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新番組「日本遺産」のナレーターを務める草刈正雄さんが文化庁を表敬訪問

2020年までに約100件の日本遺産を認定。番組は11月13日にBS-TBSで放送開始

2016年11月9日 実施

2016年11月13日 放送開始

新番組のナレーターを務める草刈正雄さん(左)が文部科学省 文化庁長官 宮田亮平氏(右)を表敬訪問

 文化庁は2015年から「日本遺産」の認定を開始している。これは日本の文化財や伝統文化を通じた地域の活性化を図ることを目的に、日本各地の歴史的経緯、地域の風土に根ざした、世代を超えて受け継がれている伝承、風習などを踏まえたストーリーのもとに、有形・無形の文化財をパッケージ化したものを「日本遺産」として認定しているもの。

 例えば、「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡 ―人、技、心―」と題し、 高岡市の高岡御車山や高岡城跡などを構成文化財としたパッケージであったり、「『四国遍路』~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~」と題し、四国の寺を構成文化財としたパッケージであったり、そういったものを「日本遺産」として認定。それを核として情報発信、人材育成や伝承、環境整備などの取り組みを効果的に進め、地域創生や観光の活性化を促すという狙いがある。2015年には18件、2016年には19件が認定されており、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに、約100件の「日本遺産」認定を目指している。

 11月13日からはBS-TBSにおいて新番組「日本遺産」がはじまり、認定された「日本遺産」を毎回紹介していくことになっている。11月9日には、この新番組「日本遺産」でナレーターを務める草刈正雄さんが、番組開始の挨拶として東京都千代田区霞が関にある文化庁を表敬訪問した。

宮田亮平氏長官と草刈正雄さんががっちりと握手

 文部科学省 文化庁長官である宮田亮平氏は、長官室に草刈正雄さんを迎え入れてがっちりと握手。まずは新番組「日本遺産」の第1回放送分のダイジェスト版を2人で視聴した。新番組「日本遺産」では4Kカメラやドローンを駆使して撮影、認定された日本遺産を草刈正雄さんのナレーションとともに紹介していく。第1回では福井県の「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」と、和歌山県の「鯨とともに生きる」が取り上げられる。

BS-TBS「日本遺産」

放送日時:2016年11月13日9時30分~10時 毎週日曜放送
Webサイト:BS-TBS「日本遺産」

新番組「日本遺産」の第1回放送分のダイジェスト版を視聴する草刈正雄さんと宮田亮平長官

 ダイジェスト版を見終えた宮田亮平長官は「草刈さんは男前で声がいいし、語り方もいい! 引き込まれます」と絶賛し、日本遺産の経緯について話し始めた。各地域でばらばらに行なっていること、存在するもの、語り継がれているものを「日本遺産」という認定を行なうことで、当事者たちも、日本中の国民もそのすごさを認識できる制度であると説明。世界遺産も大事だが、国民にとってもっと身近なところに価値のあるものが存在するということを、日本遺産という形で伝えていけるのではと、目指すところを語った。

 そして「日本の皆さんは、周囲にたくさんいいものがあるのに、いいものがあり過ぎて気付けていないのでは。それを立ち止まって気付けるように、日本遺産の魅力を草刈さんに伝えていただきたい」と期待を寄せた。

「草刈さんには『日本遺産』の伝道師になってほしい」と語る宮田亮平長官

 宮田亮平長官の話を受けて草刈正雄さんは、「自分も日本各地に伝わる日本遺産を番組を通じてどんどん楽しんでいきたい」と答えた。日本遺産のどんな部分が楽しみかと問われると、自身が福岡県小倉市出身であることに触れ、「小倉には小倉祇園太鼓というお祭りがありまして、太鼓を両面打ちする珍しいもので、私も若い頃には太鼓を叩いていたんです。だから第1回の放送でもお祭りが登場しますが、そういうシーンは私もワクワク・ドキドキという気持ちになるんです」と話した。

出身地のお祭りである小倉祇園太鼓では、自分の太鼓を叩いていたと話す草刈正雄さん

 宮田亮平長官は最後に、「私はね『文化』と『観光』と『産業』、これは三輪車だと思うんです。一輪車は乗りこなすのが難しい、二輪車は走り続けなければ倒れてしまう、三輪車だったら止まってもゆっくりでも倒れない。この3つの要素が詰まった日本遺産を、テレビを通じて国民の皆さんに、2020年に向けてお伝えしていければ」と語り、会見を終えた。