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日本旅行業協会、「Team EUROPE アイルランドセミナー」を開催
2016年12月29日 06:00
- 2016年12月1日 開催
JATA(日本旅行業協会)は12月1日、「JATA Team EUROPE アイルランドセミナー」を報道関係者、旅行代理店向けに実施した。「Team EUROPE」は、2012年に同協会がヨーロッパへの渡航を目的として立ち上げたプロジェクトであり、「ヨーロッパの美しい村30選」や「欧州文化首都」といった、新たな観光素材の発掘、商品化を推進しているものだ。
近年はヨーロッパの大都市への観光が落ち込んでおり、かわって中堅都市への注目が集まっていることから、アイルランド大使館より要望があって開催されたとのことだ。
アイルランド政府観光庁の日本語Webサイト開設を記念したイベント
セミナーを開催するにあたり、アイルランド大使館のアン・バリントン駐日大使が登壇し、「本日のセミナーはアイルランド政府観光庁の公式日本語Webサイト開設を記念して行なわれる、私どもにとっても、とても特別なイベントです」と挨拶した。
続いて、「観光業はアイルランド経済にとって、もっとも重要なセクターの一つです。大きな役割を果たしており、GDPの4%を占めております。これは素晴らしいサクセスストーリーでもあります。観光の面において、アイルランドは史上最高の記録を達成するところでございます。2016年度の訪問者数は昨年比11%増の推定1050万人を記録する見込みです。(北アイルランドと合わせて)人口650万人ほどの小国としては立派な数字だと思います。来年には1100万人達成という野心的な目標を掲げており、日本からもたくさんの方がアイルランドを訪れてくれることを願っています」と現在のアイルランド国内の状況を説明。
さらにバリントン氏は「この成功の理由は多岐にわたっております。アイルランドは荘厳な景観を誇っておりますが、それだけではありません。アイルランド人の暖かいホスピタリティは、日本のおもてなし同様、よく知られております。アイルランドの宿泊施設は優れたカスタマーサービスとスタンダードの高さで知られており、さまざまな方面から高い評価を受けております。また、アイルランドは美味しい食べ物の宝庫でもあります。アイルランド産の牛肉やラム肉は世界的にも有名で、国産のビールやウイスキー、パンやチーズも同様です。また、驚かれるかもしれませんが、新鮮で美味しいシーフードも味わえます。美しい河川や3000kmにわたる入り組んだ海岸線が豊かな恵みをもたらしております」と観光に関して語り、「加えて、アイルランドは文化や文学の伝統でも知られています。ウィリアム・バトラー・イェイツやオスカー・ワイルド、ジェイムズ・ジョイスなど、優れた文学者を輩出しております」とコメントし、ノーベル文学賞を受賞した作家をはじめ、文豪についても紹介した。
また、「アイルランドと日本の間には多くの共通点があります。両国とも島国で、古い文化があり、人々は自然を敬い、芸術を愛し、お祭りや集まりを好む国民性です。ですから、日本からアイルランドへの訪問者数が比較的少なく、年間2万人というのもいささか驚きでもあります。より多くの方に訪れていただくためにできることはたくさんあります。本日のセミナーがその一助となることを願っております。アイルランド政府観光庁のWebサイト『IRELAND.com』をぜひご覧いただき、お役に立つ情報を見つけていただければ幸いです」と政府観光庁の公式WebサイトをPR。
最後に「2017年、アイルランドと日本は外交関係樹立60周年を迎えます。これは、旅行先としてのアイルランドの存在をより多くの方に認識していただける大きなチャンスです。アイルランド語で“百万回の歓迎”を意味する『ケイド・ミラ・フォルチェー』というフレーズがあります。日本からのお客さまへ、アイルランドの歓迎をお約束いたします」と締めくくった。
旅行ガイドの山下直子氏が語る団体観光客向けの観光素材
アイルランドの観光地を紹介するセミナーでは2名の講師が登場。最初は現地に16年ほど滞在し、旅行ガイドとして活躍している山下直子氏が登壇。団体観光客向けの素材を紹介した。
