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JAL、関空~ホノルル線に「SKY SUITE 777」を導入
フルフラットのビジネスクラスや新・間隔エコノミーでハワイへの旅をより快適に
2017年1月10日 18:41
- 2017年1月9日 就航
JAL(日本航空)は1月9日、最新仕様「JAL SKY SUITE 777」(SS2)に改修したボーイング 777-200ER型機を、関西国際空港~ホノルル国際空港線に導入。初便となるJL792便(関空22時10分発~ホノルル10時15分着)の出発前には国際線30番ゲート前で就航セレモニーを開催するとともに、新仕様の客室を報道陣に公開した。
現在、JALが保有するボーイング 777-200ER型機は11機。そのうち5機がSKY SUITE 777へ改修され、羽田~バンコク線/シンガポール線/香港線/ホノルル線で運航している。
ちなみに最初に就航した羽田~バンコク線への搭乗体験を弊誌では紹介しているので、そちらの記事も参照してほしい。
そして今回、関空~ホノルル線にもSKY SUITE 777を導入した機材が就航することとなった。今後はセントレア(中部国際空港)~ホノルル線へ2月に就航予定で、2017年度中には11機すべての改修が終わることになっている。
SKY SUITE 777に改修されたボーイング 777-200ER型機は、ビジネスクラスの「JAL SKY SUITE III」が42席、プレミアムエコノミークラスの「JAL SKY PREMIUM」が40席、エコノミークラスの「JAL SKY WIDER」が154席という構成。
客室全体の特徴としては、無線LANを用いた航空機内でのインターネットサービス「JAL SKY Wi-Fi」を装備。また、機内エンタテイメントシステムは最新の「MAGIC VI」を導入、スワイプに対応したディスプレイとシステムにより、スマートフォン感覚で操作できる。
ちなみに照明にはLEDライトを採用し、食事や就寝時などシチュエーションに合わせた色合いと明るさに調整できる。
座席を斜めに配置して、効率とプライバシーを高めたビジネスクラス「JAL SKY SUITE III」
ビジネスクラス「JAL SKY SUITE III」の最大の特徴は、斜めに配置された座席だ。「ヘリンボーン式」と呼ばれる配置だが、国内航空会社としては最初に導入されたもので、配列は1-2-1。両窓側の1席は窓に向いておりプライバシー性が高く、2016年6月の導入以降とても好評だという。
中央の2席は斜めに向き合うように配置されているが、可動式の扇型のディバイダー(パーティション)を設けるなどして、プライバシーを確保しつつ、2人連れであればパーティションを収納することで顔を合わせて会話もできるようになっている。ちなみに海外の航空会社でもヘリンボーン式を採用している機材はあるが、中央の2席は通路に向けた配置の場合は、通路を歩く人と目が合いやすく、そういったことを避けるためにも内側向きの配置としているそうだ。
そしてフルフラットシート対応となっているのだが、中央の2席は配置的には足下がぶつかり合ってしまいそうに思える。しかし2席がフルフラットになる際には高低差が付くようになっており、足下をクロスさせて省スペースとフルフラットを実現している。また、各座席の通路側のアームレストは高さを変更できるようになっており、座席のリクライニングの状態により調整が可能。さらにフルフラットにした際に高さを最高にすることで、通路側に対する目隠しの役割も果たすという。
「MAGIC VI」に対応したディスプレイは、旧モデルから約1.5倍の大きさとなる17インチ。ユニバーサルAC電源、USBポート、ヘッドフォン端子が備えられている。小物入れは扉側に鏡が付いていて、着陸前に化粧直しができるようになっている。これはCA(客室乗務員)の意見から採用されたとのことだ。小物入れの内部にはフックが設けられていて、ここにヘッドフォンを掛けて収納できる。ヘッドフォンを出し入れするときに、ケーブルを抜き差ししなくていいように、扉の下部には切り込みが入っていてケーブルをとおすことができ、ケーブルを挿したままでも扉を閉められる。また、ビジネスクラスの3カ所のラバトリーではウォシュレットが装備されている。
ワンランク上の快適性が魅力のプレミアムエコノミークラス「SKY PREMIUM」
プレミアムエコノミークラス「SKY PREMIUM」の特徴は、前の座席がリクライニングしても、座面が前方にずれるという構造により、背もたれが倒れてこないこと。この構造はある程度シートピッチを設けないとならないが、42インチ、100cm以上の座席間隔により実現できた。同社のボーイング 777-300ER型機などのSKY SUITE機材で導入済みだが、利用客からも大変好評だという。シートにはふくらはぎをサポートするレッグレスト、足を乗せられるフットレストがあり、長時間の搭乗での負担も軽減できそうだ。
また、座席間にはヘッドレストの高さにパーティションが設けられており、プライバシーにも配慮されている。そして各座席用の照明は天井ではなくこのパーティション近くに設けられており、可動式で、消灯時間帯でも周囲に気兼ねなく仕事や読書ができるようになっている。
足下が従来より10cm広がった“新・間隔エコノミー”シート「SKY WIDER」
エコノミークラスのシートは“新・間隔エコノミー”で知られる「SKY WIDER」。従来モデルから前後のシートピッチを2~3インチ拡大、シートの構造を見直し足下を3cmさらに確保、結果約10cmさらに広くすることができ、エコノミークラスながら余裕のある足下のスペースが特徴となっている。
これまでの同社のボーイング 777型機系統でのシート配列は3-3-3だったが、これを最新仕様では3-4-2に変更。これにより3人の組み合わせも残しつつ、4人家族やカップルなど柔軟に対応できるようになっている。
最新のシートでホノルルへの旅をくつろいで過ごしてほしい
初便となるJL792便の出発前には、関空の国際線30番ゲート前で就航セレモニーが開催された。JALの関西空港支店長である田中順二氏が登壇し、JALの関空~ホノルル線を選んでくれた搭乗客に感謝を述べたあと、「最新のシートを備えたこのSKY SUITE機材で今夜、この関西空港とホノルルが結ばれることになりました。機内ではどうぞゆっくりおくつろぎいただき、ハワイでのご滞在を十分お楽しみいただけることを願っております。どうぞよいご旅行を」と挨拶した。
また、搭乗客にはクリアファイルなどの記念品が配られ、JL792便は22時12分にブロックアウト、22時26分に離陸し、ホノルルへ旅立って行った。