ニュース

国交省、空港の制限区域内で乗客・乗員を運ぶ自動運転車両を実証実験。10月めどにスタート

2018年5月25日 発表

国交省Webサイトより

 国土交通省 航空局 空港技術課は5月25日、空港の制限区域内における自動走行の実証実験を開始することを発表した。

 政府が目標とする2020年の訪日旅客4000万人に向け、空港の機能強化が進む一方で、地上支援業務の労働力不足が深刻になっていることに対し、先進技術による自動化、省力化を進めるための取り組み。

 空港内での自動運転としては、ANA(全日本空輸)とソフトバンクグループSBドライブが、羽田空港の新整備場地区の公道において、自動運転バスによるレベル3とレベル4の自動運転の検証を行なった。一方、国交省が発表したのは、空港の制限区域内における自動走行を目指した実証実験となり、「乗客・乗員の輸送を想定した自動走行」としており、将来的にはバスによる搭乗/降機に使用されるランプバスの自動運転化などを想定したものとみられる。

 この実証実験では、まず7月に実施者を公募。参加要件は、システムがすべての運転動作を行なうが、自動運転の継続が難しい場合に運転者が介入できる「レベル3」以上の公道での実証実験の実績があること、ならびに車両自律型、路車連携型のいずれか、もしくは両方であることとしている。

 応募者の技術開発の状況を踏まえ、国交省が指定するルートを走行し、安全性、施設環境などについて検証し、実装に向けた課題の抽出を行なう。指定ルートは、羽田空港、成田空港、セントレア、仙台空港のいずれか、主に建屋まわりなどの車両通行帯を想定している。

 その後、実施者と協議のうえ、10月ごろから2月ごろにかけて実証実験を行なう予定となっている。

ANAとソフトバンクグループのSBドライブが羽田空港の新整備場地区で実施した自動運転バスの実証実験