観光地を紹介するにあたり、まず最初にアイルランドの概要について説明。アイルランド島はイギリスの南西、大西洋の西に浮かぶ、北海道と同じくらいの島であり、緯度は北緯51度から55度とサハリンの北部と同じくらいの位置にある。南西部にはメキシコからの暖流が流れてきており、緯度のわりには温暖な気候で「冬は氷点下になる日はほとんどなく、平野部で雪が積もることもほとんどありません。また夏は、日本の軽井沢高原にいるかのようなさわやかな気候で、とても過ごしやすいのが特徴です」とのことだ。
人口はアイルランド国内、北アイルランドを合わせて約650万人、通貨に関してはアイルランドではユーロ、北アイルランド(イギリス領)ではポンドが使われている。
日本からの渡航に関しては、飛行機の直行便は就航していないが「ロンドンまでは12時間程度で、そこから1時間ほどで着きますし、アムステルダムやパリ、フランクフルトといったヨーロッパの主要な経由地のほか、最近ではフィンエアーを使ったヘルシンキ経由、中東のドバイ経由もありますので、アクセスはいいです」とのことだ。
国内に関しては、主要空港があるダブリンから各都市に向かって高速道路が整備されており、ダブリンからベルファストやゴールウェイといった地方の足掛かりとなる都市には約2~3時間ほどで訪れることができるそうだ。
アイルランドの魅力は、歴史や文化遺産を息をのむほど美しい自然のなかで見られることだが、「近年では安全というのが海外旅行では大事になっていますが、ヨーロッパのなかでも治安は非常によく、親日的な国民性もあり、旅行者が犯罪にあう確率は低くなっています」と安全面について説明した。
日本で2019年に行なわれる予定のラグビーワールドカップだが、その次の開催地(2023年)としても立候補しており、国内外で盛り上がっているそうだ。
ダブリン
首都120万人の首都だが、コンパクトで徒歩で散策するのにピッタリ。地元の人が行くところも観光客が行くところも混ざっているので異国情緒を楽しめる。いちばんの見どころは、ダブリン大学・トリニティ・カレッジにある「オールドライブラリー」。
20万冊の蔵書を誇り、印刷技術ができる以前に作成された彩色写本のコレクションが有名。次にオススメするのは「ギネスストアハウス」。250年の歴史があるギネス(GUINNESS)の醸造所に併設されている観光スポット。最上階にあるガラス張りのバーで、ダブリンの景色を見ながらできたてのビールを楽しむことができる。ちなみに、ここでは1日に120万Lのギネスが作られており、そのうちの半数が輸出、半数が国内消費に充てられるのだが、国内分は48時間以内に消費されてしまうそうだ。郊外には遺跡で有名な「ニューグレンジ」、中世のたたずまいを残し、JATAの「ヨーロッパの美しい村30選」に選ばれた「キルケニー」などがある。
北アイルランド
統治はイギリスだが、観光はアイルランドの政府観光庁がプロモーションしている。首都はベルファスト。造船業が盛んだったこの地では、有名な「タイタニック号」が造船されたことで有名。
2012年にはタイタニック号の歴史を展示する博物館が建設された。北部には世界遺産にもなっている「ジャイアンツ・コーズウェイ」があり、3万7000本にも及ぶ、六角形の石柱で埋め尽くされた海岸が見どころとなっている。ほか、世界でもっとも古いウイスキー蒸留所である「ブッシュミルズ」もある。
北西部
アイルランドの北から南を結ぶ全長2500kmにも及ぶ海岸道路「ワイルド・アトランティック・ウェイ」の北の玄関「ドネゴール」。手つかずの美しい自然が残された「グレンベイ国立公園」、ヨーロッパで3本の指に入るという断崖絶壁の海食崖「スリーブ・リーグ」(高さ300mの絶壁)、ノーベル文学賞受賞者であるウィリアム・バトラー・イェイツのゆかりの地「スライゴ」がある。
イェイツは日本の「能」の影響を受けたことでも知られ、戯曲「鷹の井戸」を執筆。のちに日本に逆輸入され、新作能「鷹姫」として演じられている。その初演50周年を記念して、2017年2月16日に東京・渋谷にあるBunkamura オーチャードホールで上演される予定だ。また、アイルランドを代表するアーティスト、エンヤの出身地「グゥイドー」もある。実家はパブを経営しており、観光客も訪れるそうだ。
西海岸
西海岸の中心都市は「ゴールウェイ」。活気のある街で、伝統的なパブや雰囲気のよいレストランが立ち並ぶ。9月はカキのシーズンであり、オイスターフェスティバルも開催される。
ゴールウェイの西には景勝地として有名なアラン諸島があり、絶景を楽しめる人気の観光スポットになっている。アイルランドの原風景が残っている「コネマラ」は、シャクナゲなど季節の花が美しいロケーションであるとともに、イギリス統治下時代に食糧難に陥った際に山肌でジャガイモを栽培した跡が縦じまとして残っている。ほか、断崖絶壁で有名な「モハーの断崖」もある。
