがつくものと確信しております」と述べて挨拶を終えた。

国土交通省 観光庁長官 田村明比古氏

「国同士の友好関係と商業のつながりの強さ」によって電子ビザを導入できた

 別室で電子ビザ導入の背景について、報道向けに説明の場が設けられた。テテ・ベゼーハ局長は、ブラジルが2014年のFIFAワールドカップ、2016年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックと国際的な大きなイベントを経て、観光市場の重要度が増している一方、インバウンド施策が十分ではないことを政府は認識しており、観光業と観光インフラ整備の取り組みの一つとして電子ビザを導入したと説明。

 この電子ビザは中央政府、外務省、観光省によって進められており、2017年11月にオーストラリアからスタートし、日本が2カ国目。アメリカとカナダでも導入される予定で、今後はさらなる拡大も視野に入れているという。4カ国との間で電子ビザを導入できる背景には「国同士の友好関係と商業のつながりの強さ」があり、「多くの日本人にブラジルを訪れてほしい」と述べた。

ブラジル連邦共和国 観光省 人材育成観光促進局 局長 テテ・ベゼーハ氏

 続いて観光省 観光庁 観光市場コーディネーター アレシャンドレ・ナカガワ氏は、「WTO(世界貿易機関)によると電子ビザを導入することで約25%のインバウンド増加がある」というデータがあり、今回の日本人渡航者への導入でも「向こう1年間でそのレベルで増えるのでは」と導入後の見通しを説明。

 日本人観光客はブラジルの自然に魅力に感じる傾向があり、それを核に国立公園、スポーツフィッシング、エコツーリズム、文化的施設・行事、ガストロノミーツーリズムなどに注力していきたいと述べた。

ブラジル連邦共和国 観光省 観光庁 観光市場コーディネーター アレシャンドレ・ナカガワ氏

 最後に駐日ブラジル連邦共和国大使館 臨時代理大使のリンコン・ベルナルデス・ジュニオル氏が、電子ビザの導入により「ブラジルと日本の関係は大変深いものがあり、これからもさらに関係を深めていけると思います」と挨拶した。

駐日ブラジル連邦共和国大使館 臨時代理大使 リンコン・ベルナルデス・ジュニオル氏

 日本人のブラジルへの渡航に際する電子ビザの申請は、Webサイトの申請フォームから行ない、パスポートのコピー(画像)と本人の写真データ、査証料40ドルと手数料4.24ドルが必要。決済はクレジットカードかデビットカードで行なう。申請後、4~5営業日でメールにより結果が通知される。電子ビザは渡航前に印刷しておく必要があり、搭乗、入出国時に提示する。

申請フォームは日本語にも対応している