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マリオット、大阪御堂筋に開業するラグジュアリーホテル「W OSAKA」記者会見。設計顧問に安藤忠雄氏

2021年2月開業。スターウッドプリファードゲストにも参加

2021年2月 開業予定

マリオット・インターナショナルがラグジュアリーホテル「W OSAKA」を2021年に開業する

 マリオット・インターナショナルは1月10日、ラグジュアリーブランド「W(ダブリュー)ホテル」の日本展開を開始し、その1軒目として2021年2月に大阪・御堂筋で「W OSAKA」を開業すると発表した。ホテル運営は同社が行ない、事業主は積水ハウス。同日、都内で記者会見を行なった。

 Wホテルの特徴としてデザイン主導で設計していることを挙げており、「刺激的なデザイン」に「Wを象徴する“いつでもどんなことでも”(Whenever/Whatever)に対応するサービス」「活気あふれるリビングルーム」などを組み合わせているという。Wホテルブランドは2020年までに75軒に達する見込みで、「スターウッドプリファードゲスト(SPG)」のロイヤリティプログラムにも参加している。

 国内1軒目にあたるW OSAKAは御堂筋の本町駅と心斎橋駅の中間付近に位置しており、客室数は337室、27階建ての新築ホテルとして開業する。

W OSAKA完成イメージ
W OSAKA

事業主:積水ハウス株式会社
ホテル運営:マリオット・インターナショナル
設計顧問:安藤忠雄
建築設計・監理:株式会社日建設計
インテリアデザイン:Concrete Architectural Associates BV(オランダ)
1階レストランデザイン:Linehouse Hong Kong Limited(中国)
建築施工:株式会社竹中工務店
所在地:大阪府大阪市中央区南船場4丁目
敷地面積:2544m2
構造:鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)
階数:地上27階/地下1階/塔屋2階
客室数:337室(予定)
付帯施設:レストラン、ボールルーム、スパ、プール、ジムほか
開業時期:2021年2月(予定)

 会見では積水ハウス 代表取締役会長兼CEOの和田勇氏が「大阪にはラグジュアリーホテルが少ない。良質なホテルをたくさん作って、インバウンドのリピーターを増やしたい」と意欲を語り、「“W”という名前をぜひ覚えてほしい」と述べた。

 また、マリオット・インターナショナル 社長兼マネージングディレクターのクレイグ・スミス氏は、「エネルギーあふれる大阪は、Wホテルが生まれたニューヨークシティに通じるものがある。熱量とスタイルをマリオットのサービスと統合させたのがWホテルであり、積水ハウスという長年のパートナーとともにこれまで日本になかったラグジュアリーブランドを開業できるのを楽しみにしている」とコメント。さらに設計顧問の安藤忠雄氏について、「伝説的な建築家である安藤氏を迎えられてうれしく思う」と述べた。

積水ハウス株式会社 代表取締役会長兼CEO 和田勇氏
マリオット・インターナショナル 社長兼マネージングディレクター クレイグ・スミス氏

 続いて、マリオット・インターナショナル ラグジュアリーブランド マーケティング担当 ヴァイス・プレジデントのブルース・ライド氏と、ラグジュアリーブランド担当 シニア・ディレクターのキャロル・チョウ氏、日建設計 代表取締役社長 亀井忠夫氏らが登壇し、Wホテルのブランドコンセプトや立地などについて解説した。

マリオット・インターナショナル ラグジュアリーブランド マーケティング担当 ヴァイス・プレジデント ブルース・ライド氏(左)、マリオット・インターナショナル ラグジュアリーブランド担当 シニア・ディレクター キャロル・チョウ氏(右)
株式会社日建設計 代表取締役社長 亀井忠夫氏

 説明では古典的なホテルのデザインを客室の壁紙になぞらえて「ベージュの時代(BEIGE AGE)」と呼び、Wホテルは情熱を持った人たちに向けて、斬新で刺激的なデザインで迎えるという。また、亀井氏からは「御堂筋という立地は大阪的なエネルギーがあり、Wホテルのコンセプトにマッチしている。(W OSAKAの完成イメージの)黒いグラスボックスは、まさにBOLD(大胆)でWITTY(ウィットに富んでいる)というコンセプトそのもの」と語った。

それぞれ写真の左半分は古典的なホテルのイメージ。右半分はWホテルのイメージ
ブランドコンセプトを示すスライド

 最後に登壇したのは設計顧問の建築家・安藤忠雄氏。最近携わった仕事を紹介しつつ、「建築ではチームワークが大事。Wホテルもできたときが一番よいのではなく、段々よくなっていくというのが望ましい」と自身の建築観を披露した。

安藤忠雄建築研究所 安藤忠雄氏
漆黒の建物に入るスリットのような箇所は安藤氏の提案によるもの
エントランスには20mのパブリックアートを施す
和田勇氏とクレイグ・スミス氏が調印式に臨んだ

 会見の最後、質疑応答では価格レンジについて質問が飛んだが、クレイグ・スミス氏は「まだ答えられる時期にない。ただ、W OSAKAはラグジュアリーホテルであり、価格帯はそうしたホテルと近いものになるだろう」と述べるにとどめた。