南西部
南西部は複雑な海岸線に数多くの観光スポットが存在する。そのなかでも最近注目を集めているのは、2015年に公開された映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、2017年公開予定の映画「スター・ウォーズ エピソード8」の撮影に使われた「スケリッグ・マイケル」だ。16kmの沖合にある小さな孤島だが、急峻な山のシルエットと絶海の景色が見るものを魅了する。そのほかでは、ヨーロッパ最西の街「ディングル」などがある。
南部
南部の中心都市「コーク」はアイルランド第2の都市で、イングリッシュ・マーケットと呼ばれる市場が見どころ。南北に伸びる海岸道路、ワイルド・アトランティック・ウェイの南の終着点である「キンセール」がコーク近くにある。ここはアイルランドのグルメキャピタルと呼ばれており、新鮮な素材を使った美味しいレストランが昔からあるという場所だ。
チョコの種類豊富でポテトチップスも美味しく、食事が好評のアイルランド
アイルランドの食事については「こんなに美味しいとは思わなかった!」と観光客に喜ばれるそうだ。耕地面積の約80%が牧草地であり、冬でも枯れないので、家畜は300日以上屋外で放牧されており自然な環境で育てられている。
食肉はもとより、バターはキンポウゲの花のような色濃い黄色で、カロチンが多く含まれている生の草を常に食べているからとのことで、素材のよさが、アイルランド料理のベースとなっている。また、アイルランドはチョコレートの消費量が世界一で、いろいろな種類のチョコレートがあり、ジャガイモもよく消費されるのでポテトチップスも美味しいとのことだ。
そのほかの観光トピックス
新しい観光トピックスとしては、ダブリン国立美術館の新装オープン記念として「フェルメール特別展」が2017年7月17日~9月17日まで開催される。常設している1点を含め、「真珠の首飾りの女」など全10点が展示される。フェルメールの作品は世界で30数点しか存在しないということで、そのなかで10点集まるのでとても貴重な展示会になるとのことだ。
自然を眺めながらのハイキングも人気で、春はハリエニシダ、初夏はシャクナゲなど、野生の花も見どころだそうだ。5月初旬の1週間ほどと短い期間だが、ブルーベルの花が絨毯のように咲きほこる場所もあるそうなので、そちらもオススメとのこと。
人気の滞在先として高級ホテルや古城ホテルもあるが、そのなかで注目なのは「アシュフォードキャッスル」という、ゴールウェイの北方にある街「コング」近くにある宿泊施設だ。日本でもNHKで放送されている海外ドラマ「クイーン・メアリー 愛と欲望の王宮」のロケ地にもなった場所で、抜群の景観はもとより、乗馬やボート、ゴルフやクレー射撃、変わったところでは鷹狩スクールなど、豊富なアクティビティも魅力だとのことだ。
そのほかでは、2017年運行予定の「ベルモンド・グランド・ハイバーニアン」という、オリエントエクスプレス・スタイルの豪華列車があり、2泊、4泊、6泊のコースが選べるそうだ。
なお、山下氏は現在、2017年5月発売予定のアイルランドの旅の本「旅のヒントBOOK・アイルランド(仮)』(イカロス出版)を執筆中とのこと。
ツアーガイドのデクラン・サマーズ氏が語る、個人旅行者向けの魅力
次に登壇したのは、デクラン・サマーズ氏。日本に留学し、通信会社に勤務。その後、アイルランドにて観光会社を立ち上げ、自身もツアーガイドとして活躍していた経歴の持ち主だ。後半のサマーズ氏は前半の山下氏と重複する部分もあるが、おもに個人旅行者向けのアイルランドの魅力を語った。
アイルランドへの渡航者だが、イギリスがもっとも多く、続いてヨーロッパ諸国から。ほかでは、アメリカの人が自分のルーツ探しの旅として訪れるのが多いそうだ。日本からは2.5万人と少ないが、ワーキングホリデーや語学留学として長期滞在される人も多いとのこと。
アイルランドは意外と身近な存在として日本でも認識されており、つい最近ではハロウィンのフェスティバルがそれにあたり、そのルーツはアイルランドなんだそうだ。ほか、パブやギネスビールなど、アイリッシュの要素は日本でも多く見られる。
文芸の面でも、司馬遼太郎や村上春樹といった、日本を代表する作家がアイルランドに言及しており、「自然を愛する精神や島国スピリッツなどが共通点としてあるのかもしれません」と話した。
