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日本旅行業協会、「アウトバウンド促進協議会」を設立

海外向け日本人旅行者を年間2000万人に

2017年1月26日 開催

JATA 海外旅行推進部長 權田昌一氏
JATA理事・事務局長 越智良典氏

 JATA(日本旅行業協会)は1月26日、定例会見を実施し、日本人の海外旅行者を増やす「アウトバウンド促進協議会」の設立について説明した。海外旅行に行く日本人を増やし、2020年に2000万人という目標達成のほか、旅行会社を利用する人を増やすことも目的。現在はメンバーの募集段階で、2月13日に第一回の全体総会を開催する予定。

 アウトバウンド促進協議会はJATA 海外旅行推進委員会の菊間潤吾氏が会長を務め、JATA会員の旅行会社のほか、海外政府観光局、大使館、旅行会社、旅行マスコミなどがメンバーとなり、活動を進めていく。

 アウトバウンド促進協議会の説明を行なったJATA 海外旅行推進部長の權田昌一氏によれば、現在、海外への旅行者(アウトバウンド)は停滞傾向で、2012年の1849万人をピークには少しずつ減少、2016年はそれまでの減少傾向から若干盛り返したものの速報値で1711万人となっている。

 そのため、日本人アウトバウンド市場の地位低下が発生、海外政府観光局では日本人スタッフの減少、日本以外の国も同時に担当することや、中国にアジアをまとめた観光局を設ける動きがあるなどの変化が起こっていると説明した。さらに、Webサイトでの販売や直販との不毛な価格競争、企画・造成担当者の業務知識不足なども発生しているという。

 活動では、B to Bでしっかりと連携し、顧客を旅行会社に取り戻す。2017年は大きな海外イベントがない年。そのため、連携してJATA会員企業の業績を確保する。

 メンバーは、JATA会員旅行会社の海外旅行推進委員会メンバーを中心に50社程度を想定。海外政府観光局・大使館、サプライヤーも含める。部会として世界を5つの地域に分けたエリアチームとして活動するが、2WAY格差が大きい中国・韓国・台湾は別チーム「2WAY強化チーム(仮称)」とする。

 活動は「企画担当者がすぐ商品に取り入れられる情報を共有」という点を重視。例えば香港では、会員がよく利用するホテルの散歩道や途中の朝粥の店の情報などを共有、“プランナーズアイ”というようなものを構築していく。業績につながる会議、情報交換、ネットワーキング活動も推進していく。

 なお、アウトバウンド促進協議会では、JATAが2020年にアウトバウンド2000万人と打ち立てた目標は外さないとしたものの、アウトバウンドの人数目標だけ重視し、旅行会社の扱いが減るようなことはしたくないとしている。JATA理事・事務局長の越智良典氏によれば「会員からの期待が大きく、(入会希望の)反響が大きい」と説明した。

 定例会見では、JATA経営フォーラム2017の開催についても案内した。開催日は2月28日で、六本木ヒルズの六本木アカデミーヒルズ49で開催する。基調講演は「AIとロボット技術が買える2020年の産業と生活」として千葉興業大学 未来ロボット技術研究センター所長の古田貴之氏が講演する。さらに分科会として4つのセミナーが用意される。