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出国税は「日本人・外国人とも出国時に1000円以内」の方向。検討会が中間とりまとめ

2017年11月9日 中間とりまとめ

 観光庁が9月に設置した「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」では、いわゆる「出国税」と呼ばれる新しい課税の方法や金額などについて有識者による検討を進めてきた。

 そして7回の検討会を経た11月9日に、出国税について「交通モード(航空・船舶)等に関わらず定額・一律とする」「一人一回の出国につき1000円を超えない範囲とするのが妥当」といった「中間とりまとめ」を行なった。

 6月9日に閣議決定された「未来投資戦略2017」に「他の観光先進国の取組も参考にしつつ、観光立国の受益者の負担による方法により、観光施策に充てる財源を確保する」という文言が盛り込まれており、政府としては観光政策に新たな財源が必要であると認めている。

 それを受けて「増加する観光需要に対して高次元で観光施策を実行するために必要となる国の財源の確保策について検討」することを目的に、検討会が発足。旅行分野の企業や団体からヒアリングなどを行ない、検討を進めてきた。

 中間とりまとめの「提言」では、「観光財源は、税方式により出国旅客(日本人を含む。出国目的や手段は問わない。)に負担を求める」「負担額については、定額・一律」と、外国人、日本人どちらからも徴収し、金額については「近隣アジア諸国との競争環境や訪日旅行需要への影響等を考慮し、一人一回の出国につき1000円を超えない範囲で、必要となる財政需要の規模も勘案しつつ検討する」と、1000円以内という数字を出している。

 徴収の方法は、「航空については、既存の統一的な仕組み(運賃との一括収受方式)を活用した、航空運送事業者による徴収納付を基本とする」と、航空運賃を支払う際に徴収する形が提言されている。

 一方船舶ではそのような統一的なシステムがないため、「港湾における実務の実態も踏まえ、精査すること。また、簡素な制度設計等を通じ、事業者の負担軽減を図ること」としている。

 以上は検討会による中間とりまとめのなかの「提言」であり、これを受けて政府は税制改正に向けて調整することになる。