首都ダブリン
アイルランドの首都であり、玄関であるダブリン。ショートステイに適した街として紹介された。一人旅でもっとも手軽なのは乗り降り自由の市街地バスツアーで、「チケットは24時間と48時間使えるものがあり、ダブリンを一周するこのツアーは90分くらいしかかかりません。その途中で降りて立ち寄れる場所はたくさんあります」とのことだ。
人気のある場所としては、山下氏も紹介していた「ギネスストアハウス」で、2015年にはワールド・トラベル・アワードにおいて、ヨーロッパで一番のツーリストアトラクションを受賞しており、ここでしか買えないお土産もあるそうだ。一番のポイントは、ギネスストアハウスの最上階にあるガラス張りのパブで、そこでギネスビールを片手に、ダブリンの夜景を楽しめるとのことだ。
そのほかでは、これも先に紹介されているが、トリニティ・カレッジに保管されている「ケルズの書」が一度は見てもらいたいほどの価値があるとのこと。ケルズの書はもともとスコットランドの西のアイオナ島のアイオナ修道院で1200年前に作成されたラテン語で書かれた彩色写本であり、ケルト文化の最高峰と言われるほど美しいものだそうだ。
アイルランドでもっとも有名な聖人の名前が付いている「聖パトリック大聖堂」も人気の観光スポットで、中世の時代からある伝統的な大聖堂だそうだ。日本でも3月に表参道で緑色の服を着た人たちがパレードするお祭り「セントパトリックス・デー」が有名だが、そのお祭りはアイルランドの守護聖人である聖パトリックと関係している。サマーズ氏によると「世界中で行なわれている有名なものであり、この日は緑色の服を着ている人はアイルランド人になれます。そして、ニューヨークで行なわれるものが最大だと思われますが、アイルランドで行なわれるものがもっとも楽しいと思います」と語った。
パブ
アイルランド国内には約8000店のパブがあり、夜は伝統的な音楽で盛り上がる店もある。「パブではギネスビールが多くの人に飲まれています。ギネスのスタウトと呼ばれている黒ビールで、アイルランドでいただくギネスは泡がクリーミーで苦味なく、とっても美味しいものです。そのためだけにも足を運んでみてください。そして、アイルランドの伝統的な音楽のほとんどのセッションはパブで行なわれており、演奏するプレイヤーはプロであったりアマチュアであったりとさまざまで、始まる時間も終わる時間もキッチリと決まっているものではありません。大々的に宣伝されているわけではありませんが、見る価値は十分にあります」と話し、アイルランドのセッションを聴くのにもっともよい場所として、西海岸のゴールウェイ、エニス、ドゥーリン、東海岸のダブリンを紹介。ダブリンのオススメのパブとしては「ザ・コブルストーン」がイチオシとのことだ。
ウイスキー
パブではギネスのほかにアイリッシュウイスキーもよく飲まれている。そのウイスキーはアイルランドの修道士によって作られ、ゲール語で“命の水”が語源になっているそうだ。
ウイスキー蒸留所の一つとして、アイルランドの東海岸、カーロ―県のロイヤルオークに「ウォルシュ・ウイスキー(Walsh Whiskey)」があり、その蒸留所は古くから大麦の重要な生産地として、緑豊かな自然に囲まれた場所として紹介。「アイリッシュウイスキーの特徴として、3回も蒸留していることがあげられます。このウォルシュ・ウイスキーを見学できる1時間ほどのツアーもあり、それもぜひオススメです。ちなみに私の故郷です(笑)。そこで作られたウイスキーは2009年には、『死ぬまでには飲まなければいけないウイスキー』の一つとして選ばれています。“死ぬまで飲む”ではなく、“死ぬまでには飲まなければいけない”ですヨ(笑)」と、ジョークを交えながら解説した。
そのほかでは、北アイルランドにある世界でもっとも古い蒸留所「ブッシュミルズ(Bushmills)」や、世界で一番飲まれている「ジェムソン(JAMESON)」も忘れてはいけないとし、近年はダブリンにあるウイスキーミュージアムとか、ディングルウイスキーなど、新しいテーマパークが登場しているとのことだ。
東海岸
政府観光庁の公式WebサイトであるIRELAND.comには、「アイルランドいにしえの東部 5000年の歴史をさまよう」という、アイルランドの東部を知るうえでとても勉強になるページがあると紹介。その一つとして紹介されている「ニューグレンジ」は、紀元前3200年ごろに作られた古墳であり、冬至になると朝日がキレイに埋葬室に入ってくるように設計されていて神秘的な光景が広がるそうだ。このニューグレンジは、エジプトのピラミッド、そしてイギリスのスートンヘンジよりも古い遺跡で、ダブリンからはクルマで約45分ほどのところにあり、日本語の日帰りツアーもあるとのことだ。
