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写真で見る JAL SKY SUITE 777(SS2)

新ビジネスクラスシート「JAL SKY SUITE III」を搭載したボーイング 777-200ER型機

ボーイング 777-200ER型機

 JAL(日本航空)が中距離国際線の主力として運用しているのが、ボーイング 777-200ER型機だ。2002年に東京(羽田)~北京線に就航以来、現在では11機が活躍中となっている。

 同社が所有する777-200ER型機は、これまでプレミアムエコノミークラスの有無で2タイプが存在しており、どちらもビジネスクラスには「JAL SHELL FLAT SEAT」を採用。プレミアムエコノミークラスが設定される場合には、「JAL SKY SHELL SEAT」が採用されていた。

 これらのビジネスクラスシートは前者が2003年度、後者は2008年度のグッドデザイン賞を受賞しているが、777-300ER型機(JAL SKY SUITE)や767-300ER型機(JAL SKY SUITE II)に導入された「JAL SKY SUITE」シートと比較すると、機内エンタテイメントシステムをはじめとして更新の必要が出てきた。

 そこで「ひとクラス上の最高品質」をテーマに、777-200ER型機向けの新型シートを開発。順次「JAL SKY SUITE」仕様となる「JAL SKY SUITE 777」(時刻表表記「SS2」)への改修が行なわれている。

取材した機材は登録番号JA711J
ノーズギア
メインギア
主翼
主翼にも登録記号が描かれている
主翼端
エンジンはGE Aviation製GE90-94B
主翼前ドアの上部にWi-Fiアンテナを装備
機内での衛星通信サービスが行なわれている
尾翼まわり
コックピット
ボーイング 777-200ER型機ではじめてスカイスイート仕様となったJA701J
スカイスイート仕様となったことを示すデカールが貼られていた

 SS2の機内は3クラス構成になっており、ビジネスクラスに新型フルフラットシート「JAL SKY SUITE III」、プレミアムエコノミークラスに「JAL SKY PREMIUM」、エコノミークラスには「JAL SKY WIDER」がそれぞれ採用される。設備面ではビジネスクラス用のトイレに温水洗浄機能付き便座「ウォシュレット」を装備する。機内エンタテインメントシステムには最新の「MAGIC-VI」が採用されるほか、各室内照明のLED化、国際線機内インターネット接続サービス対応なども行なわれている。

JAL SKY SUITEの機種別客室仕様

ボーイング 787-8型機

表記:JAL SKY SUITE 787(SS8)
ファーストクラス:
ビジネスクラス:JAL SKY SUITE
プレミアムエコノミー:JAL SKY PREMIUM
エコノミークラス:JAL SKY WIDER II

ボーイング 787-9型機

表記:JAL SKY SUITE 787(SS9)
ファーストクラス:
ビジネスクラス:JAL SKY SUITE
プレミアムエコノミー:JAL SKY PREMIUM
エコノミークラス:JAL SKY WIDER II

ボーイング 777-300ER型機

表記:JAL SKY SUITE 777(SS7)
ファーストクラス:JAL SUITE
ビジネスクラス:JAL SKY SUITE
プレミアムエコノミー:JAL SKY PREMIUM
エコノミークラス:JAL SKY WIDER

ボーイング 767-300ER型機

表記:JAL SKY SUITE 767(SS6)
ファーストクラス:
ビジネスクラス:JAL SKY SUITE II
プレミアムエコノミー:
エコノミークラス:JAL SKY WIDER

ボーイング 777-200ER型機

表記:JAL SKY SUITE 777(SS2)
ファーストクラス:
ビジネスクラス:JAL SKY SUITE III
プレミアムエコノミー:JAL SKY PREMIUM
エコノミークラス:JAL SKY WIDER

ボーイング 777-200ER型機の座席数

SKY SUITE 777

ビジネスクラス:42席
プレミアムエコノミー:40席
エコノミークラス:154席
合計:236席

現行(W51)

ビジネスクラス:56席
プレミアムエコノミー:40席
エコノミークラス:149席
合計:245席
機内エンタテイメント:MAGIC-III

 2016年6月18日から羽田~バンコク線を皮切りに投入され、2016年9月にグッドデザイン賞を受賞。現在では羽田~シンガポール線、羽田~香港線、成田国際空港/関西国際空港/中部国際空港~ホノルル線にまで活躍の場を広げている。

