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有明海の珍魚を餃子に。幻の会員制餃子店「蔓餃苑」改め珍魚餃子店「珍魚苑」でムツゴロウ餃子など食べてみた

佐賀県×パラダイス山元さんで贈る有明餃子7種類

2017年8月9日 実施

珍魚で作った餃子を持つ「珍魚苑」オーナー&シェフのパラダイス山元さん

 佐賀県の地方創生プロジェクト「サガプライズ!」では、これまで各業種などとコラボレーションして佐賀県をアピールしてきたが、現在行なっているのが会員制高級紳士餃子レストラン「蔓餃苑」で佐賀県の誇る珍魚を味わってもらおうという佐賀県×「珍魚苑」という取り組み。

 蔓餃苑は、スバルの初代レガシィツーリングワゴンなどのカーデザイナーから「東京パノラママンボボーイズ」のマンボミュージシャンに転身し、アジア地域で唯一の国際サンタクロース協会認定の公認サンタクロースとして、そして旅人として活躍するパラダイス山元さんがオーナー&シェフとしてプロデュースする会員制餃子店で、会員であっても予約がほとんど取れない餃子店として食通の間で知られている。

「珍魚苑」について説明するパラダイス山元さん
こちらは佐賀県 政策部 広報広聴課 東京オフィス サガプライズ! 中島いずみさん。中島さんのかぶり物はムツゴロウ

 佐賀県はこの蔓餃苑とタッグを組み、佐賀の珍魚をパラダイス山元さんによって餃子化。お店も蔓餃苑を閉店し「珍魚苑」としてもらうことで、佐賀のアピールを狙っている。

 珍魚苑の餃子のために佐賀県から提供される食材は、有明海で獲れる「ムツゴロウ」「ワラスボ」「クチゾコ」「イソギンチャク(ワケノシンノス)」「アカニシ(ニシ貝)」「白エビ」「赤貝」の7種。これらの食材は築地でも手に入らず、佐賀から適宜空輸するという。

有明海の7種の食材で特別な餃子を提供する

 この珍魚苑の食事は、蔓餃苑の会員でなくとも一般申し込み可能で、第1弾の応募はすでに終了。第2弾の応募は8月17日からを予定しており、珍魚苑のWebサイトから申し込める。1回6名限定で、上記の食材の餃子に加え佐賀の日本酒が飲み放題となっており、価格は1名2万円。決して安価な金額ではないが、幻の餃子店に会員でなくても行けるのと、築地でも手に入らない食材を使った餃子をオーナー&シェフのパラダイス山元さんが振る舞ってくれるので、食通やパラダイス山元ファンにとっては貴重な機会となっている。

 その珍魚苑の報道向け試食会が開催されたので、本記事で紹介する。なお、報道向け試食会の食材として提供されたのは、「ムツゴロウ」「イソギンチャク(ワケノシンノス)」「アカニシ(ニシ貝)」の4種。そのほかのものについては、実際に訪れるお客さま向けのお楽しみとのことだった。

軽妙なパラダイス山元さんの語りとともに珍魚の餃子を楽しめる

生きたムツゴロウを紹介
こちらはワラスボ
いろいろな角度で紹介
歯が鋭い
食材加工前のクチゾコ
これはニシ貝

 パラダイス山元さんは、旅行本の執筆や航空旅行に関するトークショーなども行なっており、その軽妙なしゃべりでも人気がある。今回使用した食材についても楽しく紹介。生きたムツゴロウを見せてくれたほか、地元では知られているが東京ではあまり知られていないワラスボについても紹介。とくにワラスボは歯が鋭く、調理の下ごしらえ中に何度もかまれたという。いずれも見た目はなかなかのもので、まさに珍魚といえる食材だ。とくにムツゴロウに関しては、素焼きに餃子の皮を巻いた姿は映画「シン・ゴジラ」にでてきた通称「鎌田くん」を想起させる姿で、フォトジェニックな餃子となっている。

ムツゴロウは素焼きに
ワラスボはこのように
頭部は揚げて飾り付けに

 イソギンチャクについては「第一印象はまるで肛門みたい」と語りつつ、地元佐賀の名称であるワケノシンノスについて説明。ワケノシンノスは、ワケノ(若者)のシンノス(肛門)とのことで、自分の第一印象が間違っていなかったとのこと。そのほか、サンタクロースとして初めて佐賀を訪れたときのことや、佐賀の嬉野温泉に行ったときの感想などを語りつつ、手際よく餃子を焼き上げていった。

イソギンチャク
ニシ貝
赤貝
白エビ
いよいよ調理開始
餃子の皮に使うのはもち粉入りのモランボン製品。かつてはもち粉入りの皮を自分で作っていたが、もち粉入りが美味しいと言いまくっていたらモランボンから発売されたとのこと
ものすごく手際よく餃子に
次々と餃子ができていく
こちらはムツゴロウ。形容しがたい形状
イソギンチャクやワラスボはこの形状に
そして揚げた頭を取り付ける
赤貝は大葉入りで風味よく
きれいに並べる
焼く直前の状態
焼きに入る。ごま油で焼いていく
きれいにセッティング
餃子を敷き詰めていく
さらにごま油を少し
火入れ
水を入れ、ふたを閉めて蒸らしながら焼く
ふたを取り
バーナーで上部の焦げ目を付けていく
ムツゴロウの背に焦げ目が付いた
完成した3種類の餃子を持って喜ぶ中島さん
腹巻きを巻いて丸焼けのムツゴロウ
フライパンの中の餃子も飾り付け。阿鼻叫喚

 実際に1つずつ食べてみた感想だが、ムツゴロウについては素焼きをベースに餃子の皮を巻いて焼き上げたものに、小蟹をすりつぶした「ガンヅケ」とマヨネーズをあえたソースをトッピング。餃子の皮を巻いたところがホクホクになって食感がとてもよくなっているほか、ソースとのマッチングがよく、めざしのようなそうでもないような不思議な味のムツゴロウとの調和もよい。ただ、小骨もあるので、しっかりかんで食す必要があった。

ガンヅケをマヨネーズとあえてムツゴロウのソースに
ここにソースを乗せて食べた。お皿はこの珍魚苑のために特別に作った有田焼とのこと

 食感がコリコリして美味しかったのが肛門みたいと表現したイソギンチャクの餃子。下味として九州の甘めのしょうゆ、キビザトウなどで仕上げられており、コリコリした食感と九州の味のハーモニーが楽しめる。

 アカニシと赤貝については、これは素直に美味といえるもの。アカニシはまるでアワビのような食感で、バターのみの下味とのことで、餃子を食べた瞬間バターの香りが口の中に広がる。赤貝はショウガ醤油と紹興酒で調理されており、こちらは濃厚な味が楽しめる。いずれの品も、これまで食べたことのない食感と味が楽しめ、とても貴重な体験だった。

佐賀の日本酒も飲み放題とのこと
ソフトドリンクもある
ワラスボが使われているエイリアンエナジー

 この珍魚苑だが、上記で紹介したように第2弾応募がこれから始まる。第1弾応募の倍率は30倍以上とのことで、第2弾も人気となることだろう。佐賀の食材に興味のある方、幻の餃子店に行ってみたい方は、ぜひ応募してみていただきたい。