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NEXCO西日本、新名神 高槻JCT~神戸JCTの進捗など2017年度の取り組みを説明

中国道の宝塚渋滞を解消へ

2017年11月2日 開催

NEXCO西日本は東京・霞が関ビルで記者説明会を開いた

 NEXCO西日本(西日本高速道路)は11月2日、東京・霞が関ビルで記者説明会を開き、新名神高速道路の進捗など同社の取り組みを紹介した。

 会の冒頭では、NEXCO西日本 代表取締役社長の石塚由成氏が出席者への感謝を述べ、平成28年熊本地震で被災した九州自動車道の4車線化による復旧の完了、将来の大規模災害に備えた耐震補強工事を進めていることなどを報告。

 近畿圏では利用距離に応じた新しい料金制度を6月から導入したこと、新名神の高槻JCT(ジャンクション)・IC(インターチェンジ)~神戸JCTを2018年3月開通を目指し安全第一で工事を進めていることなどに触れて、挨拶を終えた。

西日本高速道路株式会社 代表取締役社長 石塚由成氏

 続いてNEXCO西日本 取締役常務執行役員 経営企画本部長・財務部担当の芝村善治氏が登壇し、同社の取り組みについて詳説した。

 NEXCO西日本は西日本22府県の高速道路を担当し、営業中の高速道路は約3464km、事業中道路は新名神など約92kmがあり、SA(サービスエリア)とPA(パーキングエリア)は306カ所を管理。2016年度実績で利用台数は1日あたり282万台、料金収入は7457億円。

NEXCO西日本の概要。営業中の高速道路は約3464km、事業中道路は新名神など約92km、SA/PAは306カ所を管理している

 2017年度の事業計画では高速道路事業に約8286億円、SA/PA事業などを含めた総事業費は8554億円となっている。

 そのうち高速道路の新設・改築事業に約3998億円が充てられ、新名神など11道路、約96kmの新設、舞鶴若狭自動車道や高松自動車道などの4車線化事業、約107kmの改築などに使われている。そのほかの高速道路事業には約4288億円が充てられ、営業中の名神高速道路など39道路、約3460kmにおいて、維持・管理、老朽した道路の修繕などに使われている。

 高速道路以外の事業では新名神の宝塚SA(仮)などの建設、既存のSA/PAの管理などに約124億円、受託事業に約128億円、そのほかに16億円の内訳になっている。

2017年度の総事業費
高速道路の新設、改築の事業費は約3998億円。新名神の新設などに使われている
2017年度に完成する予定箇所
高速道路以外の事業費。SA/PAの建設、管理などに約124億円

 対距離制の新料金体系を6月に導入しており、合理的・効率的な管理を行なう観点から、阪神高速道路や大阪府道路公社が管理する道路についても管理主体をNEXCO西日本へ移管する方向で進めている。

対距離性の新料金体系を6月に導入。管理主体をNEXCO西日本へ移管する方向で進めてい

 新名神の大津JCT~神戸JCT、延長約80kmの進捗については、城陽JCT・IC~八幡京田辺JCT・IC(約3.5km)が4月30日に開通済み。高槻JCT・IC~神戸JCTが2018年度完成予定で進められているが、一部、高槻JCT・IC~川西IC間が12月10日に開通するのは既報のとおりだ。大津JCT~城陽JCT・ICと八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・ICはいずれも2023年度完成予定。神戸JCTや高槻JCT・ICなどの写真が公開されたが、高槻JCT~神戸JCTについては「構造物としては完成しており、舗装や施設などの工事をしている」と状況を説明した。

 現状は西側からの中国自動車道、山陽自動車道が神戸JCTで合流し、吹田JCT~神戸JCTでは年間の渋滞回数が800回を超えるなど混雑しているが、新名神が開通すればこのエリアの高速道路が2本になり、渋滞が解消され、定時性、信頼性の向上が期待できるとした。また、新名神沿線には新しい物流拠点が進出、計画されており、物流の円滑化、約3000人という雇用の創出なども期待されるという。

新名神 大津JCT~神戸JCTの建設状況
「構造物としては完成しており、舗装や施設などの工事をしている」状況とのこと
新名神により渋滞が解消され、定時性、信頼性の向上が期待できる
物流の円滑化、約3000人という雇用の創出なども期待されるという

 そのほかNEXCO各社が掲げる「リニューアルプロジェクト」として床版の取り替え工事といったハード面のメンテナンス、積載量を超過した法令違反車両の取り締まり強化の取り組み、点検作業の効率化に向けた技術開発などが紹介された。

NEXCO西日本のリニューアルプロジェクト
法令違反車両の取り締まりを強化
打音点検に代わるJシステムなど、点検効率化に向けた技術開発
平成28年熊本地震からの復旧は4車線化の復旧を終え、耐震補強工事を進めている
SA/PAでは地域活性化や訪日外国人への対応施策を実施
「お国じまんカードラリー」などの観光交流・地域活性化の取り組み
西日本高速道路株式会社 取締役・常務執行役員 経営企画本部長・財務部担当 芝村善治氏