ビジネスクラス「JAL SKY SUITE III」

 1-2-1配置で42席が用意されるSKY SUITE IIIはZodiac Seats UKによるもの。全席が通路から直接アクセスできるのはもちろん、フルフラット化も実現。収納やテーブル、可動式アームレスト、ACアウトレット、USBポートをそれぞれに装備している。

JAL SKY SUITE III

座席配置:1-2-1
シート幅:約52cm
ベッド幅(最大):約74cm
ベッド長(最大):約198cm
モニターサイズ:17インチ

1-2-1配置となるビジネスクラスは全席が通路から直接アクセス可能。座席番号は左サイドからA、D、G、Kとなる
9K席
背後から。シート周囲が壁に囲まれているため個室感がある
フルフラット時
右サイド上部に読書灯とエンタテインメント機能のコントローラー
下部にはアームレストやポケットがある
読書灯とスイッチ
コントローラーは有線タイプ
シート調節のコントローラー
窓側には専用の収納を用意
収納内部。扉の裏側は身だしなみを整えるのに便利なミラーになっている
下部にはコンセントやUSB端子、ヘッドフォン端子を装備
折り畳み式のテーブルを装備
テーブル上面はスライドして正面に向けることが可能
11インチのMacBook Airを置いてみたところ
通路側には可動式アームレストを用意
中央の4G席
背後から
フルフラット時
足元
4G席からは横の席(4D席)が少し見える
より個室感を高めたい場合には中央に装備されている引き出し式の扇形パーティションを利用する
機内エンタテイメントシステムのモニターはタッチパネル式の17インチ
手荷物収納棚(オーバーヘッドビン)
ビジネスクラスのラバトリーにはウォシュレットが備えられている

プレミアムエコノミークラス「JAL SKY PREMIUM」

 2-4-2配置となるJAL SKY PREMIUMは40席。ほかのSKY SUITE機と同様のシートとなっており、JAL SKY SHELL SEATよりシートピッチ、シート幅を拡大。パーソナルモニターも9インチから12.1インチへと大型化している。

JAL SKY PREMIUM

座席タイプ:FIXED BACK
運航機材:JAL SKY SUITE 777
座席配置:2-4-2
座席数 :40席
シートピッチ:106.7cm(42インチ)
シート幅:48.3cm(19インチ)
モニターサイズ:12.1インチ
ベンダー:Zodiac Seats France
導入年:2013年

プレミアムエコノミークラスのシート配置は2-4-2
両サイドのシートは2名掛け
手前の席をリクライニングした状態
プライバシー性を高めるセンターディバイダーと読書灯を装備
中央のアームレスト部にシートの操作ボタンや機内エンタテインメントシステムのコントローラーを収納
アームレスト下部にコンセントを装備
レッグレストもある
テーブルも大きい
機内エンタテイメントシステムのモニターは12.1インチ。モニター下部にUSB端子を装備
有線式のコントローラー

エコノミークラス「JAL SKY WIDER」

 従来の3-3-3から3-4-2と左右非対称の座席配置となったエコノミークラス。これは同機の使用路線がホノルル線など「カップル(2人)や家族連れでの利用が多い」ことから採用されたもの。シートはボーイング 777-300ER型機やボーイング 767-300ER型機で採用している「SKY WIDER」を踏襲しており、シートピッチを現行の31インチから33~34インチに拡大したほか、シートのスリム化などにより足下スペースも最大で約10cm拡大。シート自体の軽量化も図られており、燃料消費量の抑制にも貢献するという。

777-200ER

座席配置:3-4-2
座席数:154席
シートピッチ:83.8~86.4cm(33~34インチ)
シート幅:47.0cm(18.5インチ)
モニターサイズ:10.6インチ
ベンダー:ZIM
導入年:2016年

エコノミークラスのシート配置は2-4-3
左側は3列
右側は2列
折り畳み式のテーブルを装備
11インチのMacBook Airを置いてみたところ
シート下部にコンセントをひとつ装備
機内エンタテイメントシステムのモニターは10.6インチ
モニター下部にUSB端子がある
後部ギャレー中央
左側にカートの収納スペースなどがある
電子レンジとコーヒーサーバー
ビジネスクラス前方のバースペース
サイドにも小さなバースペースが用意されている