南東部には、バイキングが914年にやってきたときに作った都市「ウォーターフォード」があり、クリスマスフェスティバルが11月25日から12月23日まで開催。毎週末には30以上のイベントが催され、ほとんどが無料で楽しむことができるそうだ。
西海岸
西海岸には「ワイルド・アトランティック・ウェイ」と呼ばれる、起伏に富んだ大西洋の海岸線を楽しめるルートが作られている。北はドネゴールの北端のイニシュオーエン半島から、南はウェスト・コークのグルメと歴史の港町であるキンセールまで伸びており、現在では159カ所の絶景観光ポイントがあるとのことだ。
北を出発点として紹介していくと、北端であるイニシュオーエン半島は、冬は条件がそろえばオーロラが見えることもあり、ドネゴール、スライゴには絶景のスリーブ・リーグがあるほか、有名なサーフスポットも点在。この辺りでは海草風呂があり、オススメとのことだ。
メイヨー、コネマラには、伝説や民間伝承が多く伝わる「パトリック・ヘッド」と言う美しい岬、立ちはだかる岸壁、美しい砂浜、ジャガイモ飢饉時代のときの村の跡地などがあり、湿原を歩くようなワイルドな散策「ヴォーグウォーキング」も楽しめるそうだ。付近の中心となる都市はゴールウェイで、とてもフレンドリーで、美味しいシーフードで人気とのこと。そのゴールウェイを過ぎると絶対に外せない観光スポットとして、バレー高原にある「モハーの断崖」を紹介。アイルランドの人気観光地ナンバー2にランクインしたことがあるこの場所は、約200mの断崖絶壁が8kmにわたって大西洋に張り出している見事な絶景を楽しむことができ、さまざまな種類の野鳥が生息しており、岸壁は特別保護地域にも指定されているそうだ。また、ハリーポッターの撮影地としても有名だそうだ。
さらに南下するとケリー県に到着。ここにある「スケリッグ・マイケル」は世界遺産であり、大西洋に突き出た二つの岩から成り立っている。こちらはキリスト教の聖地であり、1300年の間、巡礼地として重要な歴史を持ち、聖なる雰囲気のある場所として知られているとのこと。また、スターウォーズのロケ地としても有名だと付け加えた。
最後はコーク県に入り、ワイルド・アトランティック・ウェイの最終地点のキンセールがここにある。キンセールは古くから港町として栄えており、歴史的な建造物や教会も見どころで、個性的でカラフルな街並みが人気。新鮮なシーフードを使ったグルメタウンとしても有名とのことだ。
B&B
IRELAND.comではいろいろな宿泊施設が紹介されているが、アイルランドらしさを満喫できる宿泊施設として「B&B(ビーアンドビー)」をあげた。それは文字通り、ベッド(Bed)と朝食(Breakfast)だけを提供してくれるシンプルな宿。家族経営が多く、普通の家庭において子供が独立して家を離れるなどの理由で空いた部屋を、旅人のために提供するということから始まったそうだ。街の規模を問わずあり、おかみさんは世話好きで話好きの人が多いので、街の最新情報を得られることからも、個人旅行客に人気だそうだ。
ゴルフ
アイルランドではゴルフは昔から人気のスポーツであり、国内には400以上ものゴルフコースが存在。「世界には200カ所に海沿いのゴルフコースがありますが、そのうちの50カ所がアイルランドにあります。ゴルフ雑誌によるランキングでもたびたび上位にランクインされています。また、1891年に設立されたアイルランドのゴルフ協会は世界でもっとも古いものです。そして、北アイルランド出身の世界的プレイヤーである、ローリー・マキロイが練習する「ロイヤルポート・ラッシュ・ゴルフ・クラブ(Royal Portrush Golf Club)」は、2019年の全英オープンが開催されるコースとなります」と紹介した。また、アイルランドの夏は日が長く、朝6時30分に夜が明け、沈むのは22時過ぎなので、プレイできる時間がとっても長いのも特徴で、ほかの観光名所とセットで楽しむことも可能、と話していた。
サマーズ氏は「このようにアイルランドは大変観光スポットも多い場所であり、気候的にも過ごしやすく、また日本人にとってもなじみ深い文化があることからも、ぜひ訪れてもらいたい場所です。IRELAND.comでもいろいろと紹介されているので、そちらもご覧ください」と締めくくった。